
■EVER LASTING MOMENT VOL.7
○昭和の薫り漂うWEBマガジン
○無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)
○小説/散文/妄想/企画 或れ此れ其れ何れなんでも有り
○誤字脱字間違い辻褄合わず各自適宜補完にてよろしく哀愁
いずれ一夜の夢ならば
呑んで謡って ホイのホイのホイ
今宵とことん ホンダラッタホイホイ
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■映画/ドラマ/スポーツなど
●2024年
○放送中 おむすび(朝ドラ)橋本環奈
○放送中 光る君へ(大河ドラマ)吉高由里子
○放送中 それぞれの孤独のグルメ(金24:12テレビ東京)
○配信中 STAR WARS アコライト(Disney+)※全8話
○配信中 ハウス・オブ・ザ・ドラゴン2(U-NEXT)※全8話
○配信中 ザ・ホワイトハウス(U-NEXT)※全7シーズン
○配信中 地面師たち(Netflix)※全7話
○配信中 No Activity(Amazon)※全6話
○配信中 極悪女王(Netflix)※全5話
○10/17木 機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム(Netflix)全6話 ※1年戦争
○06/28金 ルックバック(2024=押山清高)58分 ※一律1700円
○09/06金 エイリアン ロムルス(2024=フェデ・アルバレス)119分
○09/06金 チャイコフスキーの妻(2022=キリル・セレブレンニコフ)143分
○09/06金 ナミビアの砂漠(2024=山中瑶子)137分 ※河合優実
○09/13金 ヒットマン(2023=リチャード・リンクレイター)115分
○09/13金 スオミの話をしよう(2024=三谷幸喜)114分
○09/27金 憐れみの3章(2024=ヨルゴス・ランティモス)165分
○10/04金 シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024=アレックス・ガーランド)109分
○10/11金 ジョーカー フォリ・ア・ドゥ(2024=トッド・フィリップス)138分
○10/11金 若き見知らぬ者たち(2024=内山拓也)119分
○10/11金 二つの季節しかない村(2023=ヌリ・ビルゲ・ジェイラン)198分
○10/18金 デス・ウォッチ(1980=ベルトラン・タベルニエ)130分
○10/25金 トラップ(2024=M・ナイト・シャマラン)105分
○09/21土〜10/11金 映画で愉しむ 私たちの偏愛文学(神保町)
○10/12土~11/01金 小説家・山崎豊子 華麗なる映画たち(神保町)
○09/27土〜10/18金 カメラの両側で…アイダ・ルピノ レトロスペクティブ(ヴェーラ)
○10/05土〜02/11火 モネ 睡蓮のとき(国立西洋美術館)
○11/02土〜11/04月 ブラタモリ(三夜連続放送)
○11/13水 プレミア12
○11/10日〜11/24日 大相撲11月場所
○11/22金 海の沈黙(2024=若松節朗)※倉本聰35年ぶり映画脚本
●2025年
○01/01水 ローズパレード ※京都橘3回目の出場
○1月 べらぼう(大河ドラマ)横浜流星
○01/10金 劇場版 孤独のグルメ(2025=松重豊)
○02/14金 キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
○コブラ会 最終シーズンPART3(Netflix)※24年7月PART1/24年11月PART2
○3月 第6回WBC
○03/18火 MLB開幕戦ドジャースvsカブスat東京ドーム
○4月 あんぱん(朝ドラ)今田美桜
○04/13日 大阪・関西万博開幕
◯6月 サッカークラブW杯(新方式、32チーム)
○09/13土〜09/21日 世界陸上(東京)
○10月 ばけばけ(朝ドラ)
●2026年
○1月 豊臣兄弟!(大河ドラマ)仲野太賀
◯02/06金 ミラノ・コルティナ五輪
◯3月 WBC
○05/22金 STAR WARS新作
◯06/11木 サッカーW杯アメリカ/カナダ/メキシコ大会
○8月 Jリーグ秋春制第1シーズン
○12/18金 STAR WARS新作
●2027年
○世界陸上(北京)
○バスケW杯
○ラグビーW杯オーストラリア ※20→24に増加?
○12/17金 STAR WARS新作
●2028年
○EURO2028イギリス/アイルランド
○07/14金〜07/30日 ロサンゼルス五輪
●2029年
○世界陸上(バーミンガム?)
●2030年
○サッカーW杯モロッコ/ポルトガル/スペイン大会(100周年記念大会)
●2031年
○世界陸上
●2032年
○EURO2032イタリア/トルコ
○07/23金〜08/08日 ブリスベン五輪
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■STAR WARS 最後のジェダイ(2017=ライアン・ジョンソン)152分
EP6は83年公開当時の初見の感想は大失望だった(完結編なのに戦闘シーンしょぼい、帝国軍のウォーカーが丸太でつぶされるって!? 、皇帝あっさり死にすぎ、これで全て終了のラストシーンが村祭り!? )が、何度も見返すうちにそれなりに好きになったので、今作も何度か見返すうちにそうなるかもしれないが、とりあえず初見直後の今はもやもや感の方が圧倒的に強い。
※EP6のラストシーンの村祭りは、最新版では銀河中で勝利を祝うモンタージュに修正され、音楽も村祭り風からフィナーレ風に変わり、霊体アナキンも登場して霊体3人勢揃いになった(霊体勢揃いにはできればクワイガンもいて欲しかった)
ルークが死んでしまった、という喪失感もあるが、最後の戦い〈実体〉でなかった事は大いに不満。EP7のハン・ソロは何はともあれ直接対決していた。これなら最初から実は無敵でマトリックス的にレンの攻撃を避ける必要もなかった(観客を驚かせる為だけの1回限りのハッタリ演出)。
EP7のハン・ソロに比べてコレといったルークらしい見せ場もなく、あの星に隠遁している理由もよく判らず、カイロ・レンに関する話も納得できる話ではなかった。
昔の話を画で見せるのはやはりSTAR WARSっぽくない。EP1〜EP6は全てが現在進行形でこういうショットは皆無だった筈。前作の「燃える村を見るルークとR2」はJ.J.だけにフラッシュフォワード(予知夢的な映像)なのかと思っていた。
あえて言えば霊体ヨーダに「young skywalker」と呼びかけられて会話するシーンはちょっとルークっぽい感じはあった。
レイが差し出したライトセーバーを受け取ったルークはそれをポイっと投げ捨てる。この行為はEP6のラストのルークには全く結びつかない。ベン・ソロがダークサイドに堕ちた事がルークを変えたという事なのだろうが、そこが納得できる形では描かれていなかったし、そこまで変わってしまったルークが昔のルークに戻った明確なきっかけもはっきり判る形では描かれていなかった(R2が映し出したレイアのビデオメッセージで心変わりなのだとしたらあまりにも安易)。いずれにしても最後の行動に繋がる正しい最初の行動は「ライトセーバーを受け取って逡巡」であるべきだったと思うポイっと投げ捨ても観客の予想を裏切る為だけのハッタリ演出。
レイアの危機(レジスタンスの危機)を救う為にルークが還って来る、という根本のストーリーは良いと思う(できれば海に沈めていたXウイングにR2を乗せて実体で還って来てほしかった)のだが、前半のレイアの不死身設定? (宇宙空間に放り出されても死なず、自力で戻ってくる)はこの根本のストーリーに対しては逆効果だし、そもそもこのくだりは何の為に必要だったのかよく判らない(こんな事ができるならレイア自身がキャプテン・マーベル風に戦う事も可能なのか?と思ってしまう)。こんなシーンを作るくらいなら、レイアがライトセーバーで戦うシーンを見たかった。これも上記のルークのシーンと同じで、単に観客を1回だけ驚かせる為の演出(シリーズ全体における無駄なフォースのインフレ化)にしか感じられなかった。
今作で誰かが死ぬとしたらレイアだと思っていたのだがレイアは生き残った。EP9はどうするんだろう? 時間経過してその間に死んだ事にするのか?
巻頭の戦い(爆撃ボタン)、司令官(Laura Dern)の単独特攻(ヤマトか!)、最後のルーク。この3つはいずれも多くを助ける為にひとりが死ぬ行為(ONE FOR ALL)が英雄的に描かれている。一応争い事が描かれているので犠牲者が出るのは仕方がないが、この行為が大仰に感動的英雄的に描かれるのは、物語としてどうも好きになれない(単純に好みの問題)。「ローグ・ワン」が好きになれないのもこれが理由。
過去作は「良い方」(共和国・反乱同盟軍・レジスタンス)も「悪い方」(シス・帝国・ファーストオーダー)も関係なく、たくましく或はだらしなく生きている商人・ガラクタ拾い・バーの客・ゴロツキなどが(ストーリーと関係なく)描かれていて、それはSTAR WARSの魅力の相当部分を影で支えていたのだが、今作はあえて言えばコードブレイカーを探しに行くカジノがそれなのだが意味合いが違う。「ここにいる人たちは戦争で稼いでいる(悪い)奴ら」と単純化されている。「良い方」「悪い方」「戦争で稼ぐ人」「戦争で虐げられる人」と世界が単純化されているように見える。
銀河は広大で色々な人が色々な思惑で生きていて、共和国系vs帝国系の争いに関係なく(楽しく?)生きている人がたくさんいる(ように思える)EP1〜EP7の世界観が好きだったのだが、それが急に単純化された印象。「ここにいる人たちは戦争で稼いでいる(悪い)奴ら」みたいな台詞がなく、カジノにもっと陽気な音楽(ex.モスアイズリーの酒場)が流れていて、コードブレイカーがBenicio del Toroではなくホンジョーみたいな人間型クリーチャーだったら、全然違った印象になったと思う。実は1番深い部分で落胆が大きいポイントかもしれない。
※この種の人々の描写はEP3はなかった? (要確認)
その他の不満・疑問など
・スノークあっさり死にすぎ(カイロ・レンいつの間に強くなった!?)
・射程距離問題がよく判らない(その後の輸送艇はバンバン撃たれていた)
・レジスタンスの行動が単純すぎる(全組織全人員がひとつの艦隊に集合!?)
・ベン・ソロはなぜ暗黒面に堕ちてカイロ・レンを名乗るようになった?
