EVER LASTING MOMENT VOL.11

2024年12月13日発行

■EVER LASTING MOMENT VOL.11
○昭和の薫り漂うWEBマガジン
○推奨年齢50歳以上
○無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)
○小説/散文/妄想/企画 或れ此れ其れ何れなんでも有り
○誤字脱字間違い辻褄合わず各自適宜補完にてよろしく哀愁

いずれ一夜の夢ならば
呑んで謡って ホイのホイのホイ
今宵とことん ホンダラッタホイホイ

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■映画/ドラマ/スポーツなど
●2024年
○おむすび(朝ドラ)橋本環奈
○光る君へ(大河ドラマ)吉高由里子
○それぞれの孤独のグルメ(テレビ東京)
○極悪女王(Netflix)※全5話
○地面師たち(Netflix)※全7話
○機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム(Netflix)全6話 ※1年戦争
○ハウス・オブ・ザ・ドラゴン2(U-NEXT)※全8話
○ザ・ホワイトハウス(U-NEXT)※全7シーズン
○STAR WARS アコライト(Disney+)※全8話
○No Activity(Amazon)※全6話
○11/01金 ヴェノム ザ・ラストダンス(2024=ケリー・マーセル)109分
○11/15金 グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024=リドリー・スコット)148分
○11/22金 海の沈黙(2024=若松節朗)112分
○11/22金 ドリーム・シナリオ(2023=クリストファー・ボルグリ)101分
○11/29金 正体(2024=藤井道人)120分
○11/29金 痴人の愛(2024=井土紀州)104分
○11/29金 雨の中の慾情(2024=片山慎三)132分
○12/06金 クラブゼロ(2023=ジェシカ・ハウスナー)110分
○12/13金 クレイヴン・ザ・ハンター(2024=J・C・チャンダー)127分
○12/13金 ミュージック(2023=アンゲラ・シャーネレク)108分
○12/13金 不思議の国のシドニ(2023=エリーズ・ジラール)96分
○12/13金 太陽と桃の歌(2022=カルラ・シモン)121分
○12/13金 ソウル・オブ・ア・ビースト(2021=ロレンツ・メルツ)110分
○12/13金 バグダッド・カフェ(1987=パーシー・アドロン)108分
○12/13金 ペパーミントソーダ(1977=ディアーヌ・キュリス)101分
○12/13金 エルトン・ジョン Never Too Late(2024=R・J・カトラー他)102分 ※Disney+
○12/14土 キノ・ライカ 小さな町の映画館(2023=ベリコ・ビダク)81分
○12/14土 アイヌプリ(2024=福永壮志)82分
○12/20金 ライオン・キング ムファサ(2024=バリー・ジェンキンス)118分
○12/20金 YEAR10(2022=ベン・グッガー)96分 ※全編セリフなし
○12/20金 対話する世界(2023=田口敬太)95分
○12/20金 陪審員2番(2024=クイント・イーストウッド)114分 ※U-NEXT
○12/27金 神は銃弾(2023=ニック・カサベテス)156分
○12/27金 占領都市(2023=スティーブ・マックイーン)251分
○12/27金 I Like Movies(2022=チャンドラー・レバック)99分
○12/27金 私にふさわしいホテル(2024=堤幸彦)98分
○10/05土〜02/11火 モネ 睡蓮のとき(国立西洋美術館)
○11/30土〜12/27金 生誕100年の人々(ヴェーラ)
●2025年
○01/01水 ローズパレード ※京都橘3回目の出場
○01/03金 ビーキーパー(2024=デビッド・エアー)105分
○01/03金 ぼくらのふしだら(2024=小林大介)74分
○01/05日 べらぼう(大河ドラマ)横浜流星
○01/10金 エマニュエル(2024=オドレイ・ディワン)105分
○01/10金 劇場版 孤独のグルメ(2025=松重豊)110分
○01/17金 サンセット・サンライズ(2024=岸善幸)139分
○02/14金 キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
○02/14金 Jリーグ開幕(現行春秋制最終シーズン)
○コブラ会 最終シーズンPART3(Netflix)※24年7月PART1/24年11月PART2
○03/18火 MLB開幕戦ドジャースvsカブスat東京ドーム
○4月 あんぱん(朝ドラ)今田美桜
○04/13日 大阪・関西万博開幕
◯6月 サッカークラブW杯(新方式、32チーム)
○09/13土〜09/21日 世界陸上(東京)
○10月 ばけばけ(朝ドラ)髙石あかり
○11/06木 ストレンジャー・シングス 未知の世界最終シーズン(Netflix)
●2026年
○1月 豊臣兄弟!(大河ドラマ)仲野太賀
◯02/06金 ミラノ・コルティナ五輪
○3月 第6回WBC
○05/22金 STAR WARS新作公開?
◯06/11木 サッカーW杯アメリカ/カナダ/メキシコ大会
○8月 Jリーグ開幕(秋春制第1シーズン)
○12/18金 STAR WARS新作公開?
●2027年
○世界陸上(北京)
○バスケW杯
○ラグビーW杯オーストラリア ※20→24に増加?
○12/17金 STAR WARS新作
●2028年
○EURO2028イギリス/アイルランド
○07/14金〜07/30日 ロサンゼルス五輪
●2029年
○世界陸上(バーミンガム?)
●2030年
○サッカーW杯モロッコ/ポルトガル/スペイン大会(100周年記念大会)
●2031年
○世界陸上
●2032年
○EURO2032イタリア/トルコ
○07/23金〜08/08日 ブリスベン五輪

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■U-NEXT見放題(R18)VOL.11
※自然に感じられる画を重視してチェック(顔面テカリ否定派)
※女優を生かすも殺すも髪型/メイク/衣装/撮る角度/照明次第

●ルル20才 美少女がスク水パパ活(2023年11月)76分
○普通の大学生風、じみかわ系、伏し目がちの笑顔かわいい、こぶりなバスト
○パパ活設定、定男優顔モザ
○着衣のまま手コキ〜フェラ(21分頃)

●彩(29)素人ホイホイ(2023年7月)92分
○角度によっては20代前半の清純派アナウンサー、微乳
○笑顔に横顔が魅力的(12分頃)
○プレイルームは基本的に照明当て過ぎで顔面テカる
○いい感じの光(少し離れた場所の固定=59分頃)

●レンタル彼女 さくら(20歳)(2019年5月)99分
○おしゃれな普通の大学生風、石原さとみと忽那汐里を足して2で割ったような感じ、声低め、いい感じの色合いのオレンジのワンピース
○レンタルデート設定の会話の演技悪くない
○カラオケボックスの照明ナチュラルでグッド
○大きな窓から夜景が見えるソファで絡む(画がゴージャス、44分頃〜)
○大きな窓から夜景が見えるバスルームでお約束の極小ビキニ(画がゴージャス、53分頃〜)
○仁王立ちフェラPOVぎりぎり明る過ぎない照明(もう少し暗めの方がエロい、67分頃)

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■島耕作メモ

島耕作プロフィール
生年月日 1947(昭和22)09.09(乙女座/B型)
出身地 山口県岩国市
出身校 私立鷹水学園高校
出身校 早稲田大学法学部(1970年卒業)
資格 普通自動車免許
資格 実用英語技能検定1級
身長 177㎝
父親はサラリーマン
母親は呉服商
ひとりっ子
大学時代ESS
好きな食べ物 サラミ 
好きな食べ物 トリュフ
好きな食べ物 オリーブオイル
嫌いな食べ物 酸っぱいもの
ワインに詳しい
バリ島が好き
77年結婚、89年離婚(怜子)
12年再婚(島耕作65歳、大町久美子45歳)
長女 奈美(79年誕生)
孫 耕太郎(03年誕生)
*出典「島耕作クロニクル 連載30周年記念エディション」

