2024年12月27日発行

■EVER LASTING MOMENT VOL.12
○昭和の薫り漂うWEBマガジン
○推奨年齢50歳以上
○無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)
○小説/散文/妄想/企画 或れ此れ其れ何れなんでも有り
○誤字脱字間違い辻褄合わず各自適宜補完にてよろしく哀愁
いずれ一夜の夢ならば
呑んで謡って ホイのホイのホイ
今宵とことん ホンダラッタホイホイ
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■映画/ドラマ/スポーツなど
●2024年
○虎に翼(朝ドラ)伊藤沙莉
○おむすび(朝ドラ)橋本環奈
○光る君へ(大河ドラマ)吉高由里子
○それぞれの孤独のグルメ(テレビ東京)
○極悪女王(Netflix)※全5話
○地面師たち(Netflix)※全7話
○機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム(Netflix)全6話 ※1年戦争
○ハウス・オブ・ザ・ドラゴン2(U-NEXT)※全8話
○ザ・ホワイトハウス(U-NEXT)※全7シーズン
○STAR WARS アコライト(Disney+)※全8話
○No Activity(Amazon)※全6話
○10/05土〜02/11火 モネ 睡蓮のとき(国立西洋美術館)
○11/01金 ヴェノム ザ・ラストダンス(2024=ケリー・マーセル)109分
○11/15金 グラディエーターII 英雄を呼ぶ声(2024=リドリー・スコット)148分
○11/22金 海の沈黙(2024=若松節朗)112分
○11/29金 正体(2024=藤井道人)120分
○11/29金 痴人の愛(2024=井土紀州)104分
○11/29金 雨の中の慾情(2024=片山慎三)132分
○11/30土〜12/27金 生誕100年の人々(ヴェーラ)
○12/06金 クラブゼロ(2023=ジェシカ・ハウスナー)110分
○12/13金 クレイヴン・ザ・ハンター(2024=J・C・チャンダー)127分
○12/13金 ミュージック(2023=アンゲラ・シャーネレク)108分
○12/13金 不思議の国のシドニ(2023=エリーズ・ジラール)96分
○12/13金 太陽と桃の歌(2022=カルラ・シモン)121分
○12/13金 ソウル・オブ・ア・ビースト(2021=ロレンツ・メルツ)110分
○12/13金 バグダッド・カフェ(1987=パーシー・アドロン)108分
○12/13金 ペパーミントソーダ(1977=ディアーヌ・キュリス)101分
○12/13金 エルトン・ジョン Never Too Late(2024=R・J・カトラー他)102分 ※Disney+
○12/14土 キノ・ライカ 小さな町の映画館(2023=ベリコ・ビダク)81分
○12/14土 アイヌプリ(2024=福永壮志)82分
○12/20金 ライオン・キング ムファサ(2024=バリー・ジェンキンス)118分
○12/20金 YEAR10(2022=ベン・グッガー)96分 ※全編セリフなし
○12/20金 対話する世界(2023=田口敬太)95分
○12/20金 陪審員2番(2024=クイント・イーストウッド)114分 ※U-NEXT
○12/27金 神は銃弾(2023=ニック・カサベテス)156分
○12/27金 占領都市(2023=スティーブ・マックイーン)251分
○12/27金 I Like Movies(2022=チャンドラー・レバック)99分
○12/27金 私にふさわしいホテル(2024=堤幸彦)98分
●2025年
○01/01水 ローズパレード ※京都橘3回目の出場
○01/03金 ビーキーパー(2024=デビッド・エアー)105分 ※ジェイソン・ステイサム
○01/03金 ぼくらのふしだら(2024=小林大介)74分
○01/05日 べらぼう(大河ドラマ)横浜流星
○01/10金 エマニュエル(2024=オドレイ・ディワン)105分
○01/10金 劇場版 孤独のグルメ(2025=松重豊)110分
○01/17金 サンセット・サンライズ(2024=岸善幸)139分
○02/14金 キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
○02/14金 Jリーグ開幕(現行春秋制最終シーズン)
○02/15土~03/07金 脚本家で観るロマンポルノ(ヴェーラ)
○03/18火 MLB開幕戦ドジャースvsカブスat東京ドーム
○コブラ会 最終シーズンPART3(Netflix)※24年7月PART1/24年11月PART2
○4月 あんぱん(朝ドラ)今田美桜
○04/05金 HERE 時を越えて(2024=ロバート・ゼメキス)104分
○04/13日 大阪・関西万博開幕
◯6月 サッカークラブW杯(新方式、32チーム)
○夏 遠い山なみの光(2025=石川慶)※原作カズオ・イシグロ
○09/13土〜09/21日 世界陸上(東京)
○10月 ばけばけ(朝ドラ)髙石あかり
○11/06木 ストレンジャー・シングス 未知の世界最終シーズン(Netflix)
○冬 果てしなきスカーレット(2025=細田守)
●2026年
○1月 豊臣兄弟!(大河ドラマ)仲野太賀
◯02/06金 ミラノ・コルティナ五輪
○3月 第6回WBC
○05/22金 STAR WARS新作公開?
◯06/11木 サッカーW杯アメリカ/カナダ/メキシコ大会
○8月 Jリーグ開幕(秋春制第1シーズン)
○12/18金 STAR WARS新作公開?
●2027年
○世界陸上(北京)
○バスケW杯
○ラグビーW杯オーストラリア ※20→24に増加?
○12/17金 STAR WARS新作
●2028年
○EURO2028イギリス/アイルランド
○07/14金〜07/30日 ロサンゼルス五輪
●2029年
○世界陸上(バーミンガム?)