スノークの正体(出自)とともに描かれるかと思ったが不明のまま
・レイがジャクーに帰りたがっていた理由は?(両親は既に死亡)
・これは何度も見直さないと判断できないが、過去作と比べて編集の方法論が変わった気がする(緩急のつけ方、音楽の使い方、ワイプの使い方)
・ルークとレイの話がグダグダしていて射程距離問題がよく判らないので中盤冗長
STAR WARSで始めて味わう冗長感
僕にとってのSTAR WARS最大の魅力は、単純な既視感のあるストーリーを広がりのある世界観で冒険活劇的にスピーディーに語る方法論(ストーリーよりもスピード感と世界観、観ている間は展開の速さで疑問点や矛盾点を置き去りにする)にあったのだが、その方向性は前作で終了で、今作からはこの次の新3部作もふまえて、ある程度別の方向性に舵を切ったのかもしれない。メイン(3部作系)は二元論に近づけて、スピンオフやTVシリーズの方で多様性を見せる方向に向かう可能性も考えられる。
EP8でもっとも揺さぶられたのはエンドロールの「in memory of carrie fisher」が表示されていた部分のピアノソロ(レイアのテーマ)。ここは涙が出そうだった。
マーク・ハミルは監督に「君の脚本のルークの行動には全く納得できないがベストは尽くすよ」と言った由。
宇多丸さんは声を荒げるほどに超批判的だったw
以下、宇多丸さんの主な批判ポイント(いすれも同感)
①映画作品としてグダグダの部分が多すぎる
②今回のレジスタンスのやっている事は全部バカ(長い上映時間の殆どの時間がレジスタンスの無為無策の自業自得)
③レイとルークがまともな師弟関係を結んでいない(レイがキャラクターとして成長していない)
④新しい印象的な音楽がひとつもない
⑤EP6でルークが成し遂げた事に対するリスペクトがなさすぎる
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■U-NEXT見放題(R18)
●イマドキの軽いノリの20歳の専門学生(2024年4月)17分
○ぱっと見一瞬小嶋陽菜、スレンダー&微乳
○寝バックPOV、撮影者の影がなければモアベター(13分頃)
○照明やや暗めでグッド
○過去作再編集短縮版、この程度の尺の方がさくっと抜くには多分ちょうど良い
●初撮り素人 スタイル抜群長身スレンダー ゆり21歳(2023年11月)134分
○なかなかのアイドル風フェイスも全開笑顔で残念歯茎、微乳
○寝バックの悶えグッド(40分頃)
○うつ伏せで脚を閉じた状態で手マン潮吹き(41分頃)
○自宅設定キッチンでひざまずきフェラから立ちバック、クロウスアップは照明当てすぎでテカるのでずっとロングの方が良かった(115分頃〜)
●アイドル超えの浴衣JD ホテルへ連れ込みヤリたい放題 愛子21歳(2018年8月)62分
○アイドル風フェイスでどの角度でもまずまずかわいい、微乳
○密着度強めで丁寧なフェラ(38分頃)
○まんぐり返しで男性のアナル周辺舐め(43分頃)
○後背位のうつむき顔グッド(51分頃)
○最後まで浴衣を全部は脱がさないのが良い
○ライト使わず窓からの自然光で撮っているように見える
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■島耕作メモ
島耕作プロフィール
生年月日 1947(昭和22)09.09(乙女座/B型)
出身地 山口県岩国市
出身校 私立鷹水学園高校
出身校 早稲田大学法学部(1970年卒業)
資格 普通自動車免許
資格 実用英語技能検定1級
身長 177㎝
父親はサラリーマン
母親は呉服商
ひとりっ子
大学時代ESS
好きな食べ物 サラミ
好きな食べ物 トリュフ
好きな食べ物 オリーブオイル
嫌いな食べ物 酸っぱいもの
ワインに詳しい
バリ島が好き
77年結婚、89年離婚(怜子)
12年再婚(島耕作65歳、大町久美子45歳)
長女 奈美(79年誕生)
孫 耕太郎(03年誕生)
*出典「島耕作クロニクル 連載30周年記念エディション」
■島耕作職歴
1970年4月 初芝電器産業株式会社入社
1970年11月 本社営業本部 販売助成部屋外広告課
1971年11月 本社営業本部 販売助成部制作課
1976年1月 本社営業本部 販売助成部制作課主任
1980年3月 本社営業本部 販売助成部制作課係長
1983年5月 本社営業本部 販売助成部宣伝課課長 *課長島耕作①
1985年1月 ハツシバアメリカ NY支社宣伝部 *課長島耕作①②
1986年1月 本社営業本部 販売助成部宣伝課課長
1987年5月 電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長
1988年5月 本社営業本部 販売助成部ショウルーム課課長
1990年5月 フィリピンハツシバ マーケティングアドバイザー
1990年11月 本社営業本部販売助成部総合宣伝課課長
1992年2月 本社総合宣伝部部長
1999年1月 初芝電産貿易株式会社代表取締役専務(出向)
1999年9月 サンライトレコード株式会社代表取締役専務(出向)
2001年4月 本社市場調査室
2001年5月 福岡初芝販売センター代表取締役専務(出向)
2001年10月 福岡初芝販売センター代表取締役社長(出向)
2002年2月 本社取締役九州地区担当役員
2002年6月 本社取締役上海地区担当役員上海初芝電産董事長
2005年2月 本社常務取締役中国担当役員
2006年11月 本社専務取締役
2008年5月 初芝五洋ホールディングス株式会社代表取締役社長
2013年7月 TECOT代表取締役会長
2019年8月 TECOT相談役
2022年1月 TECOT相談役退任
2022年3月 株式会社島耕作事務所設立 UEMATSU塗装工業社外取締役
※2010年1月社名変更(初芝五洋ホールディングス→TECOT)
*出典Wikipedia
■課長 島耕作 第3巻
●課長018 YOU’D BE SO NICE TO COME HOME TO(帰ってくれて嬉しいわ)
◯宇佐美と大泉、どちらの派閥にもつきたくない
・赤坂の料亭で宇佐美専務昇進祝い、福田部長から大泉の弱みに関して訊かれる(典子の事を隠す)
・妻と娘が家を出て別居(帰国すると既に引っ越して済み、置き手紙)
・新宿のホテルのティールームで離婚について話し合う(当面別居)
・典子が働いている銀座の高級クラブ、典子に誘われて六本木のカラオケバー
・典子の部屋でいきなりキスをされる
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年3号掲載
●課長019 誘惑
◯典子に誘惑されてセックスして逆に弱みを握られる
・罠だと思いつつ典子の部屋でセックス、典子は大泉の策略を全てお見通し、質草はホクロの位置
・石神井公園で娘・奈美と会う、俺と豊島園に行きたかったら百点取ってみろ→奈美から手紙(テスト100点)
・典子から会社に電話がかかってくる(部下の女子社員が受ける)
※会社のデスクの上にはパソコンはない、電話はプッシュホン
※前回とこの回でオーソドックスな仕事と私生活の諸々で展開して長期シリーズになる可能性を明示
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年4号掲載
●課長020 嘆き(Mournin’)
◯電新任の直属の上司からパワハラを受ける
・自宅から丸の内の会社まで電車を乗り継いで約1時間
・おばあさんに席を譲らない中年男性と口論、隣の男性が席を譲る
・電車で口論になった男(検見川)が上司になる
・娘・奈美に「会社でいじめにあっている」と話す
・ソラー電機から好条件でヘッドハンティングされる(年収1000万+支度金500万)
※他の場所で会った人が実は…というパターンは3回目?
※この当時は〈パワハラ〉という言葉は存在しない
※島のこの時点での年収は税込で700万強
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年11号掲載
●課長021 なんと鈍感な(How Insensitive)
◯ヘッドハンティングはパワハラ上司の罠だった
・典子の部屋でベッドインするが中折、典子にパワハラ・ヘッドハンティングの事を話す
・待ち合わせ場所に同行した典子の発言で検見川の罠に気づく
・高級会員制クラブに小暮を潜り込ませて検見川に罠を仕掛ける(典子が協力)
・小暮が宇佐美に送ったテープで検見川は左遷
※小暮が自分の判断で宇佐美にテープを送る展開は少々強引
※課長 島耕作 第3巻(1986)
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年12号掲載
●課長022 VIVA ラスベガス
◯ラスベガス出張で派閥の板挟みになる(福田部長vs大泉社長)
・福田部長の指示でラスベガスの展示会に行く
・空港で典子に遭遇して同じ飛行機の並んだ座席、典子に下半身を弄ばれる
・福田部長が大泉社長に「島は私の部下、勝手に使わんで下さい」
・チャーターした小型機でグランドキャニオン観光
・太った外人中年女性に迫られる(大手取引先の店長の妻)→続く
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年20号掲載
●課長023 ラウンド ミッドナイト(Round Midnight)
◯預かった現金1万ドルをスラれる
・ラスベガスのカジノ紹介(24時間営業)
・行為に及ぶ寸前に夫から電話がかかってきて難を逃れる
・カジノのバーラウンジで現金1万ドルをスラれる(太った中年女性の忘れもの)
・手持ちの現金をルーレットで増やせばいい(典子の提案)
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年21号掲載
●課長024 コンドルは飛んで行く
◯手持ちの現金を10倍に増やす為にルーレットに挑戦する
・勝つ可能性が高いルーレットの張り方(10枚の山を3ヵ所)
・女性ディーラーが赤か黒を教えてくれる
・2500ドルを1万ドルにする為に赤黒で2回勝負、最後は逆に張って負ける
・典子がジャックポットで稼いだ1.8万ドルを全額くれる
・空港でカジノの女性ディーラーの遭遇(気に入った男に勝たせようと思った)
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年22号掲載
●課長025 カリフォルニア ドリーム(California Dream)
◯日本人向けクラブで女性ディーラーと再会
・ロサンゼルスの紹介(「ロス」と表記)
・福田部長の仕事自慢(3ヵ月屋外広告50箇所)
・福田部長から大泉と一緒いる女性(典子)の正体調査を命じられる(大泉の妻は吉原初太郎会長の娘)
・日照権で看板撤去を求められる
・日本人向けのクラブ(客もホステスも日本人)で先日の女性ディーラーと再会
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年29号掲載
●課長026 夢で逢いましょう(I’ll see you in my dream)
◯女性ディーラー(パメラ)と一夜をともにする
・パメラの合図でルーレットで勝ちまくり、そのままホテルへ
・「I’m coming」は間違いで「I’m cumming」が正解とする説がある
・ルーレットで稼いだ金でサンフランシスコへ
・サンフランシスコの紹介
・パメラの別れた夫は再婚、娘はパメラの事を覚えていない(映画的ひっかけ)
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年30号掲載
●課長027 I LEFT MY HERAT IN SAN FRANCISCO
◯ニューヨークのボブに電話して子供の事を聞く
・サンフランシスコの別荘地サウサリートに宿泊
・パメラにアイリーンとボブの話をする(映画の話)
・ボブはアイリーンの希望で嘘をつく(パメラ「本当かしら」)
・サンフランシスコの橋でパメラと別れる(落書きを書きかえる)
*本社営業本部販売助成部宣伝課課長
*課長 島耕作 第3巻(1986)
*モーニング86年31号掲載
*巻末「アメリカ西海岸取材ノート」
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■紙の本
一昨年の仕事部屋撤退と昨年の引っ越しで本とマンガ本を大量に処分した。
京極夏彦の講談社ノベルスは手に持った分厚さの感覚が捨てがたくてキープしたが、文庫本を所有または購入可能な作品の単行本は原則全て処分。小林信彦や村上春樹の単行本も処分した。いま本棚に並んでいるのは、多めに数えても1000冊もない(殆どが文庫本)。
マンガ本は原則全て処分、いま本棚にあるのは「攻殻機動隊」「ホイチョイ・プロダクションズ」「コージ苑」など、所謂マンガ本の判型ではない数冊のみ。
本をタブレットで読む習慣を付けようとした事は何度もあるが、資料として新書を読むのはタブレットでも平気だが、小説をタブレットで読むのは、なんだか味気ない。漱石や谷崎など青空文庫にある昔の作家は処分してしまったので、たまにタブレットで読んでみるが、なんだか味気なくて途中でやめて、やがて読んでいる事も忘れてしまう。
紙の本は、いま手にしている1冊のどの辺りを読んでいるか、常に手で〈体感〉できるのが良い。
ベッドサイドの本棚に置いておけば、読みかえけの本を一瞬で確認できるのも良い。
紙の本を読み進めて、真ん中辺りまで来ると、せっかくここまで読んだんだから読み終えようという意欲が自然に増してくる。「この人誰だっけ?」とパラパラ読み返すのも、紙の本の方が断然やりやすい(だいたいこの辺で出てきた筈というのを手が覚えている)。ダブレットで読む場合もスクロールバー的なものを常時表示させておけばどの辺りを読んでいるのか、〈情報〉として把握する事はできるが〈体感〉はできないし、スクロールバー的なものが常時表示されるのは鬱陶しい。総じて現時点ではやはり本もマンも紙で読む方が楽しい。
「アメトーーク!」の仕事部屋芸人特集で壁一面本棚にずらりと並ぶマンガ本を見ると、正直羨ましく、改めてこつこつ買い直そうか、という気持ちが湧いてくるがここは我慢。今後また引っ越す時に詰める手間出す手間を考えると、せっかくこの15年間でタブレットで読む習慣がついて来たのだから、マンガに関しては当面タブレットを継続したい。
近未来に期待するのは、特殊な紙とインクで3Dプリンタで何度でも印刷・消去が可能な本。読みたい作品を指定すると3Dプリンタで数分で印刷。読み終えたら消去して別の作品を印刷可能。読みたい本を紙の本の形態ですぐに読める、配信レンタルのようなサービス。3Dプリンタは図書館・コンビニ・地域ステーションなどに設置(安価なら自宅に設置)。
更にその先は、VRと脳に繋がるチップで紙の本を読んでいると思える技術だが、これはそう簡単には実現しないかな?