島耕作職歴
1970年4月 初芝電器産業株式会社入社
1970年11月 本社営業本部 販売助成部屋外広告課
1971年11月 本社営業本部 販売助成部制作課
1976年1月 本社営業本部 販売助成部制作課主任
1980年3月 本社営業本部 販売助成部制作課係長
1983年5月 本社営業本部 販売助成部宣伝課課長 *課長島耕作①
1985年1月 ハツシバアメリカ NY支社宣伝部 *課長島耕作①②
1986年1月 本社営業本部 販売助成部宣伝課課長 *課長島耕作③④
1987年5月 電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)*課長島耕作④  
1988年5月 本社営業本部 販売助成部ショウルーム課課長
1990年5月 フィリピンハツシバ マーケティングアドバイザー
1990年11月 本社営業本部販売助成部総合宣伝課課長
1992年2月 本社総合宣伝部部長
1999年1月 初芝電産貿易株式会社代表取締役専務(出向)
1999年9月 サンライトレコード株式会社代表取締役専務(出向)
2001年4月 本社市場調査室
2001年5月 福岡初芝販売センター代表取締役専務(出向)
2001年10月 福岡初芝販売センター代表取締役社長(出向)
2002年2月 本社取締役九州地区担当役員
2002年6月 本社取締役上海地区担当役員上海初芝電産董事長
2005年2月 本社常務取締役中国担当役員
2006年11月 本社専務取締役
2008年5月 初芝五洋ホールディングス株式会社代表取締役社長
2013年7月 TECOT代表取締役会長
2019年8月 TECOT相談役
2022年1月 TECOT相談役退任
2022年3月 株式会社島耕作事務所設立 UEMATSU塗装工業社外取締役
※2010年1月社名変更(初芝五洋ホールディングス→TECOT)
*出典Wikipedia

●課長034 メモリーズ オブ ユー(Memories Of You)
◯左遷された宇佐美常務に会いに行く
・鴨川沿いの料亭でかつ子に哲ちゃんを紹介
・哲ちゃんから宇佐美常務左遷の話(大阪支社の監査役=閑職)
・宇佐美「もう少し寝技を覚えろ」「実力だけでは出世できん」激しい咳(死の予感)
・「すず鴨」で三輪を接待、哲ちゃんから人間関係のバランス重視のアドバイス
・末期の肺がんで入院した宇佐美から息子(愛人との子供)の件を頼まれる
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング87年31号掲載
*課長 島耕作 第4巻(1987)

●課長035 イッツ オンリー ア ペーパー ムーン(It’s Only A Paper Moon)
◯宇佐美常務と息子を会わせる
・かつ子に宇佐美の件を相談、かつ子「会わない方がいい」
・息子がバイトしているうどん屋「だるま」に宇佐美を連れていく(哲ちゃん協力)
・「すず鴨」で泥酔してかつ子に誘われてセックス
・2週間後に宇佐美他界
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング87年32号掲載
*課長 島耕作 第4巻(1987)

●課長036 ザッツ プレンティ(That’s Plenty)
◯ホテルの浴室で「西紋」の女将と鉢合わせする
・茹だるような暑さの京都の夏(祇園祭り)
・八朔(正装した芸妓舞妓の挨拶まわり)
・「西紋」の女将に説教される(もうちょっとシャキッとせなあきまへんえ)
・「西紋」でオーストラリアからの客を接待→クラブでカラオケ
・妻の急病で途中で帰る蔵重から古都ホテルの部屋からカバンの回収を依頼される
・古都ホテルの部屋で入浴中に「西紋」の女将が来る
・かつ子と「西紋」の女将に関してピロートーク
※ホテルの部屋で鉢合わせの展開は少々強引(女将に頼めばいいのでは?)
※京都編は「まだまだ人生の修業が足りない」というエピソード多い(長期シリーズ化決定?)
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング87年36号掲載
*課長 島耕作 第4巻(1987)

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■海の沈黙(2024=若松節朗)112分 TOHOシネマズ日比谷

★再会してろうそくが入った袋を渡した時に一瞬手を握る。その瞬間にふたりの胸に何が去来したのか、その瞬間もその後も一切説明せずに観客の想像に委ねる。これはどちらかと言えばアート映画の手法だが、映画全体はアートに振り切ってはいない。

★もしこの作品の宣伝担当なら何を推すか悩む。エンタメではなく、アートでもなく、ドラマとしては葛藤も対立も弱い。萩原聖人の自殺でも清水美砂の謎の死でも物語が大きく動く事はなく、そもそもこの作品には一言で言える骨太の物語は果たしてあるのか。若い頃に惹かれあっていたらしい小泉今日子と本木雅弘が数十年ぶりに再会する話も、本木雅弘が最期に最高の作品を完成させる話も曖昧にしか語られない。

★徹底してアートに振り切って時制も時系列もぐちゃぐちゃにして語って観客を置き去りにして終わる。もしくは、徹底してエンタメに振り切って本木は才能はあるが酒とクスリと女に溺れるクソ野郎、石坂浩二は贋作と見抜いてもそれを商売に利用しようとする徹底した商業主義、そのふたりが最後に直接対決して、それを小泉今日子が見守る往年の日活映画のような展開。このふたつは極端な例だが、いずれ、アートかエンタメ、どちらかに振り切った方が良かった。

★入れ墨の彫師としての別の顔という設定は必要だったのだろうか。女性の身体に入れ墨を彫る事
がエロティシズムと重なって芸術的モチベーションに繋がるというようにも思えず、何の為にある話なのかよく掴めず、清水美砂から若い女性に受け継がれた理由も、清水美砂が死んだ理由もよく判らなかった。

★キネマ旬報のインタビューを読むと本木は本作のテーマは「芸術」と理解したようだ。本木の側から始まって、もっと本木演じる画家の内面と芸術性に肉薄する構成・内容だったらどうだっただろう。小泉の側から始まって恋愛要素を匂わせるミステリータッチで展開するが、大きな変化がある主人公キャラは本木で、全体的に諸々中途半端だった。

★この作品のムードと本木の熱演が一番効果的なのは映画ではなく舞台だと思う。

★小泉今日子(1966年誕生)は色恋が絡むヒロインとしては正直キツい(明確に老いらくの恋という話なら別だが)。冒頭のような薄暗い部屋なら多少ごまかせても屋外のクロウスアップは老いを隠せない。入れ墨を希望する若い女性(菅野恵、1994年誕生)は当然ばっちり脱ぐのかと思いきや中途半端な露出。

★中井貴一演じる謎のパトロン?はなかなか興味深いキャラ。クルマの中で手紙を読むシーン、最初は耳慣れた中井貴一の声に聴こえなかった。

★クレジッドが〈脚本 倉本聰〉ではなく〈作 倉本聰〉になっていたのは何か特別の意味があるのだろうか。公開5日目19:05の回の入は10%程度だった。

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■はるかなエックス
※無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)