●2030年
○サッカーW杯モロッコ/ポルトガル/スペイン大会(100周年記念大会)
●2031年
○世界陸上
●2032年
○EURO2032イタリア/トルコ
○07/23金〜08/08日 ブリスベン五輪
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■U-NEXT見放題(R18)
※光がキマって自然に感じられる画を重視してチェック(顔面テカリ否定派)
※女優を生かすも殺すも髪型/メイク/衣装/撮る角度/照明次第
※現在は配信停止になっている可能性があります
●MAYO(22)素人ホイホイ(2023年12月)94分
○角度によっては甘い雰囲気の女優顔、バスト乳輪大きめ、剛毛、やや太め
○自宅連れ込み設定(白い螺旋階段)
○寝バックで自ら腰を上げる(81分頃)※寝バック部分はかなりの長尺
○下半身に力が入らない(慎重に一段づつ階段を降りる)
●AV撮影体験1572 超美脚小ぶり美尻(2021年6月)66分
○大学生風、横顔美人、スレンダー、微乳、ヘア有り
○後ろのレースカーテン越し逆光がまあまあいい感じ
○真横からの全身ショットが見たかった立ちバック(54分頃〜)
○逆光の横顔がきれいな正常位横から(60分頃〜)
●マジ軟派、初撮り。1519 恵比寿駅で(2020年8月)78分
○遊んでる会社員風、絶妙なレベルのルックス、アタマ悪そうな喋り方(演技だとしたらうまい)、
ややポチャ、かなり大きなバスト
○恵比寿駅前で大きな日本地図を広げてナンパする謎設定(最初の会話の音声なし)
○ホテルの部屋でトーク、ヒキだとそうでもないが寄ると結構顔面テカる
○立ちバック低い位置からアオリ、光の感じ悪くない(62分頃)
○完全立ちバック正面から(画が新鮮、揺れバス好きにおすすめ、64分頃)
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■島耕作
島耕作プロフィール
生年月日 1947(昭和22)09.09(乙女座/B型)
出身地 山口県岩国市
出身校 私立鷹水学園高校
出身校 早稲田大学法学部(1970年卒業)
資格 普通自動車免許
資格 実用英語技能検定1級
身長 177㎝
父親はサラリーマン
母親は呉服商
ひとりっ子
大学時代ESS
好きな食べ物 サラミ
好きな食べ物 トリュフ
好きな食べ物 オリーブオイル
嫌いな食べ物 酸っぱいもの
ワインに詳しい
バリ島が好き
77年結婚、89年離婚(怜子)
12年再婚(島耕作65歳、大町久美子45歳)
長女 奈美(79年誕生)
孫 耕太郎(03年誕生)
*出典「島耕作クロニクル 連載30周年記念エディション」
島耕作職歴
1970年4月 初芝電器産業株式会社入社
1970年11月 本社営業本部 販売助成部屋外広告課
1971年11月 本社営業本部 販売助成部制作課
1976年1月 本社営業本部 販売助成部制作課主任
1980年3月 本社営業本部 販売助成部制作課係長
1983年5月 本社営業本部 販売助成部宣伝課課長 *課長島耕作①
1985年1月 ハツシバアメリカ NY支社宣伝部 *課長島耕作①②
1986年1月 本社営業本部 販売助成部宣伝課課長 *課長島耕作③④
1987年5月 電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)*課長島耕作④
1988年5月 本社営業本部 販売助成部ショウルーム課課長
1990年5月 フィリピンハツシバ マーケティングアドバイザー
1990年11月 本社営業本部販売助成部総合宣伝課課長
1992年2月 本社総合宣伝部部長
1999年1月 初芝電産貿易株式会社代表取締役専務(出向)
1999年9月 サンライトレコード株式会社代表取締役専務(出向)
2001年4月 本社市場調査室
2001年5月 福岡初芝販売センター代表取締役専務(出向)
2001年10月 福岡初芝販売センター代表取締役社長(出向)
2002年2月 本社取締役九州地区担当役員
2002年6月 本社取締役上海地区担当役員上海初芝電産董事長
2005年2月 本社常務取締役中国担当役員
2006年11月 本社専務取締役
2008年5月 初芝五洋ホールディングス株式会社代表取締役社長
2013年7月 TECOT代表取締役会長
2019年8月 TECOT相談役
2022年1月 TECOT相談役退任
2022年3月 株式会社島耕作事務所設立 UEMATSU塗装工業社外取締役
※2010年1月社名変更(初芝五洋ホールディングス→TECOT)
*出典Wikipedia
●課長037 THE SIDEWAINDER
◯立体テレビのキャンペーンに五十嵐の案がアイディアのみ採用
・東京ディズニーランド「キャプテンE.O.」に電報堂・奥本と一緒に行った(妻と娘)
・立体テレビのキャンペーンのプレゼン、奥本の案に難癖をつける
・五十嵐の案「ネーミング公募」はアイディアのみ採用、
残念会で泥酔した五十嵐を自宅に送る、息子は一流を目指して受験勉強
・アイディア料は80万円
※京都にいる島がこういう会議にわざわざ呼ばれる事はあり得る話なのだろうか?