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■20XX(杏奈と舞香)
※無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)
「いや、私も、雑誌やマンガはともかく、本だけは、資料として読むやつはデジタルの方が便利だけど、楽しみとしての読書は、紙に印刷されたモノを手で持って読まないとムリって思ってたのよ」
「わたしもそう。デジタルだと勉強してる気分になっちゃう」
「ところが、コレで読むと、まあ、とにかく、ちょっとコレつけて見てよ。私も腰が抜ける程びっくりしたんだけど……」
「コレって最新型? なんか鮮明度が全然違うんだけど」
「多分、自動視力補正機能がアップしてるんじゃない? で、コレもここ(両側のこめかみ付近)につけて……」
「コレって脳波かなんかをアレするやつでしょ? 大丈夫? 脳が溶けたりしない?」
「大丈夫、大丈夫。私も、もう、ずっと付けてるから」
「え? どこに? 全然見えないよ?」
「私のは、コレも最新の最新で、自動的に、有機なんちゃらとかで、皮膚と同化するみたい……えーと、私の方とシンクロできてる?」
「できてるみたい」
「じゃあ、このハイパーブックを持って、適当に頁をめくってみて」
「これも最新のやつ? 凄い軽くて、頁もめくりやすいね」
「うん、なんか、特殊素材らしい」
「三島由紀夫の「午後の曳航」!? あいかわらすシブいの読んでるね」
「読んだ事がある? けっこう変な話で面白いよ」
「わたし、三島は、超有名なやつしか読んでないかも」
「仮面、寺、最後の四部作とか?」
「あと、鏡子と、きんじきって読むんだっけ(禁色)? は読んだかな。長いのから読んだから」
「スキャン完了って出た?」
「出た」
「じゃあ、一瞬目をつぶって」
「つぶった」
「はい、あけて」
「うん」
「どう?」
「どう? って、さっきとなんにも変わってないよ」
「ハイパーブック持ってる?」
「さっき、読んでたとこ開いてる」
「じゃあ、グラスとチップ、OFFにするよ」
「え!? 消えたよ? なにコレ!?」
「はい、もう1回ON」
「わっ。また出てきた。なんなの? 手品?」
「腰、抜かしそうになるほどびっくりするでしょ? 全然本物の感触でしょ?」
「え、コレって本物の本じゃないって事? 実際は、私、なんにも持ってないの?」
「最初に持って貰ったハイパーブックは本物だけど、いまは、ヴァーチャルブック」
「なんか凄すぎて意味わかんない」
「目をつぶってもらった時にハイパーブックからヴァーチャルブックに切り替えた」
「切り替わった感覚なんか全然なかったよ!?」
「ハイパーブックの感触と完全同期させたから」
「これがヴァーチャル? 普通に頁めくれるし、完全に紙の感触だよ? むしろ、ハイパーブックより本物っぽい感触なんだけど」
「私も技術的な事はよく判んないだけど、実際に何も持ってない方が、脳を錯覚させやすいみたいだよ」
「魔法みたい……でも、このグラスとチップを外したら当然ムリなんだよね?」
「グラスじゃなくて眼内レンズみたいのを入れると、頭の中で「読みかけの本」って思えば、パッと出てくるらしいんだけど、新しい技術好きの私だけど、さすがに、まだちょっとためらってる……グラス外して肉眼で実物を持ちたい気分の時は、これもどういう技術か判んないんだけど、このハイパーブックにダウンロードっていうか、一瞬でプリントできるのよ」
「うそでしょ!?」
「例えば、今は「午後の曳航」になってるけど、コレを選んで、こうすれば……」
「わ。「青の時代」に変わった。ちょっとびっくりなんだけど」
「この1冊とスマート系一式でいつでもどこでもなんでも読めるわけよ」
「これも例のやつのサービスの一貫?」
「そうそうOMNIC。もういまではどっぷり漬かってるよ、私」
「たいていの本はこうやって読めるの?」
「たいていの本って言うか、古今東西、商業出版された本ほぼ全部」
「全部!?」
「デジタル化されてないのはムリだろうけど、99.99%の本は読めるみたいだよ」
「舞香が持ってた3000冊くらいの実物の本も、当然、全部オッケー?」
「もともと自分の本なんだから、もちろん、オッケーだよ。全部送デジタル化されて〈私の図書館〉みたいなトコに入ってる。どんな本持っていたかなんて自分でも全部は覚えてなかったから、めっちゃ便利だよ。全部の本の全文検索とか一瞬でできるし」
「でも、万が一、OMNICがつぶれたら読めなくなっちゃうかもでしょ?」
「その時はその時。何も持たない生活って、むっちゃ、気楽だよ」
「このサービスもやっぱり無料なの?」
「少なくともスクール生は無料みたい。杏奈もエントリーしてみたら? 最近、またワクが広がったって言う噂もあるよ」
「……でも過去の情報とか、何から何まで知られちゃうんでしょ?」
「そんなに知られて困るような、変な性癖とかあった? パンセク(パンセクシュアル)な私がモンダイなくやれてるから杏奈も大丈夫だよ? そもそもデジタルな何かに書いてなきゃ知られようもないし」
「これだけ凄い事ができるなら、頭の中も全部スキャンされちうんじゃないの?」
「ひょっとしたらそうかもれないけど、私は、別にそれでもいいかなあ。それがクラウドかなんかにずっと残るなら、ある意味永遠に私の一部は生き続けるみたいな感じかもだし」
「……それに、私、ずっと前だけど、匿名で裏掲示板みたいなのに、妄想みたいな変なの、書いてた事あるよ。そういうのまで探られちゃうかな?」
「妄想みたいなのって、例のショタコン的な?」
「そうそう。性に晩稲な中学生を襲っちゃう的な」
「別に実際に襲ったわけじゃないから問題ないでしょ? 逆に、これもあくまで噂なんだけど、OMNICは性的にオープンで世間的にはヘンタイっぽい人が受け入れられやすいみたいだよ」
「ホント?」
「うん。私が知り合った人の割合的には、むしろまっとうなストレートの方が少ないかも。あと、これは一応内緒みたいだけど、けっこう、この寮の中ではなんでもあり」
「噂されてるフリーセックス的な?」
「うーん、どこまで言っていいのかなあ。部外者秘なのかもしれないけど、スクール生だけが使えるマッチングアプリみたいなのがあって、これがマジ優秀」
「舞香も使ってるの?」
「そりゃあ私は使うでしょ。外と違ってサクラはいないし、むしろ自分の性癖を隠さない方が当たり前みたいな文化があるみたいで、例えば、今夜ちょっとだけしたいなあ、と思ったら、ほぼマッチングするよ」
「何度も使ってるの?」
「私みたいに基本はひとりで過ごすのが好きだけどセックスは好き、やりたいと思ったらすぐやいたいって人にとってはココは天国だよ。ゲスト参加ってありなのかなあ。でも、杏奈は、広告バンバン来てるんでしょ? 広告が来て、ここにゲスト宿泊を許されてる時点で、エントリーすれば多分通るよ。外で院の学費払う為にバイトするくらいなら、とりあえずエントリーしてみれば?」
「ちょっとマジで興味出てきたかも」
「興味ついでにマッチングもしてみる? ショタコンプレイ希望で」
「いやいや、そんなの、マッチングしないでしょ? わたし、美少年じゃないとムリだよ? そもそもゲストが使っていいの?」
「美少年とショタコンプレイ希望、っと」
「いや、マジで、ホントにやるのはムリだから」
「ムリな事ないでしょ」
「だって、私が夢見てるのは、上限15歳くらいの、なんにも経験がない、美少年だよ? そもそも、いないでしょ、ココには」
「ココは13th〜16th、世間的には大学寮だから、ココにはいないけど、同じ敷地内に9th〜12thの寮もあって、どっちもOMNICだから多分大丈夫」
「いやいや、大丈夫じゃないでしょ。22歳の女が15歳の男の子にヘンな事したら犯罪でしょ?」
「世間的にはそうかもだけど、ココは9th(15歳)以降はOKっていう文化があるし、そもそもこの敷地内はある意味治外法権みたいだから大丈夫。こないだ私が参加した大人数のも、9th10thのチンポの皮がやっとむけた感じのがまぎれこんでたもん」
「チンポの皮がやっとって……ホントに?……ひょっとすると、今夜いきなり?」
「あ。マッチング成立したよ。あ、一応、私が監督役っていうか、2対2になっちゃうけど、それでもいい? 向こうは10thだから、誕生日きてたら16歳だけど、仮OKして写真見てみる?」
「写真見てからでも断れるの?」
「写真見た後でも、会った後でも、やりはじめた後からでも断れるよ」
「じゃあ、写真だけ、見てみる……」
「うわ。ちょっとコレはマジでやばいかも。童貞感出過ぎ」
「こういう写真で私みたいなのを釣ろうとしてる可能性とか、大丈夫なの?」
「世間では全然ありえるだろうけど、ココは、普段と違う写真でコレをやろうとすると、警告くるから。私も、こないだハロウィンの仮装の写真、看護婦コスで普段と違うメイクで、看護婦と患者プレイ希望でやろうとしたら、写真はねられたから」
「”ほとんど経験がないので、ステップバイステップで教えてくれる、優しい年上の女性希望、希望年齢19歳〜25歳”だって。ばっちりすぎて逆に怖いんだけど」
「ばっちりだからマッチングされてるんでしょ。どうする? とりあえず、カフェかなんかで会ってみる?」【続】
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■STOP MOTION,KEEP DANCING(1981)
※無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)
目が覚めて寝返りをうつと、唇を重ねているふたりのシルエットが目に飛び込んでくる。秋の夕日が反射するミドルティーンのふたりの顔、少年少女が大人に変わりつつある刹那、その儚い美しさにしばらく見蕩れる。
男は小宮山透。
女は蓮見あやか。
透は高校の同級生、
あやかは小学校の同級生。
透とあやかはたしか遠い親戚だった筈。
透は、僕が目を覚まして見つめているのに気づいているのかいないのか、あやかのうなじのあたりを引き寄せて、キスの深さを増したようだ。
山奥の湧き水の如く仄かに響く舌と舌が絡まる音。
肘をついて半身を起こしてよく見れば、透の右手はあやかの服の内側に潜り込んでいて、あやかのバストのあたりに蠱惑的な刺激を与えている。