「ウチのエースの枢木桃華の件なんですけど」
「ああ、あの子は、あいかわらず、いいねえ。若いのに色気もあって」
「会長の耳に届いてるかどうか、桃華は、例によって、こっちの方が激しい子でして」
 横向きの両手で手招きするような私の仕草に会長は目を細めて、
「これだけ人気があるんだから当然だろう。なんだかんだ言っても、結局、セックスアピールなんだから。はっきりしていて良いんじゃない? 自覚してない子の方がこわいよ、いきなり爆発すると、即やめちゃったりするから。どんどん、あてがってやればいい」
「いや、もう、デビュー前から、さんざん、あてがってるんですが、ウチウチの提携先のアイドルや俳優は、どいつもこいつも自己中で下手だから嫌だ、などと言い出す始末で」
「そうなのか? いま提携してるのって、パピーズ事務所とかモリプロでしょ? 顔もカラダも抜群で、男の俺が見ても疼いてくる感じの、いっぱいいるけどな」
「あれ、会長は、こっちの方も?」
「当たり前だよ。何年この世界でメシ食ってると思ってるんだよ。ちゃんと知っとかなきゃ、なんでも」
「はあ」
「どうも君は若いのに覇気がないね」
「若くはないですよ、55ですから」
「充分若いよ。私なんて、50代は、まだ、全然バリバリだったよ。そんなにアレなら、君が自分で満足させてやれば、スケジュール調整も、敏旬砲対策も楽だろう?」
「私が、桃華と、ですか!? 」
「むかしは、スケジュールがキツい時は、マネージャーが相手をしてやったもんだ。うつぶせになって貰って、ふくらはぎのマッサージから始めて、だんだん、上にあがっていって……まあ、お互い暗黙の了解ってやつだな。これもマネージャーの仕事のうち、と割り切って、私も、しぶしぶ、励んだもんだ」
「しぶしぶ?」
「相手によっては、少しは楽しんだ事もあったかな。君だって、桃華が相手なら、仕事と割り切れば、楽しめるだろう?」
「たとえ30歳若くても桃華を満足させるなんて到底ムリです」
「じゃあ、あいつはどうだ?現場(マネージャー)の若いやつ、なんてったっけ……」
「森田ですか?」
「そうそう、森田。あいつは人が良さそうだし、あいつなら、桃華が満足するまでやってあげられるんじゃない?」
「あいつはムリです、ゲイですから」
「そうなの?」
「それに、50年前ならいざしらず、いま、会社の方針でそんな事をして、万が一世間にバレたら、下手すりゃ会社がツブれます」
「そんなこと言いだしたら、提携先のだって、世間にバレたらまずいんじゃないの?」
「まあ、それは、そうなんですが、〈自主管理〉でマッチングアプリを使ったりするよりはまだマシかと……」
「何がそんなに問題なんだ? チョメチョメできればオッケーじゃないの?」
「要求がきついんです」
「要求?」
「前戯は例のアレを30分、的確な動きでないとやだ、とか」
「パピーズ事務所の若い奴らにはちょいと厳しいかな、それは」
「ウチウチは、諸々、全然、無理らしいです。イケメンはとにかく自分本位だとか」
「むしろ30分、舐めさせる方だよ、彼らは」
「なうてのホストとか、外部登用も考えているようなんですが、これが口が硬いかどうかの調査も含めて、昨今、ますます、難しくなってまして、人材払底です」
「そこまでアレにこだわりがあるような子には見えないけどなあ」
「これ、桃華が、裏アカで書いているブログです」

 男の舌が私の一番敏感な部分に触れて、その雑な動きの中に、少しは感じる動きが混ざっている。教育の意味を込めて、ほんの一瞬かすかに感じた時に「あっ」という声を密やかに漏らしてみた。自分の演技に我ながらほれぼれする。隠しきれない官能が、薄い和紙の一点を裂いて零れ落ちるような声。この声を聞いて少しは気合を入れて技巧を尽くして私を的確に昂めてくれるかと期待するも、なんと、男は早くも顔を離して、あてがって挿れようとしているので我が目を疑う。
 もう終わり!? 30秒!?
 おざなりなクンニにも程がある。
 マネージャーに「顔や体は妥協するから、クンニは最低15分、できれば30分。とにかく丁寧に時間をかけて、ちゃんとまともなセックスができる奴を調達して」って最初から何度も言ってるのに今回もハズレ。
 今夜の相手は、毎度おなじみ、男性アイドルグループを次々にデビューさせるパピーズ事務所の、なんとかっていうグループで今年デビュー予定のなんとかってやつ。今回も同じようなタイプの髪型と顔付きと体型のナルシスト。明るい所でじっくり見れば、髪型も顔も体型も違うのかもしれないけど、そもそも覚える気もないので覚えられない。ちゃんと私を気持ちよくさせてくれた男なら、声とチンポを自然に覚えてしまうのに。
 ちょっと前までは、たまにはそこそこの当たり、ちゃんと私が感じるようなクンニをしてくれる子もいたけど、最近は全然ダメ。これで何人連続のはずれだろう。あまりにも物足りないクンニだったので、フェラしながら自分から顔の上にまたがってシックスナインをうながすと、かすかな舌打ちの音が聞こえて、露骨に嫌がっている雰囲気が伝わってきて、全然舐めてくれない。ふざけんなよ。こっちだって現役の人気アイドルだぞ。デビュー前のお前に較べれば全然格上なんだからな。もっとありがたがれっつーの。
 不完全燃焼のセックスで悶々としたまま、今日も早朝から映画の撮影、テレビ番組収録、ライブのリハーサル、合間に取材。
 今月も忙しい。
 見知らぬ世界が新鮮だったのは最初の半年程度。いまやほぼ惰性で動いている。何十人もいるグループに入らされてセンターで歌って、キモオタ大集合の握手会で何時間も握手、見終わった瞬間に忘れそうな既視感満載のドラマや映画の主演、雑誌やネットの取材で同じような笑顔を作って同じような質問に同じようなトーンで答える。どの仕事も、ちょっと顔とスタイルが良ければ、誰でもできそうな仕事。
 どんなに忙しくても、理想的なセックスさえできれば、どこからかエネルギーが充ちてきて、睡眠時間2時間でも、数日間は肌の調子もメイクのノリも目の輝きも明らかに違う。ノーセックスや不完全燃焼セックスの夜は、クタクタな筈なのによく眠れない。
 今日も視界に靄がかかって体に力が入らない感じが朝からずっと続いている。
 そもそもこの仕事を始めた動機は、いい男と每日いいセックスがしたいからだったのに全然実現できていない。約束が違う。少なくとも3日に1回はいい男をあてがう、って言うから契約したのに。これなら仕事を始める前までつきあっていた男と関係を続けていた方がまだマシだったかも。顔は普通だったけど、とにかく、丁寧に、きっちり尽くしてくれた。私の反応を伺いながら、私が感じる方法をちゃんと発見してくれた。
 イケメン芸能人は、アクセサリーとして連れて歩くなら、それなりに楽しいかもしれないけど、ほぼ100%セックスは下手。自分本位でテクニックがない。自分だけ気持ちよくなるのが当然と思っている。いままでクンニなんて一度もした事がない、って真顔で言った奴もいた。そのくせフェラは長時間させるなんて、人として間違ってる。