※立体テレビは2010年頃に発売されて2010年代後半に各社撤退
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング87年40号掲載
*課長 島耕作 第5巻(1988)
●課長038 DANCING IN THE DARK
◯社員旅行の不正に憤る
・かつ子とつきあって半年、他の男の話は一度もした事がない
・かつ子と松茸の土瓶蒸し、社員旅行の幹事を拝命(実務は幹事補の牧野)
・謎のホームレスとすれ違う、かつ子「人の幸せは他人にはわからない」
・松茸のおみやげは前の晩に韓国産を埋めておく(牧野が明かす)
・社員旅行のゴルフ、3位の賞品は英国製カシミアジャケット(島が獲得)
2位はハワイ旅行、1位はホンダシビック25X
・社員旅行の収支決算表に参加していない出入り業者12社の名前が記載(一口10万円)
牧野に対して声をあらげて一緒に部長の元へ
部長「京都式でここはひとつ大目にみよう」
・三輪の会社は三口30万、
三輪「あなたが業者の立場ならどうします? 少しは大人になって下さい」
※謎のホームレスは計3回登場
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング87年45号掲載
*課長 島耕作 第5巻(1988)
●課長039 愚かなりわが心
◯配属された新人が辞めた理由を人事に訊く(コネ)
・新入社員が研修を経て配属(池上徹、早稲田大学法学部卒業)
・初芝の新入社員教育は3段階
①茅ヶ崎の研修所で座学(会社の概要、歴史)4月
②系列販売店で販売実習 5〜7月
③各事業部の工場で生産実習(ハンダ付けなど) 8〜10月
7ヵ月間独身寮で生活、毎週リポート提出
・池上とふたりで「すず鴨」、池上からワリカンを提案される
・酔いつぶれた池上をアパートまで送る
池上の部屋は美術と広告の本多数、池上が描いた絵はいい感覚をしている
・人事本部・小笠原(同期入社)に辞めた池上に関して訊く
池上が希望する宣伝事業部の3人のワクは去年の夏に埋まっていた(コネ)
・トイレの壁に池上が描いた女性のヌードの絵
・池上はイラストレーターとして各賞を受賞してマスコミに大々的に報じられる
※当時の若者は〈新人類〉と呼ばれていた(池上の自己紹介)
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング87年50号掲載
*課長 島耕作 第5巻(1988)
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■ナミビアの砂漠(2024=山中瑶子)137分(2024年9月6日公開)
★都内の上映は終わっていると勘違いしていたがまだやっていた。2024年を代表する1本として年内に観ておきたかったので年の瀬に駆け込んだ。宇多丸さんの映画評は聴いた筈だが河合優実の演技をほめていた事を朧げに記憶しているだけで具体的な文言は何も思い出せない。ほぼ予備知識なしで鑑賞。
★ラストの展開。隣の部屋の女性に声をかけられた直後、一緒に住んでいる部屋での何度目かのケンカのシーンで、突如右上にガンダムみたいなウィンドウが出現、そのウィンドウが拡大してその世界(河合優実の心の中の世界?)に入る。時々聞こえていた変な音はその世界のランニングマシンの音だったようだ。このシーンから歌を歌いながら焚き火を飛び越えるまでがワンシークエンスで、河合優実がカブトムシのように彼氏にしがみついているシーンで現実に戻っているようだが、その部屋は家具の配置が左右逆になっている。パラレルワールド? これも心の中の世界? ひょっとして最初から最後まで別世界? 冒頭で自殺したのは実は河合優実だった?
★1回観ただけではよく判らないが、何度観返しても「フィルムを見れば判ります」(by富野由悠季)にはならないような気がする。
★ラストの展開があまりにもぶっとんでいるので、それまでの展開がまだしも普通に思えてしまうが、ラストのあの展開がなくても、相当ぶっとんだヘンな映画(←褒め言葉、念の為)。いままで観た事があるどの映画にも似ていない。近年稀に見る相当ヘンな映画。最初から最後までこの先どう展開してどこに着地するのか全く予想できない。
★河合優実は最初から最後までどのシーンでもその状況にフィットしていないように見える。
★ラストの展開までは現実世界の現実の話だとしたら、ふたりの男はどちらもマゾ体質なのか? どういう風に出会ってつきあうようになったのか多いに気になる。最初の男(ロン毛の不動産屋)は次の男の存在を知っていると思える描写があったような。
★最初のカフェのシーン、「ノーパンじゃぶしゃぶ」の発音が当時のそれと違うのは狙い? 実は最初から観客が知っている世界とは微妙に違う世界の話だった?
★河合優実の乳首がちらっと見えるシーン有り。
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■美咲の告白
※無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)
十六歳の頃、自分のカラダやココロに対する興味が、私の中でキラキラと輝いていた。映画を見て泣いて、アニメに心を動かされて、むかしのちょっとエロい小説でカラダが疼いてた。
何でもかんでもカラダとココロで味わいつくしたい、ってすごく思ってた。
当然、セックスにもすごく興味があったけど、友達の前では、なぜか「セックスに興味はない」ってフリをしてた。
いま思うと、どうしてだったのか、よく想い出せないんだけど、多分、その頃の私は「自分を素直に表現する」って事が怖かったんだと思う。
友達には済ませちゃってる子もたくさんいて、その子にくっついていけば、たぶんチャンスはいくらでもあったんだけど、いざ、そういう場面に直面すると、毎回逃げてた。
結局、その頃の私は、いろいろアタマで想像するのは好きでも、実際の行動となるとしりごみする臆病な性格だったんだと思う。
そんな私が、いよいよ明日は上京という日に、どうして急にその気になったのか、これまた、あんまり細かくは覚えてないんだけど、大学でできた新しい友達に「美咲ってデビュー済み?」って訊かれたら「まあね」ってまるで人並みに高校二年の夏休みにすませました的な雰囲気で余裕で答えたい、って強烈に思ったのは覚えてる(そう答えている自分の姿がはっきりとアタマに浮かんでた)。
だからその日、呼び出したのよ、幼稚園の頃からの腐れ縁のケンちゃんを。
ケンちゃんは、私の事を少なくともキライではない筈で「きっかけさえ作れば絶対向こうから来るに決まってる」って私は決めてかかってたんだけど、これが意外とそうでもなかったんだよねえ。
*
氷を入れたグラスにコーラを注ぎながら時計を見ると、二時になる所だった。家族との外食の待ち合わせは夕方六時だから、五時には家を出なくていけないけど、少なくとも三時間はある。大丈夫。時間は充分にある。
コーラを両手に持って二階の私の部屋に行くと、ケンちゃんは自然なのか意図的なのかベッドに座っていた。私の部屋には勉強机の椅子の他には椅子はないので、まあ、座るとすればそこしかない。
野球部でボウズだった髪の毛がこの半年で結構伸びて、見慣れないヘンな感じ。
あどけない、どこか憎めない、笑うと殆ど一本の線になってしまう目は、子供の頃と全然変わらないけど、体はすっかり大人になっている。
私はケンちゃんのジーパンがはちきれそうな太ももをチラチラ見ながらタイミングを伺っていた。
(私がケンちゃん横に座りさえすれば後は自然な流れで……)
頭では判ってたのに、なぜか私は、つい、学習机の方に座ってしまっていた。
小学校の頃から使っている文房具が視界に入ると堅い決意が一瞬揺らぐ。
(とにかく、さりげなく、横に行かなきゃ……)
頭では判ってるけど、椅子とおしりが瞬間接着したみたいに、全然動けない。
……ケンちゃんはそんな私の苦労を知ってか知らずか全然ノンキな話をしてる。
「……きっちんと一緒にプール行った時、お前、溺れかけて、知らないおじさんのカイパンつかんでたよなあ。ははははは」
「えー、そんな事あったっけ? あんま覚えてないなあ」
(なにが〈ははははは〉だよ。その話はもう聞き飽きたよ。てゆーか、みさきちゃん→みさきっちん→きっちんってのは小学校の頃の呼び方でしょ、いまさらそんな呼び方しないでよ)
「んで、そのおじさんのカイパンほとんど脱げかけてさあ」
「だから絶対盛ってるでしょ、その話」
なんて、ぶりっこ笑いをしながら、私はさりげなく、横に座ってケンちゃんの肩を叩く。
「幼稚園の女の子が引っ張ったくらいで脱げないでしょ?」
「それが脱げてたんだよ。お前、覚えてないの?」
「覚えてないよ、そんなの」
(本当は覚えてたけど、すぐ目の前におじさんのアレがあってドキドキした、なんて話は、一生、誰にもしない)
……。
ベッドに並んで座ってるから、後は押し倒すだけじゃない?