当時の僕がこの光景を目にしたのなら、驚いてどうしていいか判らなくて、窓際に寝返りを打って、寝たふりしてる間に勝手にやる事やって僕の部屋から出ていってくれ、と思ったかもしれないが、いまこの瞬間の僕は、肉体は15歳でも頭の中身は多分50代半ばだから、全然びびらないのだ。
いつものハイパードリーム。
以前に何度も経験した/今後も何度も経験する、どんなにリアルでもどうせ夢のようなものなのだから大丈夫、という確信が僕の裡に満ちている。初めて経験する事でも未来から振り返って経験した記憶を持っている感覚が無双感を呼び起こす。どれだけ大胆な行動を取っても、所詮僕の想像力の範囲内なのだからたかがしれている。せっかくこんなにもリアルなんだから目が覚めるまで、思いつく限りの大胆な行動を取ってみよう。
無言でふたりのそばににじりより、あやかのミディアムロングの髪を背中側からかきあげて、うなじに唇を寄せた。
あやかは、一瞬、びくっとしたが、抵抗はしない。
当然気づいている筈の透も無反応。
そのまま、首筋をゆっくり舌先で刺激しながら、背中側から服の中にさしいれた左手を脇腹から胸元に移動させると、透の右手とぶつかったので、あやかの双丘をわけあう事にして、既に透がボタンを上から5番目あたりまで外しているブラウスの胸元からあやかの左のバストを目指す。胸元が大きくV字型になっていて容易にバストトップにアプローチできるブラジャーではなく、スポーツタイプのブラが、スレンダーな体型からは想像できない大きさの発達したバストをおおっているのを手のひらで確かめると、ブラジャー内部への侵入は諦めて中央の突起を外側から指でつまむように刺激する。
あやかの誕生日がいつだったのかは覚えていない。話の流れで訊いた事があったかもしれないが曖昧な記憶。誕生日が来ていれば16歳、これから来るなら15歳の筈。子供と大人の中間のような年齢の女性にこんな事をした経験は、僕の実際の人生にはない。2020年代に50代の僕がこの年齢の女性にこんな事をしたら、たとえ合意があってもモンダイになるが、1981年のいまは少なくとも法律上はそうでもない。そもそもコレは夢のようなものなんだし。
僕と透はまるで打ち合わせしていたような動きで、ふたりであやかの服を脱がせていく。
上半身はブラだけのあやかをベッドに横たえるて、透は再びキスをして、僕はブラの下側から手を入れる。その頂点部分に指先で優しく刺激を与えると、あやかの体からピリピリとした緊張感が漏れ伝わり、同時に、あやかの乳首は反応して次第に硬くなってくる。その愛撫を続けながら、あやかの左耳に唇を寄せる。
あやかが「っあっ」と声を漏らすと同時に、光の粒子のような奔流、あやかの意識そのものとしか呼びようがないものが、指先と唇を通じて流れ込んできて、脳内でスパークして、あやかの声が実際に聞こえているような感覚で頭の中で響く。
……こっちから迫らなくてもぐいぐい来てる……
……亜蘭くんって透より上手かも……
……ホントに未経験なの? ……
体の性的な部分に直接触れて昂奮が高まると発動するテレパシーとでも呼ぶべき現象が、今回も発動したようだ。……いま初めて経験している筈なのに、何度も経験した、明確な記憶が、いま、この瞬間の僕には、なぜかある。
あやかと僕と透が絡んでいる様子を、僕は天井から見下ろすように見ている。僕の目の前に目を閉じて唇をかすかに開いているあやかがいる。そのふたつは、映画やドラマのオーバーラップや2画面表示ともどこか違う、現実世界では全く未経験な方式で、同時に体験する事が可能で、どちらを主にするか、瞬間的に切り替える事ができる。
僕は夢中になってあやかの乳房の先を舌で刺激しながら、同時に僕と透とあやかを冷静に見下ろしつつ、あやかの快感が高まるにつれて情報量と勢いを増すあやかの意識に対処する。
性的昂奮に身を委ねて、瞬間の感覚と過去の記憶が混在して渦巻いているあやかの意識をそのまま全面的に受け入れると、僕という容れ物がどうにかなってしまう予感がある。行動と観察を同時に行う事で、半ば無意識的に受け入れを制御しているようでもあるのだが、それでもあやかの昂まりとともに、流れは時に急流となり、その瞬間に生じる脳内のスパークは、癖になりそうな、ある種の脳内麻薬のような痺れで僕を誘う。
いままでのコレで一度も試した事はないが、例えば、しっかりと勃起した欲棒をあやかに深く挿入して、流れ込んでくるあやかの意識の全てを受け入れながら、最高潮に昂奮して憤射したら一体どうなるのだろう。
コレの中で行動する時でさえ、全面的な性的興奮に完全に没頭する事に関しては、なぜか、毎回ブレーキを踏んでしまう。いざとなると、たいてい僕自身は萎縮して、そうすると自然に流れは弱まっていくのだが、今回はどうなるだろうか……。こんな風に客観的に分析する防御線のようなものを全て廃して、ひたすら行為に没入してみたら、どうなるのだろう……。
あやかのむき出しのバストに触れている指の感触、カーテン越しの夕日が照らす乳頭の淡い色合い、硬くなっている乳首の先端に触れる唇と舌の感触、ときおりあやかが漏らす短い吐息、その全てが現実以上にリアルに感じられる。
「蓮見あやかって覚えてる? 」
「○○小学校で□□中学の? 」
「そうそう」
「小学校で同じクラスで、みんなで遊んだりしてたけど……透はなんで知ってるの? 」
「親戚」
「そうなんだ」
「あやか、亜蘭の事、覚えてるって。今度三人で遊ぼうよ」
そんな会話を高校の教室で透と交わしたのが、高校一年の一学期の終わり頃だったか、二学期の始め頃だったか、厳密には覚えていないが、そんな流れから、透があやかを連れて僕の家(実家)に遊びに来たのは1981年10月某日、たまたま僕以外の家族は全員外出している土曜日の午後だった。
あやかは、小6の時によく一緒に遊んだ男女数人のグループのひとりで、どちらかを言えばおとなしいタイプで、当時の僕はなんとなくあやかに対して恋とまでは言えない好意を感じていたと記憶している。一緒に遊ぶと言っても、1970年代後半当時の十二歳は純朴で、誰かの家に集まって、トランプやテレビゲーム(ファミコン以前、家庭用テレビゲームの黎明期だった)やたわいもない話をする程度。あるいは僕が気づかなかっただけで、そのグループ内で、誰かと誰かの間に何かがあったのかもしれないが。中学校はクラスは別だったので、たまに廊下ですれ違う時にごく軽く会釈したり、あやかのクラスの男子(同じ部活だった)を訪ねた時に二言三言話す程度だった。
高校一年の秋、ふたりが一緒に遊びに来て、実家の僕の部屋で僕のベッドに透とあやかが並んで座っている光景を、とても新鮮に感じたのを覚えている。そしてふたりが一緒にいる時の雰囲気が、なんとなく単なる仲が良い親戚(またいとこ、と言っていた気がする)という領域を超えていて、端的に言えば、男女の仲が存在しているように感じた気もするが、この記憶は、全く経験がなかったその時点の記憶ではなく、その後の数年間で修正した記憶かもしれない。1981年10月のその時にどんな話をしたのか、殆ど覚えていない。透が持参してきたウイスキーをふたりがどんどんストレートで飲むので、殆ど酒を飲んだ事がないのに、強がって同じペースで何杯か一気に飲んだ僕は、気持ち悪くなって寝てしまった。ふたりが帰るのを見送った記憶はない。
それが約40年前に実際に起きた事だ。
少なくともいまの僕の記憶はそうなっている。
この瞬間の僕が、現実以上の現実感で体感しているこの世界は、もしあの時に酔いつぶれてしまわなければ、という僕の妄想が具現化した世界なのだろうか……。
とにかく、とことんやってみようと決意して、天井から見下ろすような客観的意識を排除して、あやかと絡んでいる15歳の僕の肉体にできるだけ同調して、流れ込んで来るあやかの意識をそのまま受容するべく、頭の中で重たい鉄の扉の完全開放をイメージした。
膝丈のスカートをめくりあげて淡いピンクのショーツの上からあやかの敏感に部分を指先でソフトに撫で上げるように触れると、あやかは、僕の手首を握って抵抗するような素振りをするが、その手には、本気で嫌がっている程の意思の力は感じられないので、少しづつ、刺激の度合いを強めていく。あやかがぴくんと反応した部分に狙いを定めて、その周囲を強弱をつけながら円を描くようにじらすように撫でる。その部分に中指の先を密着させて細かい振動を与えると、あやかは「っあっ」っと短い吐息を漏らして腰を浮かせた。
……どうしよう……
……これってもう行く所まで行っちゃう流れかも……
……亜蘭くんをちょっとからかうだけのつもりだったのに……
……この触り方……馴れてる……絶対これ初めてじゃない……
混乱と昂奮が入り乱れているあやかの意識。
僕の裡に流れ込んでくる意識の奔流の中でも特に強く光を発している感覚があるストリームにシンクロしてみると、それは、あやかがいまこの瞬間に反芻している、透との性的経験のフラッシュバックのようだ。
……バスルームで全裸のふたりが笑いながら互いの秘部を洗っている(推定年齢11歳)……
……全身すっぽり毛布にくるまっているふたりが互いの秘部に指で触れている(上半身は服を着ているが下半身は何も身につけていない、推定年齢13歳)……
……あやかはベッドに腰掛けている透の欲棒を口に含み、握った手でスライドする刺激を与え続けているが、透の欲棒は推定年齢15歳の少年のこの状況にしては完全怒張はしていないようだ……(これはごく最近の記憶なのか、一番鮮明なイメージ、あやかは着衣で透はジャージをひざまで下ろしてるのは親が入ってくる可能性がある状況と推察)
……気持ちよくない事はないんだけど、と透が言う……
……あやかは透の指と舌の愛撫を聖核に受けて、時々腰を浮かせてくねらせる……
……気持ちよくない事はないんだけど、とあやかが言う……
緊張なのか、罪悪感なのか、子供の頃から互いを知っている羞恥心なのか、あやかと透の性的関係は微妙な状況のようだ。
やはり、あの頃のあやかと透は、そういう事だったようだ。
15歳当時の僕なら、最後までは行ってないかもにせよ、一番仲が良いクラスメイトの透がこんな進んだ性的経験をしていて、一切それを明かしてくれなかった事に、衝撃と落胆を覚えて混乱していたかもしれないが、それなりの経験を積んだ50代半ばの僕にとってはちょっとしたスパイス程度。だれでも他人は言えない色々な事を抱えて生きている。