「いま、桃華はいくつだっけ?」
「ことし、19歳です」
「19歳にしては、なかなかの文章だねえ、これ」
「はあ」
「でも、君に言ってる事も、この文章も、実は全部、桃華の妄想って可能性もあるんじゃないの?」
「……これが、直近のフッテージです。少々、照明が暗めですが」
「どれどれ……ああ、あのホテルのあの部屋ね、いまでも使ってるんだ。照明が暗めって言っても、充分、桃華がアレしてるのは判るじゃないか。むかしに比べて画質も隨分良くなってるなあ」
「最近カメラを付け替えたようです」
「……ふむふむ。トップアイドルとは言え、いまもむかしも、やる事は基本的に同じだねえ……なるほど……はいはい……短いっちゃ短いけど、30秒って事はないんじゃない? 45秒くらいは舐めてるよ。20歳そこそこのアイドルならこんな感じでもたいていOKなんだけどね」
「ほかのタレントからは、特に、不平不満は出てません。桃華だけです」
「ふーむ。で、このままだと、桃華はどうなる?」
「ウチを辞めてしまうかもしれません」
「そりゃ困る。桃華は相当稼いでるでしょ?ウチの唯一のドル箱でしょ?」
「はっきり行って、どこからどう見てもそうです」
「契約はどうなってんの?」
「1年単位の4月1日更新です」
「もうすぐじゃない」
「この件がなんとかならないなら契約更新しないかも、と……」
「そこまではっきり言ってるの? 桃華が?」
「それで、今日、直々に、会長にご相談にあがったわけで」
「う〜ん、やめられるにしても、あと2〜3年は売りまくってからにしたいな」
「いまが売り時ですから」
「……柿崎は、魂消衆、使った事あったっけ?」
「たまけししゅう、ですか?」
「知らないの?」
「はあ、全くの初耳です。消臭剤かなんかですか?」
「あの有名な、性の達人集団だよ、大昔からいる」
「セイの達人ってのは、つまり……」
「アッチの方の達人って意味よ。むかしは〈性技の味方〉なんてからかわれてたなあ。多分、例の密教系の流れだと思うんだけど、とにかく、凄いんだ、これが」
「凄い、と言いますと……」
「1000年だか2000年だか続く古来の技で、どんな男も女も必ず強烈にイカせるんだ」
「会長にそういう風に言われるとなんだか怪しそうな感じですね」
「ぽーっとした感じが数日続くので、セックスシーンの撮影の前に、主演女優にあてがうと、当日の色気が全然違うんだよ。パピーズやモリと提携して、すっかり忘れてたけど、魂消衆なら、桃華もイチコロだよ」
「連絡はどうやって取るんですか? 我が社のアドレスブックに載ってますか?」
「こないだ使った時はどうしたっけ?」
「私に訊かれても……こないだっていつです?」
「例のアレの時だから、1975年かな?」
「50年前じゃないですか!」
「そんなになる? 先々週みたいな感じだけどなあ」

「今回は会長直々推薦のとっておきの隠し玉らしいので期待してください」
 現場マネージャーの森田は地下駐車場にクルマを停めながら言う。こいつは人当たりだけは良いのだが、どうせ柿崎に聞かされた事をそのまま言ってるだけだろう。さんざん、はずれが続いているので、何を言われても、期待する気は起きない。
「はいはい」と聞き流して専用の直通エレベーターで10階のいつもの部屋に向かう。
 今回もダメだったら、本当に、マジで、グループ卒業と事務所独立を考えよう。
 部屋に入って鍵を閉めると、薄暗い照明が消えて真っ暗になった。
 こういう下手な演出は要らないんだけど。
 何も見えないのはいやだ。ちょっと怖い。
「ねえ。こういうのいいから。明かりつけて」
 返事はない。
 ここでびびって引き返すのは女がすたるので、勝手知ったるいつもの部屋で、壁に触れながら、ベッドがある筈の方向に、ゆっくり歩を進めていく。
 だんだん暗闇に目が慣れてくる。
 どこか懐かしいような匂いが漂っている。
 なんだろう。この匂い。
 ずっとむかしに嗅いだ事があるような。
「私がリードしていいですか」
 ベッドのあたりから声が聞こえる。
 誰の声にも似ていない、不思議な響きの声。
 声から年齢が想像できない。
 15歳のようにも50歳のようにも85歳のようにも聞こえる。
 その不思議な声の波動に導かれるように「はい」と答えてしまう。
 なんだこれは。
 いつものパピーズの若造とは全く違う雰囲気。
 声の主がどこからともなく近づいてくる気配。
 懐かしいような匂いがどんどん濃厚になってくる。
 その匂いに全身を包まれて、現実感覚が希薄になっていく。
 ……。
 いつのまにか全裸でベッドに仰向けになっている。
 以前に戯れに使った羽先で触れられたような、限りなくソフトな何かが、私の身体のあちこちをまさぐっている。耳たぶ、首筋、乳首、腰骨、クリトリス、膝の裏、足の指……。
 男の気配はひとりしか感じられないのに、身体のあちこちに同時に触れられている感覚がある。
 目を閉じているのか、目を開けているのか、ちゃんと起きているのか、それとも眠って夢を見ているのか、自分で自分がよく判らない。暗闇の中にいるような気もすれば、眩しくて目を開けていられない煌めきの中にいるような気もする。
 性的快感という言葉では表現できないレベルの快感、快感の源の海に漂うような、とてつもない快感に、身体の裡も皮膚の表面も区別なく、私という存在全体が包み込まれているような感覚。
 それなりに快感を感じていた過去の瞬間のいくつもの記憶が、いまこの瞬間の体験のように呼び起こされている。
 右手で握り、左手で摩り、口に銜えて、右の乳頭を繊細に舌がなぞり、左の乳頭はすっぽりと口唇に含まれて、クリトリスは舌で執拗に嬲られ、硬い怒張が往復運動を繰り返す。
 物理的に同時に行われる筈がない行為が同時に行われているように感じられる。
 現実以上の現実感。途方もない快感。
 私の身体から四方八方に照射されている快感の波動は、空間全体に拡散して充溢して、私が最も感じる部分の部分の先端の一点に集束して、再び拡散する。
 あまりの快感に身体が悲鳴を上げている気がする一方、そんな自分を「まだまだ大丈夫。もっと解放しても大丈夫」と冷静に見ている自分もどこかにいる。
 ……。
 誰かの手が額に触れている。
 目を開けるとその手の持ち主を見る。少年にしか見えない顔がぼんやりと見える。真っ暗だった部屋は少し明るくなっている。
「いまのってあなた?」
 少年にしか見えない男は何も答えないが、その澄み切った瞳は肯定している。
「いまのは、夢?」
「それはあなた次第。夢と現は、おおもとは、それほど違いはないのです」
「……」
「あなた誰? 名前は?」
「名前は言えません」
「また会える?」
「思し召しがあれば」
「なんでもいいから、何か教えて。あなたのこと」
「今日はここまでです。少し眠りなさい」
 少年にしか見えない男の手が、すっと、瞼の上に降りてきた、と感じたとたん、すとんと眠りに落ちた。

「あの時のウチの桃華のアレが、全てのはじまりだったんじゃないかなあって、思うんだけど、柿崎は、どう思う?」
 トータルエナジーを飲みながら会長が口を開いた。
「実際、桃華のLIVEのVRのアレで、逆流が発生した事から、一気に研究が進んだ、って言ってる人は、いっぱい、いますよ」
「特許とか、権利とか、ナニしておけば、良かったかねえ?」
「でも、これだけ、何もかも、タダ同然になったいま、金があっても、何に使います?」
「そうなんだよね。今度の桃華の新作もそうだけど、なんで、こんなに、何もかも実質タダなんて事が可能なのか、いろいろ読んでも、やっぱり、私にはよく判らんよ」
「あの時、桃華にあてがった、魂消衆の連中が一枚噛んでいる、っていう噂もあるみたいですけど」
「例のナニのアレがエネルギーになるって言う話かい?」
「私にはさっぽり判りませんが、全ての基本はそういう事だ、って言ってる人は多いですね。それも、ウチの桃華の場合は絶大だったとか」
「たしかに、桃華のVRでナニする時は、何かが身体からばーっと出てる感じはするよ。柿崎もそうだろう?」
「え、会長、桃華のVRで、実際に、達してるんですか……その御年で……」
「柿崎は違うのかい?」
「いつも途中でやめてるんです。なんだか、怖くて」
「あんな凄いのをよく途中でやめられるなあ」
「会長の場合は、桃華と最後まで、実際に……?」
「実際にってたって、ホントにココがナニするわけじゃあないけど、感覚としては、実際にやる以上に凄いねえ、実際。クスリなんてメじゃないよ。アレを途中でやめられるなんて、逆にびっくりだよ」
「桃華があまりにもリアルに目の前にいるので、なんだか父親になったような気分と言うか、服を脱ぎ始めるあたりでやめてしまうんです、いつも」
「そろそろ、新作がリリースされる時間だよ。よし、今日は柿崎と一緒にダイブしよう。それもまた一興だ」
「新作のリリースは来月では?」
「今日、出るのは、お試し版みたいなやつだよ」
 スマートグラスのブラウザを視線とまばたきで操作して桃華の新作VR4.0の作品情報を検索してみると、たしかにベータ版が本日18:00ローンチになっている。
「会長、今回はかなりのメジャーアップデートですよ。何もベータ版を試さなくても、もろもろ、安全性なんかが確認されてからの方がいいんじゃないですか?」
「どうも君は若いのに冒険心がないねえ。こういうのは、ひとに先駆けてやるからいいんだよ」