ところがこないのよ、ケンちゃんが。
いまなら私の方から速攻で押し倒すんだけど、あの時はまだそれはできなかったのよね。
どうしよう。
もっと私が隙を見せないといけないのかな……。
どうしよう。
次の瞬間、急に視界がグラグラと揺れた。
(思いつめすぎて目眩!?)
目眩じゃなかった。
地震だ!
気がついたら、私はベッドにケンちゃんを押し倒してしがみついていた。
揺れながら、しがみついているうちに、私の中の何かに火がついた。
(どうせ明日には東京に行くから、噂になっても、何を言われてもいい)
そんな開き直りは多いにあったと思う。
私は自分からケンちゃんにキスをした。
耳大年増知識総動員でケンちゃんを自分から攻めた。
(初めてだと思われるのはなんかイヤ)
セーターとその下のシャツをまくりあげてケンちゃんの乳首をなめた。
(これってホントは全部逆でしょ、なんで私が攻めてるのよっ?)
とがらせた舌先でゆっくりとケンちゃんの乳首を刺激すると、ケンちゃんの小さな小さな乳首が隆起して、ケンちゃんの息づかいが激しくなってくる。
頭の中の混乱を表情に一切出さず、ベルトを外して、ジッパーを降ろし、デニムを膝まで降ろす。
さっきからケンちゃんが口に出している言葉は、遠い森の小鳥のさえずり程度にしか私の耳には届かないので完全スルー。
(黒のボクサートランクス。無難な選択ね)
興奮して暴走している私と妙に冷静な私。
どちらも普段の私とは違う私みたいだった。
普段の私と違う私の右手はトランクスの上からそっと触れる。
さんざんビデオで予習した通りに、ケンちゃんの欲棒を軽く握るように包み込み、カリの部分を確認するように親指の腹で強めに触れてみる。
乳首をなめながら握る指に少し力を強めて動かすと、その度にケンちゃんの欲棒が膨れ上がっていく。
それが硬度を増す度に私はますます違う私になっていく。
(いましている事は本当に私がしている事なの? これが本当の私なの? )
ケンちゃんのトランクスを膝まで降ろすと屹立している欲棒が目の前にある。
こんなに目の前で見たのは幼稚園のプール以来。あの時はこんな風に勃ってなかったけど。
(やっと会えた)
ってその時に思った心境は、後から振り返っても、ようわからん。
でも、結局その日は本当のデビューにはならなかったのよ。
だってほんのちょっとのフェラですぐイっちゃうんだもん。
ケンちゃんの興奮が醒めると私も憑き物が落ちて、急にちょっと恥ずかしくなっちゃったりして。
だから結局ケンちゃんが私の事をどう思ってるかはいまもって謎のまま。
考えてみれば、私のフェラ好きは、最初の経験からそうだったのかも。
んで、上京をきっかけに、方針を変えて来るもの拒まずにして、華麗なるセックスライフが華々しく花開いたってわけ(いまが花ざかり)。
初体験がいきなり3Pとか、映画館でのクイックプレイとか、いろいろあるけど、それは、また、おいおい話すね。
【続?】
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■エロチックなあれこれ
※無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)
彼氏に内緒でこっそり撮影していた初体験のビデオを見てみる。
ビデオの中の私は、私が記憶している私とは別人に見えた。
私が覚えていない事を話して、私が覚えていない声を出している。
見ているうちに、奇妙な姿勢で奇妙な声を出しているのは、
私ではなく、人でさえなく、未知の動物のように見えてきて、
なんだか気持ちが悪くなってビデオを消去した。
初体験に関して文章に書いてみる。
実際の出来事の一部をなかった事にして、
別のある部分を美化して誇張して粉飾して、
この文章は、だから、実際に起こった事とは微妙に違う部分もあるんだけど、
でも、それでも、私には何かしらリアルに感じられる。
ビデオを流しながら文章を読み返すと、
映像よりも文章の方が私にはリアルに感じられた。
そもそも、実際に起こった本当の事と違っていて何が悪いの?