実際の時間にすれば一秒に満たない時間で透とあやかのフラッシュバックを消化した僕は、とりあえず、透があやかにほどこした程度のコトはしていいのではないかと勝手に判断する。透の方を見ると、あやかの左乳首を舐めていた透と一瞬目があう。記憶の中に存在しない表情の透の顔。どこか呆然としているような、期待感を秘めているような透に瞬時、目で挨拶する。僕としては一応仁義を切ったつもりだが、透に伝わっているかどうかは判らない。僕は、あやかの脚の間に入り、脚の付け根を目指してにじりよる。
……これってどうなる展開……
……亜蘭くんにされちゃう……
……透の時より感じちゃうかも……
……ちょっとされてみたいかも……
脚の付け根の中心部分に顔を近づけていくと、あやかは右手の手のひらで僕のおでこを押してくるが、押してくる力はほんの申し訳程度なので、そのままゆっくり近づいて、まず鼻先、ついで唇でその部分に触れる。それなりにしっかり厚みがある、コットン製と思われる布地越しでも、その部分が少し湿り気を帯びているのが伝わってくる。ショーツをつまんで少しずらそうとすると、あやかは「えっ」と短い声を漏らし、興奮による期待が社会的ポースとしての拒絶を上回っているあやかの意識の奔流が俄然勢いを増す。その意識を受け止めて、片方にまとめるように、一気にその部分を露出させる。
部屋に差し込む十月の夕日はいつの間にかすっかり弱まっていてるので細部まで明瞭には見えないが、あやかのその部分は、10代なかばの瑞々しい初々しさ。その周囲を申し訳程度に覆っている薄い陰毛。控えめな淫唇はかすかに開き、その部分全体は黒ズレする事もなく、殆ど地肌と同じような色合いを保っているようだ。多分殆ど未使用と思われる10代半ばの聖器を間近で見ると、初めてそれを見た時の昂奮がかすかに蘇り、同時に、この肉体の本来の持ち主である「15歳の僕」の悲鳴のような昂奮が、体の深奥から聞こえたような気がする。
ほんの少し指で押し広げて聖核を覆う部分に唇を付けて、唇のあいだから少しだけ出した舌先でそっと触れると、あやかは軽く痙攣して、一瞬、僕の左肩に触れている内腿が硬くなるが、触れるか触れないかの感覚で、ゆっくりと舌先を動かすと、その緊張は次第にほぐれていく。
……なにこれ……
……亜蘭くんコレするの絶対初めてじゃないでしょ……
……女の子の事なんてなんにも知らないみたいな顔して……
……こんな風に……
……なんか違う……透とは違う……
……これってこんなに気持ちいいなんて……
……おなかの奥が……変……なんか出ちゃいそう……
……私の気持ちのモンダイ? ……やりかたのモンダイ? ……
流れ込んでくるあやかの意思はあやかの昂奮に従って水流が増えるように強度を増し、それに同調してあやかのその部分の先端は少しづつ硬くなってくる。舌先の密着度を少し上げて、強く速くリズムカルに刺激を与えると、あやかの腰が浮き、声にならない声を漏らす。
……あっあっあっ……
僕の内部ではあやかの快感と声が大きく主張しているが、現実にはあやかは透とのキスで声を出せない。透とあやかが交わしているディープキスはどこかに互いの遠慮があるようだったが、僕の舌先の動きに呼応するかのように、透の舌の動きが大胆になった瞬間、かすかな違和感を伴って、あやかの意思とは違うものが飛び込んでくる。
……やばいよ……なにやってんだオレ……
……亜蘭をちょっとからかうだけの筈だったのに……
……全然亜蘭が主導権握ってるし……
……どういう展開なのコレ……
あやかの意思とは違う光、違う速度、違う方式で入ってくるこの奔流は、透の意思としか考えられない。こういう風に肉体が繋がって、あやかの昂奮が媒介すると、こんな事も有り得るのか。まるで音量が頻繁に変わるふたつのVR作品を強引に同時再生しているような感覚。
……同じクラス?話した事とかある?……
……亜蘭がクラスで一番仲がいいのは多分オレじゃないかな……
……なんか、ちょっと変わってるよね、亜蘭くんって……
……小学校の頃からちょっと気になってるやつって、ひょっとして亜蘭の事?……
……なんか変で気にならない?……
……うーん、俺らの高校、ヘンな奴が多いからな……
あやかの記憶なのか、透の記憶なのか、判然としない、混ざりあった意識の情報、言葉の使われ方は微妙に違うのだが、その共通部分を掬い取るとこんな会話になるようだ。
……実はオレも亜蘭はちょっと気になるんだ……
……どういう意味で?……
……もし誰かオトコを相手にって想像したら、ぱっと浮かんだのは亜蘭だった……
……なんか中性的っぽい感じだし……
……あやかは亜嵐にオトコを感じてる? ……
……そこはよくわかんない。ただ、なんだか、気になる……
……一度三人で会ってみて、酒でも飲んで……
……流れで?……
……流れで……
……もし……
……もし?……
……もし、亜嵐くんの目の前でキスしたら、亜嵐くんどうするかな……
ふたりは、予めある程度の計画を練って、今日、僕の家に遊びに来たようだが、多分、ここまでの急展開は予想していなかった。僕自身、いま、あやかのここに顔をうずめている事が信じられない。
というか、コレはそもそも、夢のようなものの筈だ。
僕が記憶している実際の過去にはこんな事は起きなかった。
だが、肩に感じるあやかの内腿の重さ、指と唇と舌で感じるあやかのその部分のとろりと溶けそうな粘膜の感触、視線をあげればすぐ目の前でキスしている透とあやかの存在感、情報の奔流として流れこんで来るふたりの意識、その全てが、僕にとって唯一の現実の筈の2020年代の世界の現実感の数倍の現実感を伴って、僕を強烈にこの場所この瞬間にとどまらせている。
同時に僕は薄い膜で全身を覆われたような浮遊感も感じている。現実というレイヤーの外側に、さっきまで自覚的に使っていた天井視線のような第三者的感覚のレイヤーもあり、そのレイヤーが相互に関係を与えて、0.1秒に満たない時間で高速で入れ替わり続けているような。
そもそもリアルな現実感とはなんだろう?
1981年のこの日の出来事は、仲が良いクラスメイトと女の子が自宅に遊びに来る、という、高校時代に1回しかなかった印象的な事なので、いまでも覚えているが、1981年の他の日で、その日の出来事を少しでも覚えているのは多分全部あわせても十日にも満たない。日記を見ても「日記に書いてあるからそうなのだろう」とは思っても、光景や感情が蘇ってこない出来事が殆どだ。何も大昔でなくても、昨日の出来事だって、朝起きてから夜寝るまでの全てを覚えているわけではない、ひとりの人間が自分の人生全体でちゃんと覚えている時間の合計は、人生全ての時間のうち、多分0.1%にも満たないのではないか。
手書きの日記の場合は字の雰囲気や大きさや筆圧でその時の感情が蘇ってくる事がときどきあるが、パソコンで書いた日記は、10年も経つと、よほど印象的な出来事以外は、自分が書いた事さえ疑いたくなるような出来事の羅列。そして、よほど印象的な出来事は、日記に書かなくても覚えてい
る。覚えていると言っても、それが昨日の出来事でも40年前の出来事でも、所詮は瞬間的な印象の蓄積であり、例えばその時に30分間続いた出来事の30分全体の全てを思い出す事はできない。リアルな現実感は、その瞬間にしか存在せず、翌日にはその殆どが曖昧になってしまう、それこそ儚い夢のようなものだ。
ジーパンの中の僕の欲棒は硬く勃起している。
10代半ばから20代半ばまでは、外部の刺激の有無に関わらず、毎日何度もこういう状態になっていた事を思い出す。50代半ばのいまは1週間分溜まった時でさえ、こんな硬度は長続きしないし、憤射の快感もその頃に比べると断然弱い。欲棒の先端がジーンズの布地にこすれる痛いようなむず痒さが懐かしい。
「……私だけ裸っておかしくない?」とあやかに言われたような気がして、僕と透は、ベッドから降りて服を脱ぐ。その間にあやかはふとんの中にもぐりこむ。ショーツだけになってあやかをはさんで、ふとんの中で川の字になると、あやかは、ごく自然に、ショーツの上から指で触れて撫でて、手でつつみこんで形状を確かめるように握ってくる。あやかのもう片方の手は、同じように透に触れているのは、ふとんに潜り込んで見てみなくても判る。
ショーツを脱いで、あやかの手が直接触れて、軽く握って、少しだけ上下に動かされると、パンパンに怒張していた欲棒から股間の奥に快感が走り、腰が浮き、それだけで発射しそうな感覚に襲われる。せっかくだからもっと先まで味わいたいので、15歳の体が受けている衝動を、50代半ばの心で中和して、快感の大部分をあやかの体を通して透に送り込む事をイメージすると、透が短い感嘆の声をあげたような気がする。
ふとんにもぐりこんで、暗闇の中で、互いに互いを刺激しあううちに、だんだん、僕と透とあやかの境界は曖昧に溶けていく。誰かの欲棒が誰かの口に含まれ、ひとつの欲棒の先端部にふたつの舌が踊り、クリトリスを濡れた指と舌が優しく撫で上げるのを自分の感覚として味わう。体を駆け巡る奔流のような快感と意識が、溶け合ってまじりあい、意識の根源、言葉の生まれる源のような何かは嵐にようにうずまき、全ての感覚が鋭敏になり、同時に、全ての言葉は意味を失っていく。太古の母系社会、誰が誰のものという概念が曖昧な時代の幸福感が突然、どこからか、湧き上がってくる。
母親の名前を冠した子供たちが共同体で養育されていた太古の牧歌的な平和な世界は、男性が所有権という概念を生み出し、拡大させていく事で失われていく。太古の時代の幸福感といまこの瞬間の快感は同一のものとして、混じり合い、純度を増して行く。
幸福感と快感が大きく一点に収束すると、僕の欲棒は、いままさに、誰かの口の中で、興奮の頂きを迎えようとしている。
その憤射の瞬間、僕の裡に、透の意識でもあやかの意識でもない何かが強烈な光を放って、僕は意識を失った。
*
びっくりするほどリアルな長い長い夢を見た。
夢の中で、僕は約40年を生きて50代半ばになっていて、5歳から25歳までの20年間はいろいろあったけど、その後の30年はあっという間だった、と人生を反芻して、すっかり勃たなくなってきたのを嘆いていた。
恐ろしい程の細部のリアル感。
ひょっとして夢で見た方が本当で、いまこの瞬間が夢なのではないか?