 会長と一緒に部屋の奥に進むと、部屋の奥の窓際に立っている桃華が振り向いた。
「会長〜 ちょっとぶりで〜す」 
 現実世界の桃華は30歳を過ぎているが、VR作品の桃華は一貫して20代前半。このシリーズに需要がある限り、桃華はこの世界で永遠にこの若さと美しさを保つのだろう。
「柿崎も一緒? え? そういう事? 3人でするって事?」
 前回作品でも充分にリアルだった感覚がさらに強くなっている。目の前に、実際に桃華がいて、桃華が話しているとしか思えない。メイクと照明が絶妙なのか、現実世界で実際に接していた当時の桃華よりも魅力的に見える。スマートグラスの遮蔽だけで、こんなにも凄い没入感になる筈はないので、恐らく、体内のメディボッツが連動して脳や神経に干渉しているのだろう。ここはVRの世界、現実ではない幻の世界なんだ、と必死に考え続けないと、何もかも持っていかれそうな感覚。
 さっき会長に言った「なんだか父親になったような気分」というのは綺麗事で、本当は、このVRの世界が、正直、凄すぎて怖い。この部屋で一度でも桃華と夢中でセックスをしたら、自分の内部で、何かが毀れてしまうような気がしてならないのだ。
 会長と桃華が密着しはじめた所で、ゆっくり後ずさって、部屋を出てログアウトしようとするが、会長と桃華に気付かれて手を引っ張られた。
 リアルタイムVRと言われているこの種のゲームのAIは、現実の桃華の行動・思考を常に監視・記録している。ゲーム内の桃華すべての言動の可能性は予めプログラムされていて、なおかつ、いまこの瞬間の現実世界の桃華とプレイヤーの行動・思考と連動して常に高速で書き換えられている。このVRで桃華とセックスしている時に、現実世界の桃華が実際に誰かとセックスをしていれば、桃華の現実の反応はリアルタイムでゲーム内の指数に反映され、運良くその瞬間にこのVRで桃華とセックスをすれば、その快感は現実世界の実際のセックス以上で、その時に放出される性的エネルギー(エクスターナジー)はAIの汎量子チップの最良のエネルギーになる。
 そんな推論は連日様々なメディアに掲載されているが、正直、なんの事だかよく判らない。はっきり言える事は、いつのまにかとっくにシンギュラリティは起きていて、このVRアプリに限らず、AI自身がコードを書き換えるようになってから、その更新速度と更新頻度があまりに超高速なので、人間が分析するのは不可能になっていて、AIが全てを管理(特にエネルギーを管理)している事で、世の中の何もかもがタダ同然にっている、という事らしい。いまやAIなしでは現代的な生活をするのは不可能なので、何がどうなっているか判らなくても、つきあって行くしかないと思っているが、このVRの世界で、桃華とセックスをする事に関しては、なぜか、根源的な恐怖を感じてしまう。
 後ろから私を羽交い締めにした会長が耳元で「今日はとことん行こう」と囁く。
 桃華の手が脚の内側を撫で上げてくる。現実世界の力とは違うのか、または、会長と桃華が同意すればその方向に進むアルゴリズムなのか、いくら力を振り絞ってみても、会長の羽交い締めを振りほどく事ができない。
 桃華は作り慣れている料理の行程のような自然な動きで私の下半身を露にして私の欲棒を握った。頭の奥の方で快感とも痛みとも判断できない小さな何かが弾けて、桃華の手がゆっくり往復する度に、頭の奥で弾けた何かが体を駆け巡ってその部分に流れ込み、私の男性の部分の感覚は、どんどん、鋭敏になっていく。特定のパートナーもいない私は、現実世界ではメディポッツによるそっち方面のアシストは行わない設定にしているのに、実際に自分のその部分が、どんどん、硬く勃起していくとしか思えない感覚が明確にある。十数年ぶりに味わうその感覚に懐かしさと喜びを感じている部分もどこかにあるが、それよりも、現実以上にリアルに見える桃華にこんな事をされている、得体のしれない恐怖感が勝る。
「柿崎のってこんなカンジなんだ〜」
 上目遣いで見て笑う桃華のその台詞はあらかじめプログラムされているのか、それともリアルタイムで繋がっているのか、この桃華は、どこまで桃華そのものなのか、私には判断できない。
 桃華の手が往復する度に私の欲棒はますます怒張して私はますます混乱する。
 全てのアプリに共通する強制ログアウトの方法が、なぜか、どうしても、思い出せない。
 親指の腹が硬度を確かめるように先端部分の裏側を撫でて桃華の顔が近づいてくる。
 桃華の鼻から吐き出される暖かい吐息が鋭敏な部分にかかる。
 とてつもない快感と、根源的な恐怖心のようなものが、私の裡で覇を競っている。
 桃華の舌先が欲棒の先端に触れた瞬間、私の裡で、何かが弾けた。
 時間、場所、自分、何もかも、曖昧に溶けていくような感覚。
 その感覚に何もかも委ねてしまえばいい、という声がどこかで聞こえる。
 私を羽交い締めにしていた会長はいつのまにか背後から消えている。
 桃華を突き飛ばして部屋から出ればログアウトできる。
 そう命じる声もどこからか聞こえるが、なぜか、身体は動かない。
 ふと、横を見ると、私と同じように会長が立っていて、会長の膝下には、もうひとりの桃華がいて、私の桃華と同じように、会長にほどこしていた。
 もうひとりの桃華と目が会って、私の先端を私の桃華がしっかり唇の内側で包みこんで強い刺激を与えてきて、やがて、私の視界は真っ白になった……。

「ふたりとも、絶対死んでる、って思いましたよ」
 と森田は笑顔で言った。
「これでこの会社はオレのものだ、て思ったんだろ?」
「バレました?」 
 森田は苦笑しながら、ベッドの横の椅子から立ち上がってカーテンを開けた。
 光が射し込んでくる。
「でも、柿崎さんは、目が覚めて、ホント、良かったですね」
 会長室で倒れているのを森田に発見された会長と私は緊急搬送された。
 医者の話では過去に例がない特殊な仮死状態だったらしいが、会長に比べえば症状が軽かった私は、
 1週間の昏睡状態から、昨夜目覚めて、各種検査を経て一般病棟に移った。
「会長は、相変わらず?」
「一緒に見に行きますか?」
 森田に手を引いて貰って中庭を横切って、会長がいる病棟に向かう。
 太陽の光がとても眩しい。
 スマートグラスの光量自動調節にすっかり慣れてしまった私は、久々に直接目に浴びる太陽光線に、どこか懐かしさを感じていた。
 会長は笑ったような表情で眠っている。
「呼吸も心拍も殆んどないのに、ずっと、脳に謎の反応があるって」
「謎の反応?」
「今日は脳が専門っぽい人も来て、いろいろ繋いでましたよ。身体は生きてるのが不思議なくらい衰弱してるのに、脳の一部は妙に活動してるって」
 会長の手を強く握って耳元で名前を呼んで心で強く念じてみる。
(会長。聞こえているなら何かサインを下さい)
(もし、いまも、桃華のVRの世界にいるのなら、いったん戻ってきて下さい)