誰も実際に起こった本当の事の全てを覚えてなんかいない。
それができるのは神様だけだ。
実際に体験していた最中は無我夢中で、
自分が興奮していたかどうかも定かではないけれど、
文章を読み返すと、とても興奮して、
快感さえあったような気がしてきた。
別の男と別のセックスをする度に文章を書く。
実際にセックスをしている時は無我夢中になってしまって、
その瞬間に自分の身体に生じている感覚を、
具体的な言葉に置き換える余裕がない。
ひとりになって、まだ身体のどこかに残る余韻に浸りながら、
直近のセックスの行為の断片を近くて遠い言葉や擬音に置き換える。
文章を書いている時、
文章を読んでいる時、
冷静にじっくりと、ひとつひとつの言葉を味わう。
言葉が意味する感覚を好きなだけ時間をかけてじっくりと吟味して頭の中で再現する。
言葉でセックスを再構築しているこの瞬間は、
実際にセックスをしている時よりも、
ちゃんと冷静に理性的に脳で感じる。
この瞬間を覚えておいて後で言葉に置き換えよう。
無意識にそんな事を考えているから、
私は実際のセックスで達する事ができないのだろうか?
* * *
美咲の目の前に賢治の屹立した欲棒がある。
その形態は初めて見るのに何故か懐かしい気がする。
指で触れてその興奮を確かめる。
頬で触れてその熱量を確かめる。
唇で触れてその哀切を確かめる。
初めて行う行為を一連の儀式のように実践する度に、
美咲の裡に、人生で初めて経験する複雑な感情が、一瞬芽生えては消散する。
遂に賢治とこんな事をしているという嬉しさ。
遂に賢治とこんな事をしてしまったという哀しさ。
嬉しさと哀しさが同等の重みを持って美咲の心を揺さぶり、
幼稚園の頃に一緒にお風呂に入った時の記憶が鮮明に甦り、
その記憶は、目の前の光景と複雑な化学反応をおこして、その意義を変質させていった。
「私の股間には付いていない面白いモノがついている」
「コレがある方がオシッコしやすそう」
当時のそんな単純で幸福な記憶そのものは、
美咲の右手が賢治のそれに上下運動で的確な刺激を与える度に、
純粋化され、結晶化されて行く。
いまこの瞬間に目の前にある賢治の欲棒は、
幼稚園の時のそれと同じものには思えない。
性の意味を知った時に緩やかに意味合いを変えていた幼稚園の時の無邪気な記憶は、
今後はこの圧倒的な記憶に侵食されるのだろう。
いまこの瞬間を境にいままでの記憶は意味が変わる。
賢治の欲棒の頂点部分に舌先で刺激を与えて、
賢治が声にならないような声をあげる度に、
時代を超えて存在し続けている大きな意志のようなものが、
どこかから電気信号のように伝わってきて美咲の内部を揺さぶる。
賢治が精を放つ。
ベッドの奥のカーテンと窓を開けると、いつの間にか三月末の空は暮れかけている。
窓から外を見ながら「地震、凄かったね」と何事もなかったかのように呟く。
背後にいる賢治の気配を遠くに押しやって遠くの空を見つめ続けた。
* * *
フェラってホントにすさまじい。
長い時間フェラをしてると、私はいつも感覚がおかしくなっちゃう。
伝わってくる相手の快感が自分の快感になるんだ。
相手の快感が私の唇や舌から、私の脳にダイレクトに伝わってくる。
口と脳の距離が近いから?
クンニされてる時の快感とは違う快感。
ヴァッギーナちゃんから脳までは距離が遠すぎるから?
快感というよりも「快感を感じる器官」を刺激されているような感覚。
私のフェラで彼が感じている快感が私の脳にスパークして、
互いの快感の境目が融けてどんどん曖昧になってく感じ。
フェラで彼が感じてない時はダメなんだけど、
彼が感じてチンポくんが硬くなってさきっぽの方が張りつめてくるでしょ。
舌先でツンツンってすると彼が「うっ」とか声出したりして。
彼の快感が粘膜を通して伝わって来る感じがする。
キスでもちょっとはあるんだけどそれより全然凄い。
彼のがすっごく張りつめて最高に感じている時のフェラの感覚は他の何にも置き換えられない。
う〜ん、でも、やっぱり、言葉にするとなんかうまく言えない。
実際に入れられている時もそれはそれで気持ちいいんだけど、
なんかそれはあくまで「私の快感」と「彼の快感」が個別に主張する感じで、
融けてひとつになるって感じじゃないんだ。
……私がトクベツなのかな?
まあ、そんな感じで、私にとってフェラってのはホントにすさまじいので、
フェラを求めていい男を探す今日この頃なわけ。
こんな私だけど、ほんの一年半くらい前までは全然ピュアだったのよ。
もちろん「デビュー前」だから当たり前と言えば当たり前なんだけど。
その頃に比べると今は落ち着いてきたみたい。
いろいろケイケンしたから落ち着いたのかなあ。
それともトシのせい?
この七月に誕生日が来てハタチになって、なんか急速に落ち着いた感があるんだよねえ。
タバコとか、お酒とか、セックスとかって、「やっちゃいけない」って言われてる頃に、こっそりやってたら、いまより全然ドキドキ度が違ったと思うのよ。
「あ〜ん、私ったらこんないけないコトしてる。でもキモチいい〜」みたいな?