そう感じると急に恐怖を感じてはっきり意識が覚醒した。
僕の名前は亜蘭圭、15歳、もうすぐ16歳、童貞だけどちゃんと勃つ。
今日は1981年10月10日土曜日。
大丈夫。これが、僕の現実だ。
……目覚める直前に見ていた夢は、何かとてつもなくエロティックな状況で、夢の中で激しく勃起していた感覚が強く残っているが、具体的には何も思い出せなかった。
思い出さない方が良いような気がするという根拠がない確信が生じた瞬間、玄関のチャイムがなった。
【了】
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■こんな不測の事態
※無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)
もともと在宅でする仕事が多かったので、仕事のやり方は変わらなかったものの、制作費削減の波は、最下流の俺の所に如実に押し寄せていて、以前に比べて、受注量も受注単価も激減。仕事の先行きの不透明度がどんどん増す中に今回の伝染病の大流行。いよいよ仕事が減ってきたら近所の飲み屋でバイトでもしようかと思っていた目論見さえ困難になり、暇だけはあるので、売れるあてのない小説を書き始めてはみるが、思うように進まない。そもそも、俺には、何がなんでもコレを書きたい、というモノが果たしてあるのか?
このせまい1Kの仕事部屋兼住居にずっとこもってデスクに向かっていると、ストレスも溜まるし、腰も痛くなってくる。俺の三大気分転換は、散歩、映画館、夕方または深夜のちょい飲み(時に痛飲)なのだが、この伝染病のせいでいずれも以前のように気楽には楽しめない。散歩はできなくはないが、肺炎を患って以降、常に鼻はつまり気味で喉はタンが絡み気味、長時間マスクをしていると、だんだん呼吸が苦しくなってくる。
他人が視界にいない時には自分もマスクをアゴにずらすくせに、自分がマスクを着用している時に、アゴマスクやマスクを着けてない人を見かけると妙に腹が立つ。つい先日も、あごマスクで歩きタバコで激しく咳払いをして、道端にタンをはく初老の男(推定年齢70歳)と、ノーマスクで一切口元を覆う事もなく、何度も激しい咳をする若者(推定年齢30歳)に続けて遭遇。俺は、屋外・単身・無言・普通の呼吸で距離がある(またはすれ違うだけ)ならば、ノーマスクで全然構わないと思っているのだが、さすがにこの二人がいた空間を通る気になれずに迂回する。今回の伝染病でこういう世の中になる以前から、咳をする時にエチケットとして口元を覆わない奴を見かけると(死んでしまえ。俺のそばには来るな)と念じて睨んでいたが、こういう輩は他人の視線なんて気にしない。気にしないマインドだから平気で人が近くにいる所で咳ができるのだろう。
散歩さえ半ばストレスで、マスクをした状態で混んでいる電車に乗りたくないので繁華街の映画館に行けず、もちろん深夜の飲み屋もやっていない。部屋でひとりで発泡酒を飲んでも解消されないストレスは、自分では意識できないレベルで相当積もっているのかもしれない。
コンビニで買物をして、タッチパネルで支払い方法を選択して、スマートグラスに連携している電子マネーで支払うと、その横の機械から紙のレシートが出てくる。支払い履歴はネットで閲覧可能なのに長年の習慣で紙のレシートをいつものように手に取ろうとすると、若干のひっかかりを感じる。レシートがきちんと切れていなくて、次の部分のヘッダー部分が印字されているようだ。若い女性店員に見せると「無理に引っ張るとそうなるんで…」と、まるで俺が悪いような言い方をする。「無理に引っ張ってないけど」と言うと「いや、無理に引っ張るとそうなるんで…」と同じ事を繰り返すので「俺が悪いって言うのか?」「いや、とにかく、無理に引っ張ると…」「このマスクも、この邪魔な仕切りも、俺のせいか?」俺はマスクを取り、透明な仕切りを引きちぎり、「キャンセルするから金返せ」と紙パックのジュースを思い切り投げつけた。
ジュースの直撃をみぞおちのあたりに受けた若い女性店員は「うっ」とうめいてうずくまる。カウンターの上に登った俺は渾身のかかとおとしでレジを破壊して、現金(推定30万円)をつかみとってバックパックに入れた。床に座り込んで苦しそうにうめいている若い女性店員をよく見ると、スタイルがよさそうなのでマスクをはぎとってみると顔も悪くない。怯えた小動物のような目で俺を見て「あ…あ…」と何かを言おうとするが、恐怖でうまく言葉が出てこない様子。俺は店員の口を塞ぎながら床に押し倒し、マウントポジションで両膝で肩を押さえつける。恐怖で目を見開いた店員は「んむんっ…んむん」と、声にならない声を漏らして抵抗しようとするので、更に体重をかける。推定158㎝45㎏の店員は、185㎝90㎏の俺にこの体勢を取られて跳ね返す事は困難で、ただ脚をバタバタさせる事しかできない。
こんな不測の事態に備えて持ち歩いていたスリープドラッグ(スプレータイプ)をバックパックから取り出し、店員の口を左手で塞いだまま、噴出孔を鼻腔に押し付けて中身を繰り返し噴射する。やがて店員の動きが止まってぐったりする。そのままひきずってバックヤードに連れ込み、店員が首から下げているIDカードで店内のコンソールにログインして、臨時休店の処理を行なう。バックヤードと店内で作業に従事していた数台の作業ロボが停止して、照明が消えてシャッターが降りる音が聞こえてきた。
スマートグラスでブラックウェブにアクセスして脳波操作モードをONにする。普段はこのモードにするとチップが埋め込めれているこめかみのあたりに痛みを感じるのだが、いまはアドレナリンが出ているせいなのか痛みは感じない。
俺は以前から、文化作品保存の使命と自分に言い聞かせて、ビデオテープにダビングして保存していた1980〜1990年代のアダルトビデオをデジタルに変換してはブラックウェブに上げていて、その数はほんの数百本だけだったのだが、ちりも積もればヤマト発進で、その対価としてブラックウェブから得られるポイントはかなり溜まっていた。このポイントを使うならいましかない。脳波操作モードのレベルをマキシマムに設定してブラックウェブに全ポイントを投入、状況を脳波で念じて説明すると、こんな不測の事態にも馴れているのか、ブラックウェブに繋がっている精鋭のハッカーがさっそくありとあたゆるハッキングをかけてくれる。店内の監視カメラ切断、過去24時間の録画映像強制消去。同時にコンビニの地域管轄本部をハッキングして、特に問題なく通常営業中と見せかけるフェイクデータを送る高度な処理がほんの数十秒で実行された。
従業員データから女性店員の素性が判明した。
小林弥生。21歳。○○大学文学部英文学学科3年。
興奮している俺が、自分で認識できない尋常でない速度で半ば無意識に脳波で依頼しているのか、あるいはブラックウェブのメンバーの厚意なのか、小林弥生のウォールを破る闇アプリ・闇コードがガンガン飛んできて、それを他の誰かが矢継ぎ早に解凍・展開・実行、スマートグラスのディスプレイは、さながら攻殻機動隊のネット内部の戦闘シーンのごとく、無数のアプリの百花繚乱。数分で小林弥生の個人情報は丸裸になり、性犯罪防止プログラムには加入していない事が判明。闇アプリ・闇コードは、小林弥生が使用している全てのデバイスに侵入してライフログ機能を強制的に一時停止して直近のデータを強制消去、クラウド上のデータも消去する。
いつのまにか、俺のスマートグラスのアプリが起動して極小の高性能カメラが捉えた映像がライブ配信されている。もはや、この操作が俺の意志なのか、俺が接続しているブラックウェブの無数のメンバーの意志なのか、その境目がよく判らないが、いずれ、この映像は、ブラックウェブのメンバーがメタデータを消去して、場所が特定される部分はマスクした上で、瞬時に表のネットの無数の有料アダルトサイトなどに流しているのは間違いない。もちろん小林弥生の顔や体はマスクしない。これで小林弥生の人生は終了、という事になるかもしれないが、俺の知ったこっちゃない。スマートグラスのPOVによるセックスのライブ中継なんていまどき全然珍しくないが、それでも、世界にほんの数億人の視聴者はいる筈だ。
クスリが効いて朦朧としている弥生をストッカーとデスクのすきま部分の壁にもたれかかるように座らせる。先程からブラックウェブがさかんに推奨しているSEXLIVEVRCAMというカメラアプリを解凍・展開・起動する。照明や色彩を自動調整して女性の顔や肌を一番魅力的にVR撮影できるアプリのようだ。スマートグラスARの右上にウィンドウを開いて試しにON/OFFを繰り返すと、俺が普段使っているアプリでは弥生の表情は若干不明瞭だが、このアプリをONにすると、明るすぎす暗すぎす、絶妙に自然な感じで確かに魅力的に見える。スリープドラッグの効果が切れてくるかもしれないので、こんな不測の事態に備えて持ち歩いていたセックスドラッグ(錠剤タイプ)を口に含んで舌の上で転がして溶かし、弥生の口の横のへこんでいる部分をぐいっと指で押して口を開けさせて舌をさしこみ、唾液と一緒に流し込む。
完全に寝ている状態でやるのは味気ないが覚醒すると騒がれる。セックスドラッグが効いて半睡半覚の朦朧とした状態ならある程度楽しめるだろう。数秒後には、ドラッグが効いてきたようで、俺が口腔に差し入れている舌の動きに呼応して弥生が微妙に舌を動かし始めた。そのやわらかい舌と唇の感触を味わううちに俺の覚悟も完全に決まった。こんな不測の事態を楽しめるだけ楽しんでから死のう。
スマートグラスのカメラを俺の視線追尾モードから複数カメラの追尾モードに変更して、弥生の赤いチェックのブラウスのボタンを上から外していく。スマートグラスの視界の片隅のウィンドウはふたつに増えて、一方のウィンドウは間近の弥生の顔、もう一方のウインドウは俺の右手の動きを追尾して弥生の胸元をを写している。そこにもうひとつカットインしてきたウィンドウには、俺と弥生を天井のカメラが捉えている映像が映っている。ブラックウェブが天井の監視カメラをハッキングしてくれたようだ。この全ての映像は全世界に向けてひっそりとライブ中継されている筈だ。
赤のチェックのブラウスのボタンを4つ外して胸元を開くと、淡いブルーのブラが見えてくる。ブラの上辺を押し下げると、細めの身体にしては意外に大きなバストと色が薄めの乳輪と乳首が露出する。SEXLIVECAMは光量調整・色補正その他の調整を瞬時に行って、絶妙に魅力的に見える映像をメイクする。スマートグラスの半透明レイヤーのブラウザに、様々な投げ銭のたぐいのアイコンが登場して、俺がゆっくりと指先で乳首を弄び、乳首がその硬度を増す度に、各種アイコンは台風の日の落ち葉のように激しく舞い踊る。ライブアプリは、俺の指示を待つまでもなく、乳首を超クロウスアップで捉えるVRショットを作り、更に別のウィンドウが開く。俺はもう片方のブラも押し下げて、右の乳首も全世界に晒した。