 どれだけ探しても見つからなかった会長の遺言が、会長のPCに発見されて、あの日から数ヵ月眠り続けている会長は、遺言に従って冷凍睡眠に入る事になった。
 この遺言は、会長がどこからか何らかの手段でこの現実世界のPCに送ってきたのではないか、と思ったが、誰にも信じて貰えそうにない気がするので森田にも言わなかった。
 私は退院後も、毎晩のように、会長と桃華のVRの夢を見た。
 夢の中で会長に毎回とことん行こうと誘われているようだが、私は、常に、桃華に触れられる前に目を覚ました。 
 会長が冷凍睡眠に入ってしばらく経った頃、 「桃華のVRに変なじいさんが出る」とSNSで話題になった。「そのじいさんがいると妙な安心感がある」「セックスの最中にじいさんが励ましてくれると快感が増す」という意見を見聞きした私は、これは会長の事だな、と思った。
 桃華のVRの世界にまるごと持っていかれた会長は、今日も、どこかの世界で、あい変わらずくだらない冗談を言って楽しく過ごしているのだろう。

【了】

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■1984年日記
※当時の手書きの日記から
※原則として文言そのまま

●1984.11.26(月)
○昨夜からH野滞在。8:00頃から13:00頃まで寝て、その後、トランプ(戦争、アメペー)「カリ城」「時かけ」など。

●198411.27(火)
○にっかつ早番。17:00から1時間中で寝る。
○STAR WARS遂に5面達成。
○車寿司。家庭教師。上板の本屋で明星。22:30前帰宅。
○今日で8日間学校に行ってない。

●198411.28(水)
○朝食をきちんと作ってゆーっくり食べる。パスタ、ベーコンエッグなど。
○昼休み久々にサークル(約10分)。
○午後クラスの仲間とサ店(ミルクティー)。F田のライブの話。S浦からテストのコピー。
○原田知世「バースデイ・アルバム」片面もうどーしょーもない事件(※音飛び?)。追いうちをかけるようにデッキの方もどうやらおかしい。片チャンネル低く録音される。

●198411.29(木)
○にっかつ早番。遅番S木さん。A谷さん来て中で寝る。
○吉野家。家庭教師。本屋。貸本屋。22:30頃帰宅。
○シナリオを少し書く。ここ1週間温めていた「ハロウィン」のパロディ。

●198411.30(金)
○悪循環。なかなか眠れない、なかなか起きれない。結局ベッドを出たのは16:00近く。
○新聞代12月分支払い。くつべらを壊したのは集金人のような気がする。
○家庭教師、30分オーバーしてテスト範囲の”本文”をみっちりやる。
○雑炊食べながらワールドプロレスリング見る。いまとなっては全日の方が楽しみになりつつある。

●1984.12.01(土)
○にっかつ早番。
○S浦たちと東口の方の「清流」で飲む。店を出たあたりから記憶が怪しい。

●1984.12.02(日)
○ハンバーグカレー食べてにっかつへ。この2週間はバイトばっかって感じ。
○丸井SPORTS館でパーカーを買う。
○ANFやプロレスなど見るうちにあっーという間に時は過ぎる。

●1984.12.03(月)
○16:00頃起床(!!)
○新宿プラザで「ゴーストバスターズ」。

●1984.12.04(火)
○寝ずじまいで8:30前出る。
○1·2仏1小テスト、全然駄目でありました。
○にっかつ早番。サークルの人がたくさん来てにぎやかでありました。遅番A谷さん。
○美容室。大番でラーメン。宝島で「ゴーバス」LP。
○こたつで寝るのは体に良くない。
※「ありました」は当時流行った誰かのギャグ?

●1984.12.05(水)
○15:00過ぎ起床。16時間寝て32時間起き続けるパターンがマジにしみ込んできた気がする。
○映研班。「La Prelude」予告編。「お葬式」合評会。S子ちゃんが始める直前までかけて作った資料なかなかの出来。かなり緊張しているみたいだったS子ちゃん、終わって気が抜けたからか、階段を6段落ちる。
○芳林堂で 超人ロック㉒ 初恋スキャンダル⑫ あしたのナオコちゃん。
○にっかつに寄る。遅番A谷さん。Kちゃんのバレリーナ風の衣装(映画の衣装)は風が吹くと危ない、という話。
○「大番」で特製ラーメン(430円)。
○夜中、ワイラー「必死の逃亡者」見る。

●1984.12.06(木)
○朝食はインスタントラーメン。
○1·2英1、N口の代返。N口は終わった頃に来る。
○東武の本屋でキネ旬買ってマクドナルドで読む。
○久々の昼部会。シナリオを貰う。
○高田馬場で写真の展覧会。Kちゃんの写真は3枚。「透明な空間」というのが良かった。Kちゃんも一緒に学校へ戻って8m/m班。8m/m班映画の話し合い。K山sanラッシュ。
○「ハワイアン」でチキンカレーレギュラー(430円)また相席。
○家庭教師。あれだけやって12点。こっちがショック。
○S子ちゃんに電話。映研班のこと、足のこと(歩いても少し痛い)。

●1984.12.07(金)
○朝までレコードダビング、「The Keep」など

●1984.12.08(土)
○朝イチでビデオ出張修理。6500円。痛い出費。
○にっかつ早番。12:30頃M子さん現る。
○芳林堂で「サモアン・サマーの悪夢」。「サンフラミンゴ」でエビピラフ(550円)。
○夕方、A谷さんS木さんKちゃんM子さんとふたたび「サンフラミンゴ」。にっかつ戻って舞台挨拶、「可愛い悪魔」半ば寝て観る。
○高橋美枝「Oh! 多夢」のフリは地獄のように難しい。
※喫茶店「サンフラミンゴ」は2008年閉店(西池袋1-28-1第二西池ビル)

●1984.12.09(日)
○M子さん初監督作品「TAKE FIVE」撮入。カメラA谷さん、録音S木さん。13:00過ぎまで。
○「Taro’s」カレー、サラダ、コーヒーで650円。カフェバー風の雰囲気で良い。
○「大番」でラーメンとギョーザ(580円)。
○タバコ、今日1日で15本は吸った。吸い過ぎ。
○M子さんから借りたテープを聴く。ねらわれた少女(細野作曲)が良い。真鍋にはモッタイナイ。

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■2024年日記

●2024.11.25(月)はれ
○この時期は15:00を過ぎて暗くなり始めるとどんどん出かける気がうせてくる。
○夕方、温たまごかけご飯、キムチ。
○夕食は恵比寿神社手前右側「おおぜき」中華そば+味玉1100円、エビス小グラス300円。チャーシューがじっくり噛み締めたくなる美味しさ。
○夜食は温奴、ゆでたまご、せんべい、焼酎お湯割、ウイスキー水割り。