いまでもこんなにすさまじいんだから、16歳のキラキラピカピカの頃にしてたら、もっと凄かったんだろうなあ。
最近、16歳の頃のすっごいリアルな夢をよく見るから、そのうち夢の中でヤッてやるんだ、絶対。
* * *
初めて会った男性と頻繁に一回だけのセックスをするようになったのは二十五歳の頃。
おあずけをするのは「明日」があると思えるから。
私は毎日「今日で人生が終わるかも」って思って生きている。
誰だって数秒後に心臓がいきなり止まる可能性はゼロでなはい(私のいとこは二十代後半で突然死した)。
今日死なないとしてもいつかは死ぬ。
今日生まれた人も、いま九十歳の人も、いつかは必ず死ぬ。
些細な事で気分がダウン気味の時に長時間ひとりでいると、死に対するなんとも言えない恐怖がみぞおちのあたりから湧いてくる。
無理に眠ると、浅い眠りで、自殺した芸能人や、既に死んでいる親戚や知人が笑顔で登場する夢を見て真夜中に目が覚めて、みぞおちの違和感で呼吸が苦しくなる。
その感覚を放っておくと、この恐怖から逃れる為には死ぬしかない、という考えに飛躍しかねない気がしてくる。
毎日のように友達とつるんでいた学生時代はそんな気分になる事は稀で、たまにそうなりかけても、酒を飲んで好きなマンガを読んでいれば、たいてい大丈夫だったのだが、二十五歳になって(二十五は四捨五入すれば三十だ。私も本当の本当にいつかは三十歳になるんだ)と、明確に意識したら、酒とマンガはあまり効かなくなり、セックスに頼るようになった。
その場限りの、一回だけのセックスに没頭していると、ときどき〈例の瞬間〉が訪れる。
快楽があるポイントを超えて、意識が半ば飛んで、何が何だか判らなくなっている瞬間。
過去も未来もいまも私も溶けて、宇宙と融合して、死の恐怖も生の確かさも等価に散る。
その瞬間は一秒のようにも、一時間のようにも感じられる。
私はその瞬間を求めて、今夜も今宵限りの相手をマッチングアプリで探す。
いろんな人とセックスするうちに、ワンナイトなら許容範囲はどんどんひろがってきた。
ワンナイトでも、終わった時に、少しだけ、せつなくなる。
また会いたい、という気持ちとは違う。
もうこれっきり会わないんだろうな、と思うから、その瞬間だけ、せつなくなる。
このほんのひとときだけ、やさしく肩を抱いてあげたくなる。
こんな生活は、いまの若さとこのルックスと身体だから、成立するのかも、とは思う。
未来永劫こんな生活は続けられない。
どうやったら抜け出す事ができるのか?
死ぬほど本気で好きになれる人に出会うしかないのだろうか?
* * *
「で、ソレで何人くらいの人とヤっちゃったの?」
三杯目のハイボールを片手に弓枝は美咲のスマホを指差して言った。
その場に男性がいない時の弓枝は下ネタの言葉選びが明快だ。
むかしのカフェバー風の古いバーの片隅のテーブル。
無駄に広い店内はガラガラで、他の客はかなり離れたカウンターにひとりだけ。
「いちいち数えてないけど、この四〜五年でこれくらいかな?」
美咲はVサインで左手を挙げた。
「二十?……二百!?」
美咲はかすかにうなずいた。
「さすがに、ちょっと、多くない?」
弓枝は大袈裟に驚いた表情で言った。
「でも、週に一人くらいだよ」
「はー、すごいね、これ」
弓枝は出会い系アプリ・TONDERが表示されている美咲のスマホを手に取り、
「そんなに、毎回、ほいほい、マッチングするモンなの? いい男と?」
「私は、顔は、殆どどうでもいいのよ。あまりに生理的にムリそうなの以外はだいたいオッケー。どうせ会ってみないとわかんないしねー」
「実際会って断る事もあったりするの?」
「全然あるよ」
「気まずくなんない?」
「なるわけないじゃん。二度と会わないんだから」
「あ、そっか」
「最近は、声とか雰囲気とかで、最初の数分で判っちゃうんだよね。コイツとは、あわないなって」
「そーゆー時はどうするわけ?」
「最初の頃は、なんか悪いかな、って思って、ギリセしてたんだけど……」
「ギリセ?」
「義理でセックス」
「義理もないのに?」
「そうなんだけど、なんか、断れなくて……でも、やっぱ、会って話してみて、なんかダメそうなのはやっぱり、とことん、全然ダメ」
「気持ちよくならない?」
「それ以前。マジで肌があわないって感じ」
「相性ってあるっていうもんねー」
「だから、最近は、はっきり、『あ、ごめん。本命とマッチングしたんで今日は失礼しまーす。また今度ね』って、さっさと店から出て、秒でブロックよ」
弓枝はTONDERの男性の顔写真を美咲に見せて、
「じゃあ、例えば、コレは?」と訊いた。
「アリ」
「マジで? 結構ハゲてんじゃん……じゃあコレは? これはさすがにパスでしょ?」
「全然アリ」
「ウソ。相当ジジイだよ」
「あえてそういう写真選んでる人は、意外と逆に正直者だったりするのよ」
「ホントー?」
「奇跡の一枚載っけてる奴はほぼ100%ナルちゃんだから」
「えー、でも、やっぱ、顔がいい方がよくなくない?」
「つきあうなら、多少はね。ヤるだけなら正直で誠実な方が断然いい」
「いろんな事を、誠実に、してくれる?」
「ハゲちらかしてるジジイはしてくれるよ〜 ナルちゃんはほぼダメ」
「ナルちゃんはナメないちゃん?」
「ナルちゃんはナメないちゃん。そのくせフェラは普通に要求してきて、結構な確率で勃たないんだよ、これがまた」
「勃たないのはダメだね〜 勃たないくせに出会い系とかするなって?」
「全くだよ。勃たせるものを勃たせてから来いよって感じだよ……なんか私の話ばっかだけど、弓枝もなんだかんだ、あるんでしょ?」
「私は苦手なんだよね〜 こうゆうの」
「会社関係はいろいろ面倒そうだから避けてる、って、言ってたよね。大学の時の……裕二だっけ? は、さすがにとっくに別れたんだっけ?」
「んー、完全に、ではないんだけど、まあ、殆ど、別れてるようなもんかな」
「なんか、微妙な言い方」
「一昨年かな、一応、別れて、いまは裕二は新しい彼女いるんだけど」
「だけど?」