両方の乳首を同時にいたぶり、舌先でゆっくりとねぶる。
目を閉じて脱力したままの弥生が漏らす「あっ……んっ……んむん」という、声にならないような声は、高性能マイクとアプリの補正効果で、ハイパーバイノーラルな24chサラウンドのサウンドとして世界中のほんの数億人の愛好家の耳に、まるで自分もその場で聴いてるかのような臨場感で届き、原初の性的本能を刺戟している筈だ。
ここ数年ですっかり引退気味だった筈の俺の股間のモノはいつの間にかギン勃ちしている。立ち上がってジッパーをおろして欲棒を取り出し、弥生の口元にその先端を押し付けると、よほどセックスドラッグが効いているのか、弥生は嫌がるそぶりも見せず、俺の欲棒の先端を舌先でゆっくりチロチロと舐めてくる……殆ど忘れかけていた快感……ドラッグ効果なのか、本能なのか、身につけているテクニックなのか、21歳のコンビニ店員・小林弥生の舌先の動きは絶妙だった。俺の欲棒の先端に触れるか触れないかという微妙の動きをゆっくり繰り返していた舌は、接触強度を増して亀頭の周囲を何度か旋回して、先端に触れるか触れないか、じらしているかのような動きに戻る。それを何度か繰り返されて、俺はたまらずに腰を突き出して欲棒を深く口元に導くと、弥生は抵抗せずに受け入れる。両手で弥生の頭を抱えて何度か往復させると、吸い付くように先端部を捉える唇の粘膜の感触は至上の心地よさ、久々に味わうそのあまりの快感に膝ががくがくと震える。
こんな不測の事態に備えて持ち歩いていた簡易エアマットを膨らませて弥生を横たえて、紺色のミニスカートをめくりあげると淡いピンクのショーツが視界いっぱいに広がる。その中心部分は、さきほど与えたセックスドラッグの効果で、にじみ出た体液が染みを作っている。本来の俺はとっとと脱がせてとっとと挿入してさっさと自分だけが逝く、マッチョなやりかたを好んでいるのだが、多くのブラックウェブのメンバー、いまこのLIVE中継を見ているほんの数億人の視聴者の希望に迎合して、ゆっくり、じっくり、責めて行く事にする。と、いま決めたのは、俺の意思なのか、ネットを通じて伝わってくる数億人の意思なのか。
こめかみに埋め込まれているチップは、オーバーロード気味なのか、ほんのりと暖かく、脳内を巡っている筈のセックスドラッグとの相乗効果なのか、そのこめかみ部分からなんともいえない、少ししびれるような心地よさが、ぶるぶるぶるぶる漏れている。
ショーツのその部分に鼻先をこすりつけて思い切り匂いを吸い込む。ちょっとむっとするような女性の分泌液特有の生生しい匂いがガツンと効いて、勃ちっぱなしの俺の欲棒が震え、その先端から我慢汁がにじみもれた。ネットを通して匂いを伝達する技術は最近進歩が著しいらしいが、この匂いと俺の興奮は、ほんの数億人の視聴者にも伝わっているのだろうか。
弥生の両足首を左手で抱えるように持ち上げて腰を浮かせるようにして、淡いピンクのショーツをヒップの方から脱がせて秘部を間近で見る。最近主流の完全無毛ではなく、裂けめの頂点部分を少し覆うように一部を残している。そのあたりを指で少し押し拡げて、隠れていた真珠のような薄いピンクの部分を露出させ、LIVE視聴者にじっくり見て楽しんで貰う時間を確保する。ケースに残っていた数粒のセックスドラッグを口に含み、ゆっくりと唾液で溶かし、その唾液を絡めてぬるぬるにさせた人差し指の先端を軽く弥生の聖核にあてがい、撫で上げるように動かすと、弥生の腰がぴくんと反応する。
俺は弥生の両膝の裏側を両手でぐっと押しあげて脚をM字に開かせる体勢にして、秘部に顔を近づけて、一回分の規定量を大幅に超えているセックスドラッグが溶けている唾液でしたらせた舌先で聖核の周辺を正確に捉え、ゆっくり、じっくり、じらすように舐める。なぞるように舌先を何度か周回させた後に、肥大して半分以上露になっている聖核に舌先で強めに触れたまま、細かい振動を与えると、弥生が漏らし続ける「っんっ……あっ」という声は囁くような音量の壁を割って次第に音量を増す。
唇で聖核全体を包みこんで軽く吸い込むようにして、舌先を細かくリズミカルに動かして露出している小さな丸みを、不規則なリズムで刺激する。舌先を少し離して動きを止めると、弥生は少し腰を浮かせて継続を要求してくるかのように、自らその部分が俺の唇と舌に当たるようにくねらせてくるので、再びリズムカルな刺激を与えた後、その下のいつのまにか大きく開いている裂孔に舌先を挿し入れた。
普段は面倒なのでたいてい省略するこの行為。女性にして貰ったお返し的に、求められればおざなりにした事はあっても自ら積極的にした事はなく、正直、コレのどこが楽しいのか、よく判らなかったのだが、いまこの瞬間は、この行為をしている事自体になぜか強烈な快感があり、俺の唇と舌は俺が過去にした事がない、絶妙で繊細な動きで弥生を刺激している。
もはやこの快感と動きは、俺自身の快感と動きなのか、ネットを通じて、俺のアカウントに感嘆・感謝・要求を絶え間なく送って来る、繋がっている多くの他者の快感が、俺のこめかみのチップで変換されて俺の脳に流れ込んできて、俺の意識と混ざって俺に快感を与えて俺にこんな動きをさせているのか、俺は判断できない。
俺の唾液と弥生の淫液でとろとろにぬめっている処に指と唇と舌で触れて弥生が声にならないような声を漏らす度に、俺の欲棒もぴくんと反応する。いつもならこんなに勃っていたら、女性が濡れているかどうかもあまり確認せずに、強引に挿入しているのだが、なぜか、いまは、まだまだ、この状態を続けていたい、という気分。
俺にも実はこういう部分もあったのか。
それともネットの主要意見に同調させられているのか。
スマートグラスを外してネットを遮断すれば、確かめる事ができるのかもしれないが、とてもそういう気にはなれない。いまこの瞬間がとにかく快い。
弥生の一番敏感な部分を刺激する行為をどれだけ続けていたのだろう。
実際は数分かもしれないし、数十分かもしれない。
俺は舌と顎に疲労を感じて弥生の股間の中心から顔を離した。
口の中の錠剤は溶け切っていなかったので、弥生の唇を開かせて、俺の唾液・弥生の淫液・セックスドラッグが混ざった液体を、弥生の口に流し込んだ。
半睡半覚で朦朧とした状態が覚めていない弥生の状態を確認すると、勃起を続けている欲棒を弥生の小さな淫裂部分にあてがう。とろとろに濡れた柔らかい粘膜が先端にまとわりついてくる感触を味わいつつ、ピンクの聖核に細かい振動を与えるように動かすと、弥生は「っあっ っえっ んっ」という、感じているような、待ち望んでいるような声を上げる。そのまま下にスライドさせて細かい震動を与えると、とろとろの粘膜に接した俺の先端は、少しづつその暖かい沼の深みにごく自然にはまっていき、淫裂に覆われた先端部分の最先端に少し何かが当たる感触を確認して、ほんの少しだけ腰を入れて押し込んで行くと、なんの抵抗もなく奥までとぅるんと入っていく。欲棒の先端が奥に届くと、弥生は「っんんっあっ」と声をあげて、弥生のそこがきゅっと締まって、欲棒全体がなんともいえない感触に包まれる。俺の人生はこの瞬間の為にあった。
そのままゆっくり動かすと、こめかみのチップの部分あたりから更に強烈な何かが生じて、俺の意識・俺の動き・俺の欲棒・俺の快感は、ほんの数億人の視聴者のそれと、文字通りダイレクトにつながったようだ。こめかみ部分から発せられる強い感覚、痛みなのか快感なのか瞬時に判断できない感覚は、瞬時に脊髄を雷のようにビビビビと走って欲棒の先端に到達する。
あやつられるがごとく動いていた俺の腰のピストン運動は実は数回だけだったのか、あるいは数十回に及んでいたのか、もはや俺の脳には判断できない。ただ、全身をくまなく駆け巡っているとてつもない感覚、人間の感じる感覚そのもののような広い海に流されてしまわないように、必死でどこかにしがみつく。
いまこの瞬間の感覚に身を任せると完全に〈俺〉が消失してしまいそうな恐怖感があるが、その感覚が快感をとてつもないレベルに増幅しているような感覚もある。
次の刹那、これままで感じた事のない、とてつもない絶頂感、絶頂感という言葉で表現しきれない何かが、欲棒の先端から脊髄を走って脳天から宇宙へ迸り、俺の視界は真っ白になった……。
* * *
最近は以前にも増してリアルな変な夢を見る。
今朝起きる直前に見た夢は、中年の太った男である私が、コンビニの若い女性店員をレイプする夢。私の勃起している欲棒の先端に若いコンビニ店員の女性の舌先がゆっくり触れてくる感覚、女性店員に挿入して欲棒が柔らかな暖かさに包まれた感覚がはっきりとあり、私は、夢の中でとてつもない快感を感じていた。夢の中の中年男性の私は、いまはまだ世の中に存在しないガジェットを使って、自分の行為を全世界にLIVE中継していたけど、夢の中では、それを不思議な事だとは全然思わなった。とてつもない快感で射精する瞬間も、まるで本当に自分に欲棒がついているかのようにリアルに感じていた。
目が覚めても、まだ夢の続きを見ているような、夢と現実の境目があやふやな感覚があり、下半身に手をやって、
(夢の中に欲棒を忘れてきてしまった!?)
と、慌てた私は、ショーツを脱いで手で触れて、いつもの場所に宝珠があるのを確認した。
やがて、意識がゆっくり覚醒してくる。
(……いまのは夢で、私は女の子だった)
私のその部分はびっくりする程に濡れていて、いつも寝起きに眠気覚ましにするように中指の先で軽くこすりあげるように聖核に触れてみると、腰が浮き上がる程の快感があり、その下に触れてみると、溢れてこぼれおちそうな程にとろっとろな状態。
こんなに濡れる事は滅多にないので、普段は使っていない極太バイブをベッドの下の引き出しから取り出してあてがってみる。買ったばかりの時に使った時はローションをたっぷりつけても先端を入れただけで広がりすぎるような鈍い痛みを感じて「さすがにこの太さはムリ」と思って捨てようと思ったが、こんな不測の事態にはこれが使えるかもしれない。極太の先端を軽くウェットティッシュでぬぐってあてがってみると、なんの抵抗もなくスルリと奥の方まで入り、振動スイッチをONにすると、その部分から下半身を貫いてつま先に向かって強烈な快感がスパークした。
これってひとりエッチ史上最高の快感、ひょっとしたら、普通のセックスを通算しても、単純な肉体的快感なら過去最高と言える程の快感かも!?