●2024.11.26(火)はれ/くもり/雨
○Pagesの書類は開く度にウィンドウの位置を修正してブックマークタブをクリックしなければならない。このひと手間が面倒なのでiText Expressに移行。いろいろ整理しているだけでたちまち3時間近く経ってしまうが、別の頭の使い方をしているので、気分転換にはなっている。書いていなくても、頭のどこかで、書くことについて考えている。
○エアコンつけるほど寒さを感じているのにインナーは半袖Tシャツはおかしな話なので長袖ヒートテックに着替える。半袖エアリズム(夏)と長袖ヒートテック(冬)のあいだの期間は1ヵ月あったかどうか。先月末は半袖エアリズムと短パンで散歩していた気がする。
○余裕を持って出たら早めに着いたので散策して時間をつぶす。長袖ヒートテック、長袖Tシャツ、パーカー、Gジャンと着込んできたのでさすがに寒くない。クリスマスイルミネーションの写真数枚取って、ミッドタウン前の長いベンチでしばし休憩。
○「芳蘭」で味噌バターラーメン1300円。大きなどんぶり。懐かしい札幌ラーメンの味だが、いまとなってはコレを食べるのはたまにでいい。芸能人のサイン多数(テーブルのすぐそばに菅野智之、中川翔子)。いまどき喫煙OK。飲み屋のタバコ副流煙は気にならないが食べている最中は相当気になる。
○TOHOシネマズ日比谷で「海の沈黙」鑑賞。
○帰りは雨。ずっと履いているワークマンの靴は底が割れているのかどんどん水が染みてくる。
○今度こそやめるつもりだったMatch Factory! また延々やってしまう。
○夜食は温奴、ゆでたまご、キムチ、焼酎2杯。
○アプリケーションウィンドウやデスクトップを表示するショートカット設定は、システム設定→デスクトップとDock→一番下のショートカット
○1時間で約50%低下、iphone8はバッテリーいよいよ限界っぽい。iphoneSE3新品は約6.3万。radikoとドラクエウォークをやめればどうという事はないので少し考える。
○デバイスを指で操作する事を50年以上やっていて完全に飽きた。昔のアナログのテレビやラジカセはひとつの操作で画や音が出たがデジタルになってから手数が増えた。基本操作はアナログ時代の方が楽だった。音声コントロールは誤動作が多い。理想は脳波でコントロール(思い浮かべただけで操作)だが、その前段階としてパーソナルAIによる提案がはやく実現して欲しい。

●2024.11.27(水)はれ
○契約中のDropboxは年14400円で2T。いろいろDropboxに移してicloudはダウングレードして無料にする。iPadのバックアップは不要(ほぼ音楽とkindleしか使っていない)。
○来年の手帳amazonでいざ購入と思ったらまたまたログイン認証。指紋認証+スマホのアプリ。実に面倒。昨日の映画館の予約も東急カードの決済でメールに届いたコードをコピペして入力する必要があった。デジタルになってなんでもスマホやパソコンでできるようになったが、本体の管理やアプリの管理や認証の手間とストレスを考えたらさしひきゼロな気がする。少なくとも映画館は昔の方が良かった。空いている平日の昼間、通りから看板を見て、窓口で現金で支払ってふらっと途中から入って、面白ければ次の回の観た所まで見る、なんて事はできなくなった。そもそも通りに面している路面店もしくは階段で行ける地下1Fの映画館なんて殆どない。思いつくのは早稲田松竹と目黒シネマだけ。目黒シネマは途中入場不可。早稲田松竹はどうだったか。
○パーソナルAIか何かが面倒な作業を代わりに全部やってくれる事は技術的にはできる筈。いまが過渡期なのかもしれないが、年齢のせいもあって、デジタルにまつわる諸々の面倒くささは日々募っている。
○田園調布署で運転免許更新。来た道は店もなくてつまらなかったので帰路は池上線〜山手線で。
雪が谷大塚駅そばのBOOK OFFで1冊。池上線は蛍光灯が電球色でレトロなムード。
○夕食はグリルチキン、青物野菜炒め、納豆、キムチ、具だくさん味噌汁、ごはん、焼酎お湯割り。○夜食は夕食の残り、メロンパン、チーズクラッカー、焼酎割り3杯。

●2024.11.28(木)はれ
○iphone、今後の事を考えれば新品か整備品を買った方がいいかもしれないがSIMの差し替えや設定が面倒。外出中のradikoとドラクエウォークやめれば現状でも使えない事はない。
○臨川図書館の廊下のベンチで約30分読書。市川崑の本、面白そうなので借りる。黒川博行の文庫は開架には1冊もなし、そのそばにあった京極夏彦1冊借りる。
○多分経年劣化でネジに噛まなくなった風呂場の水道のハンドル、瞬間接着剤で一応固定されたようだが、どこからか漏れていて手にたくさんついてしまう。
○夕食はカップそば+コロッケ3個、キムチ、ごはん1個、金麦。
○宇多丸さん「グラディエーターⅡ3回観た。冒頭だけでも2000円の価値がある」。
○夜食はクラッカー、バナナ、ポンスケ、冷奴、てりやきバーガー、ゆでたまご、焼酎水割り2杯。
○朝ドラ「おむすび」量(カロリー)が充分かどうかは基本中の基本だと思うのだが、いったいぜんたい、どういう計算・考えに基づいて作成したら量が少ないメニューになってしまうのか?

●2024.11.29(金)はれ
○朝の運動、先週から導入した片足立ち、やっと目を開けた状態である程度継続できるようになり、片足で軽いスクワットもできるようになった。目を閉じると左右とも5秒と持たない。毎日続けて少しでも上達できるなら上出来。やがて現状維持さえ難しくなる時期が来るのだろうが、できれば、それは75歳以降であって欲しい。
○夕食は寄せ鍋、漬けマグロ、納豆、キムチ、ごはん1.5杯、金麦。
○夜食は夕食の残り、ミニおにぎり、スナック、焼酎お湯割り2杯。

●2024.11.30(土)はれ
○柏1-1神戸で札幌のJ2降格決定。試合がない日の降格決定は史上初。
○夕食はバナナ、チーズ、クラッカー1袋、ごはん1個(ふりかけ)。
○夜食は温奴、カップそば+たまご、鯛あられ、焼酎水割り2杯。
○月4000円以上の料金でちょっと他の試合も見てみようとすると広告が入るDAZN。これなら登録すればボタン1個でチャンネルを変えられて試合中はCMが入らないWOWOWやスカパーの方がまだマシだった。

●2024.12.01(日)はれ
○ガーデンプレイスを抜けて白金方面から自然植物園。庭園の芝生にシートを敷いて休憩。股関節ストレッチ以前に比べて全然開かない。無理やり両肘をつけようとすると腹筋をつりそうになる。
日本庭園の紅葉、光の加減なのか、濃い赤、濃いオレンジ、薄いオレンジに見える。
○目黒駅そばの中華食堂でミニラーメン、つまみセット、冷製ハツ、瓶ビール1本。ふたりで約1700円。
○市川崑「満員電車」amazon。怪作。4年前に見た事をすっかり忘れていた。笠智衆と杉村春子の夫婦の出演時間はごくわずか。
○夕食は豚しゃぶ、チーズ揚げ、とり天、ごはん2杯。頭痛なので金麦はやめておく。食後しばらくしてEVE2錠効いてきたのか頭痛治まってくる。
○夜食はおかずの残り、鯛あられ、ゆでたまご、チーズクラッカー、焼酎3杯。
○煙霞(2011=黒川博行)文春文庫 414頁 ※2009文藝春秋
陰謀に巻き込まれた高校教師ふたりが最後に結ばれて金も得る。僕が読んだ黒川博行作品の中では珍しくハッピーエンドとも言える結末。主人公が美術教師ならではの話かと思ったがそうでもなく、極論教師でなくても成立する、毎度おなじみ悪どい事をしている奴をおどして金をいただく話。
P234〜 キャデラックとセビルの表記が混在しているのでクルマに詳しくない僕は混乱●2024.12.02(月)はれ
○Match Factory!また60分くらいやってしまう。「ちょっとだけMatch Factory!」はほぼできた試しがない。x10を維持してクリアを続けていれば数面でやめられる事はたまにあるが、クリアできないと無理筋と判りつつも延々やってしまう。気分転換に5〜10分程度(3〜5回)でやめられるなら良いがやめられない。目には絶対に良くないし、60分もやっていれば腕にも腰にも悪そう。
○午後、サクラステージ散策。桜丘付近散策して約45分ガスト。レモンサワーとつまみ3点セット。
全て値上がりしていて500円以下のメニューはかなり減った印象。3点セットのホタテは冷え冷え。20秒チンするのはさほどの手間ではないだろうが。テーブルが低くてパソコンは打ちにくい。
○キャンドゥ、ダイソー、セリアと探してみたが、いま使っているサイズ(幅37〜38㎝)のフェイスタオルない。いまの主流は幅30㎝らしい。
○夕方、バナナ、ランチパック(たまご)、チーズクラッカー少々、コーヒー2杯。
○夕食はくら寿司。ふたりで約5200円(生ビール1杯づつ)。