「だけど、たまに会う、みたいな」
「会うったって、会ってお茶飲むだけじゃないでしょ。二十代後半のオトナのふたりが?」
「まあね」
「満足させてくれる?」
「う〜ん、なんていうか、あの頃より丁寧な感じ?」
「ていねい?」
「学生の頃は暇さえあればって感じだったから、どんどん、雑になってたのが、いまは、1回1回を大事にしてるみたいな」
「毎週会ってる?」
「まさか。3ヵ月に1回くらい」
「そんなに空いてんの?」
「だから、毎回、これが最後かもしれないなあって(感じでお互い丁寧にやってる)」
「いまはたまの裕二だけ……って、事はないよね。こーゆーのはやらなくても?」
「ほら、私って、子供の頃から習い事好きじゃない?」
「そうだったっけ?」
「社会人になっても、なんだかんだやってるんだ」
「いまも何かやってんの?」
「いまは何回目かの料理、ちょっと前はワインとか」
「花嫁修業的な?」
「とは限らない。去年はボルダリングなんかやってたし」
「そういうアクティブなのもやるんだ。そう言えば、弓枝、ずっと体育会系だったもんね」
「で、何やっても、たいてい三ヵ月くらいでやめちゃう」
「三ヵ月もやれば、だいたい極められる……って話、ではなくって」
「三ヵ月もあれば、たいていひとりは見つけちゃうって話」
「なるほどねー。いまは料理だっけ? いいの、いた?」
「うーん、一応何度か会ってみたのはいるんだけど、さっきの話じゃないけど、どっちかって言うとナルちゃん系なんだよねー。料理ができる男はモテるっていうステイタスだけを求めてるっぽい」
「って事はクンニ下手?」
美咲はいつのまにか酒が進んで言葉を選ばなくなってきていて、
「いや、さっきの話の通りだよ。そもそもあんまりクンニしてくんない」
と弓枝も平然と返す。
「ダメだね。そんな男は」
「だから、その前のワイン男、こっちは中年ちょいワル系で、ルックスはいまいちなんだけど、丁寧な仕事をしてくれるから、一応キープしてるんだ」
「ほら、やっぱりルックス弱めの方がいいでしょー」
「たしかに、ヤリモクだけだったら、そうなのかもねー。実は、今日も、この後、会う予定なんだけど」
「どっち? 舐めないナルちゃん? ちょい悪ワイン?」
「ちょい悪ワイン。ねー、この後、決まってないなら、一緒に会わない?」
「会うって事は会うだけじゃないよね? むこうはオッケーなの?」
「全然オッケーでしょー。だって美咲と私だよ?」
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■1984年日記(19歳、大学1年)
※当時の手書きの日記から
※原則として当時の文言
●1984.12.10(月)
○12:00起床。ピーナツバターパン、プリン。5·6体育のグラウンドに急ぐ。
○夕食はとんかつ弁当、みそ汁、おにぎり3個。
○19:30頃から仮眠。23:30過ぎS浦からの電話で起きる。フランス語のことなど約40分。
○夜中「マルタの鷹」を少し。
●1984.12.11(火)
○1·2仏1また小テスト。前回分返却15点(50点満点)。思わずよろけるヒドさ。
○にっかつ早番。S浦、 U野来て一緒に車寿し、忘年会や映画の話。
早めにあがってS浦と有楽町で「グレムリン」観る。
○家庭教師。予習をちゃんとしてくれないのは困る。
○夕食は雑炊。
○22:00頃S子ちゃんから電話。映研班のこと、明日の昼部会のこと。
○ビデオをかえさずゴミも出さすに寝てしまう。
●1984.12.12(水)
○寝坊。16:00頃の列車(※ママ)で歯医者。
○第4回映研班。処女作特集。
久々にアフター参加(ブルドッグ)。最後まで残ったらタダになった。
○「福しん」でチャーハン、ギョーザ。23:30過ぎ帰宅。
●1984.12.13(木)
○起きられない。13:00前N口からの”いたずら電話”で目が覚めて明日の麻雀の話。
○14:30前M浦に電話して基礎演のハンイきく。
○8m/m班。8m/m班映画は結局2月INという事になりそう。
僕が座っていた机にS子ちゃんがついた手がけっこう際どい位置で思わず走る快感! だった。
○Mさんから借りたビデオ見る(知世スペシャル)。
●1984.12.14(金)
○地下道でU野に遭遇。3·4基礎演、結局、当たらず。ゼミの話などで20分以上オーバー。
○6号館研究室でK山さんの撮影。
○K山さんのアパートでK池さんの映画の手伝い。A畑さんは全身びしょ濡れ、
○東長崎駅前「ザ・ハンバーグ」でプリンスセット(450円)。
○ひとり学校に戻って16:30から学祭準備委員会、5324教室。
17:00までKちゃんが一緒にいてくれた(緊張した)。
○23:00過ぎS子ちゃんから電話。たてかんの話。
○K川にハガキかく。
●1984.12.15(土)
○起・き・ら・れ・な・い。昨日立てた予定が空しい……。
○立て看用の模造紙を買う(130×2)。
○18:30頃新宿。ロッテリアでバーガー、コーラ、アップルパイ買ってコマ東宝。
「コジラ」大失望。俺がやってももう少しうまく作れるのではないか?
役者だめ、演出悲惨、音楽陳腐、脚本バカ、特撮やっぱこんなもんか。
○吉野家で牛丼並、お新香。お新香はあまりうまくなかった。
○SOUND BOXでソフトクリーム「DEBUT THE BEST」北原佐和子「WITH YOU」借りる。
○にっかつに寄ってA谷さんから気パラのビデオ借りる。
○上板の駅前の本屋、ナウシカもめぞん一刻もない。
○立て看、朝までやって下書きの線だけなんとか。S子ちゃんに電話してマジック等頼む。
※気パラ=気分はパラダイス、多分小林信彦出演回
●1984.12.16(日)くもり
○パンひときれ食べて出る。9:00頃学校着。既に約1名死んでいる(※?)。
とにかく寒い。昼近くになっても気温全くあがらない。
記録をやっていたS子ちゃん「感覚がない」時計が勝手に落っこちた。
14:00頃スチールを撮って撮影終了。結局かなり残ったようだ。あとは個別に撮る由。
※M子さんの撮影?