夢で濡れてこんな快感を味わえるなら、変な夢を見るのも大歓迎なんだけど〜などと思って、振動スイッチを強にして動きに身を委ねると、その快感は更に強度を増して全身を駆け巡る。
(ナニこの快感!? どうにかなっちゃしいそう!?)
快感という言葉では表現できないレベルの何かが急激に増大して、私の身体の裡で弾けるような圧力を感じて、視界が真っ白になった。
どうやら、私は、一瞬、失神していたようだ。
時計を見ると急いで出ないと遅刻しそうな時間。今日は夕方までソロシフトなので遅刻すると大罰金だ。ベッドの下に脱ぎ捨てていた淡いブルーのブラ、淡いピンクのショーツ、赤いチェックのブラウス、紺色のミニスカートを慌てて身につけて、最低限のメイクをして、慌てて家を出た。
ブラの色とショーツの色がバラバラな事に気づいたが、今日はバイトの後はライブラリーでリポートを書くので、誰に見せるわけでもないから問題ない。
前回調子が悪かったレシートプリンターは今日は直っているだろうか、と思いながら、アルバイト先のコンビニに急いで向かった。【了】
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■1984年日記
●1984.10.10(水)
○にっかつ早番。熱はなんとか37℃台まで下がった。
○「人狼戦線」読了。「ウルフレター」読む。
●1984.10.11(木)
○3·4社会学で映研班ルポ書く。
○H野(中学の同級生)泊まる。
●1984.10.12(金)
○またまた授業サボる(基礎演)。11:00頃までベッドの中。
○H野と「かつ友」でショーガ焼き定食。部屋に戻って「仔猫ちゃんのいる店」。池袋で金を返してもらって別れる。
○F見さん(高3のクラスメイト)に電話して約2時間。2時間も女の子と話せたなんて感動。電話代なんと2400円。
※F見さんへの電話は全く記憶にない、公衆電話からかけたのだろうか?(2024/10/13)
●1984.10.13(土)
○16:30頃コンサートへ。音響がいまいち。ホールも狭くて小さい。2700円は高い。
※慶応大学三田祭の松本伊代?(2024/10/13)
●1984.10.14(日)
○英検2級at巣鴨女子校。
○シングル3枚レンタル。ヨーカドーで座椅子5000円、食料品。
○にっかつ遅番(30分遅刻)。18:00過ぎTさん(サークルの先輩)来る。仕事に関していろいろ興味深い話。かなり羨ましい。
●1984.10.15(月)
○5·6体育休講。U野(同じクラス)と少し話して高田馬場へ。
早進研事務所で家庭教師のバイト代3万円受け取る。
○7·8映画表現論も休講。新しい教室まで必死に登ったのに。
○にっかつで暇をつぶして17:30歯医者、やっと痛くなくなる。
○食事しながらシングル4枚大急ぎでダビングして家庭教師へ。
●1984.10.16(火)
○1·2仏1後、S浦(同じクラス)と「茶房留」。学園祭ツアーの話、新しいサークルを作る計画。
○5·6簿記、後期初の出席。全然判らない。O島(同じクラス)とアイドルに関して話す。
○テアトル池袋で「ディーバ」”シーンごとの視点”がおもしろい。
○S子(映画サークル同学年)に電話。映画の事ばっか1時間弱。
●1984.10.17(水)
○午後まで寝て学校サボリ。
○家庭教師のアルバイト。帰宅後「家族ゲーム」見る。
●1984.10.18(木)
○またまた語学をサボってしまった。
○徳利を買ってアツカンで一杯。
○F見さんに電話して「ポリス・アカデミー」に誘うが断られる。もっと食い下がるべきなのかな……
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■2024年日記
●2024.10.10(木)くもり/小雨
○午後近所散歩。先月開店のまいばすけっとを発見。ガーデンプレイスでTOP OF EBISUの39Fと38Fの展望窓、オープン当初以来。防衛研究所、アトラス、アドレスはすぐに判るがウチのマンションは判らない。ベンチでしばし休憩、TSUTAYAで新刊文庫本と雑誌を眺める。マツキヨでEVE。
マックの後ろ壁席は満員なので結局今日もPRONTO。
○PSVRでNetflix「ジョン・ウィック コンセクエンス」冒頭約20分。
○夕食はそば、コロッケ、チーズパン、焼酎お湯割り2杯。
○夜食はコーヒー2杯、チーズクラッカー、昨日のコロッケ2個。
○Match Factory! 絶対クリアできそうにない649(ウルトラ難しい)を延々。砂時計使ってもダメだったのを延々やってしまうのは現実逃避以外の何物でもない。至近距離で細かいモノを凝視しすぎたせいかしばらく目に違和感。長時間やりづづけるのは目にも絶対悪そう。
●2024.10.11(金)はれ
○昨日に続いて夕食後の睡眠から原則起き続けるパターンに挑戦。
○昼食はゆでたまご、高菜、ごはん1個。
○夕方代官山方面。蔦屋書店、中目黒店に比べて品揃え豊富でクラクラする。ピーコックの無洗米5㎏、4000円もするのでスルー。隣のドラッグストア、ギャツビーのコロン有り、EVEはマツキヨの方が安い。
○「ジョン・ウィック」続き。マンガの世界のような日本。キアヌ・リーブスのアクションのキレは1作目に比べて落ちているように感じる。
眠気覚ましに昔のビデオをPSVRで。
○夕食はグリルチキン、菜の花ニシン、ブロッコリー、納豆、キムチ、味噌汁、ごはん2杯、日本酒ぬるかん。
○YouTubeの検索で「せいふ」と打つと最初の候補に「制服 松田聖子」が出てくる。何度聴いても良い。特に「ひとりぼっち」を繰り返す所が良い。
○記憶の中にぼんやり浮かぶ白い服の女の子のビデオを昔のビデオから探してみる。多分この子の記憶というのを発見するが記憶で浮かぶ女の子ほど魅力的ではない。※90年代のエロビデオ
○Match Factory! 649 残りは赤のナイフだけまでは行く。30秒足りない。
○山本5回0失点、ダル6.2回2失点(ソロ2本被弾)、2-0でドジャース勝ち抜け。ダルの年齢を考えるとラストチャンスかもしれないのでワールドシリーズ登板を見てみたい気もするし、大谷移籍でドジャースがワールドシリーズ10連覇を見てみたい気もするので若干複雑な心境で見ていた。いずれにしてもソロ2本2-0という展開は盛り上がりにはかける。野球はもっと点が入って欲しい(理想は6対3)。
●2024.10.12(土)はれ(残暑)
○昼食は高菜チャーハン。
○午後CS見ながらウトウト、途中からふとんかけて本格的に仮眠。睡眠時間4〜5時間は3日目で限界という事か。
○夕食は20:00頃 アボカドマグロ、菜の花ニシン、野菜炒め、納豆、キムチ、ごはん1.5杯、金麦。
肉に見えたのは舞茸だった(野菜炒め)。キングオブコント見ながら。
○ベッドサイドのテレビでは出る音声がデスクのテレビで出ない問題を解消するべく、デスクの後ろやデスクの下になんとか体を入れて配線をあれこれ変えて、一時はPS4が映らなくなったので配線し直し、最終的にデスクのテレビに接続しているミニスピーカーの問題と判明(接触不具合?)。一番最初に疑うべきだった。約2時間の徒労。DVDからダビングした部分はちゃんと聞こえるのに、編集した部分は無音になる原因はよく判らない。
●2024.10.13(日)はれ(残暑)
○昼食はインスタントラーメン+たまご+ネギ+海藻。
○秋華賞レース直前日刊スポーツ馬柱で数秒で予想して5-10的中。1点1万(投資金額3万)なら約19万儲かっていたと夢想。買わなかった時の方が的中する気がする。
○夕食は鶏の照り焼き(味が濃くて酒が進む)、茶碗蒸し、和野菜和え、とろろお吸い物、寿司、日本酒、金麦。ボクシングと大河ドラマ見ながら。
●2024.10.14(月)はれ(残暑)
○昼食は近所の店でカツ丼、ビール。ひなたは真夏の暑さ、ひかげは涼しい。
○午後に約3時間仮眠。清宮の同点タイムリーは夢現で聞く。ファイターズ勝ち抜け。ロッテは全試合2得点どまり。
○夕食は餃子、ソーセージ、グリル野菜、キムチ、高菜、味噌汁、ごはん1.5杯、金麦。
スポーツ選手が出場する「スポーツマンNo.1決定戦」の方が断然面白かった。一部の種目は重なっているが「最強スポーツ男子」は劣化版にしか見えない。全然知らない若い男多数出演、覚える気が起きない人は顔も名前も覚えられない。
○大博打(1999=黒川博行)新潮文庫 374頁 ※1991日本経済新聞新聞社
警察官の「私」と犯人の「おれ」が交互に語られる構成で展開、最後にこのふたりが出会った時にどう語るのだろうと読み進めると、最後まで出会わずに終わる。警察関係者は人物が多すぎて誰が誰だかほぼ判らない(佐古は疫病神シリーズの中川の類似キャラっぽい)。警察官の「私」と犯人の「おれ」両方に疫病神シリーズの二宮のキャラが匂う。
●2024.10.15(火)はれ
○2戦目はメッツ勝利で1勝1敗。ブルペンデーは誰かが不調だと今日のドジャースのように序盤で大量失点。どんな戦法も一長一短。
○昼食は冷奴、ゆでたまご、キムチ、ごはん1個。
○スカパープロ野球セット、WOWOW、Disney+、ABEMAを解約。ABEMAは解約手続きがむっちゃ面倒。こんなに面倒だとたとえ見たいコンテンツがあっても再契約をためらってしまう。
○午後、中目黒方面散歩。本4冊返却。図書館は休館日だった。目黒銀座を突き当たりまで歩いて高架下横の道を戻って東急ストア。東急ストアの自動レジ、酒を買うと店員による確認が必要と表示されて会計に進めない。ピーコックは自分で「20歳以上」を押すだけなのに。全ての商品にチップがついて何もしなくても自動会計が当たり前に早くなって欲しい念の為に薄い上着を持って行ったが全く不要。エアリズム半袖と短パンで30分も歩くと汗びっしょり。
○夕食はまぐろフレーク、ビーフメンチカツ、キムチ、味噌汁、冷凍ごはん2個、金麦。
○日本1-1オーストラリア、互いにオウンゴール。
●2024.10.16(水)
○眠気覚ましに少しだけのつもりでMatch Factory! またまた約45分ハートなくなるまでやり続けてしまう。
○昼食は冷奴、キムチ、ごはん1個、ミニせんべい。
○夕食は納豆たまごキムチごはん、味噌汁、金麦。
○夢の国(1993=柳沢きみお)白泉社 kindle
どんどん広がりそうな話が例によって唐突に終わる。唐突にぶったぎるように終わるにはいつもの通りだがコミックス1巻で終了する今作は途中打ち切り感強い。しっかり考えてあったのは当主の男と対面して三姉妹を紹介されるまででその後の展開はぼんやりとしか考えていなかったのではないかと想像してしまう内容。もし全編当初の構想通りだとしたらいくらなんでもバランスが悪すぎ。とは言え、ただただ画も構成も無難な作品よりは、やはり惹かれてしまうのも事実ではある。
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