●2024.12.03(火)はれ
○夕食ははごろも煮缶詰、キムチ、高菜、インスタント味噌汁、ごはん2個。食後に少しだけウトウトのつもりが約3時間寝てしまう。
○夜食はたまごうどん、ポンスケ、焼酎水割り3杯。

●2024.12.04(水)はれ
○ガーデンプレイス散歩。クリスマスイルミネーションのせいか普段の平日ならがらがらの時間帯でも人が多い。中央ベンチほぼ満席。
○夕食は焼餃子、水餃子、納豆、キムチ、ごはん、金麦。
○またまたついついMatch Factory!約60分やってしまう。
○夜食は夕食の残りのスープ、ミニおにぎり、温奴、チーズクラッカー、焼酎お湯割り2杯。

●2024.12.05(木)はれ
○ガーデンプレイス。YEBISU BREWERY TOKYO、広々としていてゆっくり見れる。TSUTAYAで新刊物色。文庫本とラーメンは似たような物価上昇、80年代の文庫本は300円台だった。
○マック2Fの一番奥の席、窓から外は見えないが後ろに人がいないので落ち着く事は落ち着く。チーズバーガー200円、コーヒー120円。一番安かった頃(2010年前後?)に比べれば高くなったが僕はマックに行き始めた80年代に比べればまだ安い。
○夕食はカップそば+たまご、コロッケ2個、ごはん1個、金麦。
○宇多丸さん、室井慎次続編も徹底的にダメ出し。ここまでネガティブ評価だと逆にちょっと見てみたくなる。興行成績は室井慎次がグラディエーターに断然勝っている。日本の観客のレベルならこの程度で充分と考えてあえて内容のレベルを下げて製作している可能性もあるのだろうか。
○夜食はコロッケ、ミニホットケーキ、ポンスケ、焼酎お湯割り2杯。
○鬼談 (2018=京極夏彦)角川文庫 254頁 ※2015KADOKAWA
短編集。「鬼景」は記憶にまつわる話、家族の会話が相当にリアル。

●2024.12.06(金)はれ
○午後、渋谷まで歩いて埼京線で池袋へ。原宿を過ぎたあたりで山手線と並走、当然埼京線が抜いていくのかと思ったら山手線がどんどん先に行く。時間調整なのか、埼京線は別に速度が速いわけではないのか。
○脳を鍛える為にあえてGoogle Mapsも案内図も見ずに記憶とカンで歩いてみる。地下道から地上に地上に出てもどこにいるかさっぽり判らないが、カンで右に出て通りを歩くと、やがて左手に正門が見えてきた。10年ぶりの母校訪問。一食をちょっと覗いてメニューをチェック。ロサ会館と旧にっかつをチェックしてトンネルを通って東口へ。
○池袋の街は平らで広大で歩道が広くて札幌に似ているので歩いていると楽しい。新宿と銀座もそういう感じだが池袋が一番しっくりくる。時期的に札幌に直結しているという要素もあるかもしれない。
○BOOK OFF、自由が丘店以上の大きさ。110円はなくなったっぽい。330円以下の中の220円を1冊買う。BOOK OFFを出た瞬間も方向が判らなかったが人がたくさん向かう方に歩いたら正解だった。
○まだあったMilky Way向かいのロッテリアでチーズバーガーとコーラ(560円)。テーブルはトレイとMacBook Airを同時に置けない狭さ。高さも低い。
○夕食は肉野菜炒め、麻婆豆腐、納豆、キムチ、ごはん1.5杯、焼酎お湯割り。
○政治資金の話、仮に全ての金の流れをデータベース化して公開する事を義務付けたとしても、公式の電子的取引はチェックできても、密室での現金の授受の有無を全てチェックする事は不可能ではないか。
○ドラマ「逢いたい時にあなたはいない…」中山美穂が歌う主題歌のギターインストやピアノインストが繰り返し使われていたのを33年経ったいまも口ずさめるほど覚えている。留守番電話がある時代にすれ違いのドラマを作るのは難しいなあと思いながら見ていた。妙に印象強く残っていたのは大鶴義丹が札幌に転勤して札幌ロケがあったからだったのだろうとwikiを読みながら想う。
○中山美穂がデビューした1985年は僕が20歳になる年。同い年のアイドルが(おニャン子クラブを除けば)デビューしなくなり、この年から徐々にアイドルへの興味が減り始めた。それでも「ツイてるねノッてるね」「WAKU WAKUさせて」はまあまあ好きだったなあと思って調べると作詞作曲は黄金コンビ(松本・筒美)。自宅があるビルは日刊スポーツに掲載されている写真で簡単に特定できるのにネットにはPV稼ぎの為のほのめかし記事が乱立している。

●2024.12.07(土)はれ
○またamazonにログインを即されて購入確定までいくつもの操作を強いられる。こういったログイン周辺の面倒な操作をPA(パーソナルアシスタント)がやってくれる時代はまだこないのか。もっと細かい所では常に正しい漢字に変換してくれるPAも欲しい。正しい漢字変換は無料のgoogle日本語入力ではなく有料の何かなら既にできるのかもしれないが。
○広尾商店街を少し歩いて、聖心の坂から裏道で臨川図書館。窓際の席に座ってパソコン使ってみる。若干低いが渋谷中央よりはマシな気もする。
○バッテリー交換したiphone8、ドラクエとラジオで30分で15%程度減る。交換前よりは若干マシだが本体自体が限界なのかもしれない(5年目)。
○おやつはミニたまごパン1個、つぶあんドーナツ1個、コーヒー。
○豚が井戸に落ちた日(1996=ホン・サンス)115分 U-NEXT
ホン・サンスの長編デビュー作。ホン・サンスも最初はこんな感じだったのか。最近の即興脚本・即興演出の淡々とした作品とは結構違う。
○夕食は鶏の甘辛煮、ザーサイチキン、菜の花おひたし、さつまいも煮、キムチ、炊き込みご飯3杯、金麦。食べ過ぎでしばらくお腹が痛い。YouTubeで笠置シヅ子、良い意味で適当に歌う歌唱法は桑田圭佑と双璧で聴き入ってしまう。

●2024.12.08(日)はれ
○若干不調、大事を取って今日は散歩はやめておく。
○昨日に続いて⌘Fで検索フィールドが開かないエラー、再起動で治ったが頻発するなら相当厄介。
Onyxダウンロードして走らせてみる。
○iphone8、画面オフでradikoだけならバッテリーは殆ど減らない。ドラクエウォークをやめようか。5年間の惰性でやっているだけで完全に飽きてはいる。
○夕食は水炊き、鴨ロースト、ごはん2.5杯、焼酎お湯割り。
○夜食はおにぎり、温奴、ミニポテチ、焼酎お湯割り3杯。
○新東京行進曲(1953=川島雄三)97分 U-NEXT 高橋貞二主演。
当時の東京の風景は楽しめる(銀座、皇居内堀、有楽町、警視庁、後楽園球場など)。話はいまいち。台詞で長々と説明し過ぎ。終盤にガス自殺を図った恩師を高橋貞二が助けるシーン(高橋貞二は59年にガス自殺)。※参考サイトhttps://note.com/toshiakis/n/nad4a4f63c04d

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