○16:30頃まで「ピエロ」ピラフセット650円。終わりの方で上映会の話。
○芳林堂でナウシカ③めぞん一刻⑧、文房具屋でポスターカラー、単4電池。
○18:00頃帰宅。レコードを返してショーガ&ノリ弁当。
○たてかん少しやって、コタツで仮眠して、0:00頃からANF見ながら本格的にやる。
またまた徹夜になってしまう。結局完成せず。
●1984.12.17(月)はれ/くもり
○昼教室でたてかんの続き。S子ちゃんKちゃんA谷さんM子さんが手伝ってくれる。
○5·6体育はタッカーでお話。学外体育一応スキーを出してみよう。
○S浦と一食。カレーパン。フランス語の勉強。
○新宿に出てまたまた地下街で迷って5分遅れで到着すると「ただいまお立ち見です」。
○SOUND BOXで飯島真理「VARIEE」レンタル。
○「大番」でラーメンとギョーザ。
○M浦、S浦と電話で忘年会のことなど。
○先輩某から電話。人にモノを頼む時の言い方を知らない奴。
●1984.12.18(火)
○8:00過ぎ起床。9:00前学校着。
1·2仏1小テスト。まさか本文から出るとは…。前回は36点。
○ポークカレーレギュラー(380円)。
○にっかつ早番。
FANTASIA1階にSWG新作(RETURN OF JEDI)思わず3回。
別の店で更に2回、いすれも1分以内で終了。
マクドナルドでチキンナゲットとコーラS(420円)。「VARIEE」B面聴く。
14:30過ぎS浦来る。「天井桟敷の人々」の話。
○A谷さんと「おるごおる」でボンゴレ。
○A谷さんS木さん、次世代のカメラマン、録音技師の育成云々。カメラはやりたい、と思う。
○家庭教師。銭湯。
○ビデオでFNS歌謡祭。岡田有希子パーマ。荻野目マイク落とす。
●1984.12.19(水)
○16:30頃起床。もーどーしょーもない。自己嫌悪。
○シナリオ、3:00頃(多分)までかかって一応書き上げる。
●1984.12.20(木)くもり
○またまた起きられず。三脚持って行く筈が……。
○11:00過ぎS浦来る。ビデオで「激突!」見る。
昨夜書いたシナリオを初公開。だんだんやる気が出てくる。
食事しようとした所にちょうどM浦が来る。
ポストに英検2級「PASSED」のハガキ。
M浦のクルマでDenny’s。和風ハンバーグランチ。
S浦は今日はカフェバーでサークルの忘年会、スーツを着ちゃったりなんかしていた。
○16:30頃歯医者。約40分待たされて前歯を削られる。
○21:30頃M子さんから電話、明日9:00から撮影。
●1984.12.21(金)
○7:30過ぎ起床。服を着たままうすい掛け布団だけで寝たせいか、変な夢を見て、金縛りになる。
○相変わらず寒い中、撮影。自分はほんの2カット。
○3·4基礎演、やってない時に限って当たる。S浦、O島欠席。
○N口、F田と2食。
○5214教室(昼部室)。S子ちゃん、パンフはまだまだこれからと言う事で大変そう。
○ドリーをにっかつへ。
○今日は5分前だったのにまたもや「ただいまお立ち見」。※Wの悲劇?
○ローヤルで「密殺集団」、チェイスシーンのカメラワークが凄い(冒頭とラス前)。
K・ダグラス以外の男は全員なんとなく気色悪い。
○家庭教師10分オーバー。
○22:30前M子さんに電話約5分。シナリオのことなど。
●1984.12.22(土)はれ
○11:30過ぎにっかつ。M子さんと器材を運ぶ。
○上映会準備。パンフ、折って綴じる作業が残っていた。
○「仕置人」の間にK平と2食でとりうどん。「wonderー!?」は觀たかったのだが。
○14:30前から約1時間、にっかつで舞台挨拶手伝い。
スコープ以外の人も入れるようにしておかなければ上映会などのたびにこうなる。
○「Barbers」一歩も二歩も先行された感。※Kちゃんの作品?
○「Le Prelude」ストーリー、音楽はおいといて、構図的には面白い。撮り方を工夫してるなーと思う。
所々画面固定のセリフ不明瞭長回し(冒頭の教室、映画館受付)。
○後片付け後、「ピーマン」でクリパ。約30分ビール1杯で3000円、出ない方が良かった。
○19:30〜23:30にっかつ。
●1984.12.23(日)
○「ブルース・ブラザーズ」観るつもりだったが起きられなかった。
○スーパージョッキー、歌謡ドッキリなど。食事を摂らずに出る。
○にっかつ遅番。
ファーストキッチンのハンバーガー(200円)ベーコンエッグバーガー(250円、なかなかうまい)。
Tさん来る。あいかわらず忙しい生活を送っているようで。
○オイル焼き残してしまう。「袋小路の休日」買う。
○「戦メリ」ビデオ予約ミスで前半30分ペケ、欲求収まらず借りてきて見る。
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■2024年日記
●2024.12.09(月)はれ
○午後、お湯をためて入浴。
○夕方温たまごかけごはん、クラッカー1袋。
○夕食は「日高屋」五目ラーメン+餃子6個、瓶ビールふたりで1本。約2200円。
○夜食はゆでたまご、ポンスケ、焼酎2杯。
○ストップ・メイキング・センス(1984=ジョナサン・デミ)89分 U-NEXT
初見。ギター1本のソロからだんだん人と楽器が増えて音が重層的になっていく。一番最初のラジカセのリズムパターンとアコギのみで歌う曲がプリミティブなムード溢れる良曲。この曲で一気に引き込まれる。見終えた直後にフル編成になるまでをもう一度見てしまった。映画館の大きなスクリーン・良い音響でどっぷり浸りたい作品。
●2024.12.10(火)はれ
○目が覚めると再び鼻詰まり。室温25℃でも若干寒気があるのでパンツを厚手にはきかえる。
40年前なら高熱でフラフラでなければ出かけていた。いまでもしっかり着込めば出られない事はないだろうが無理はしたくない。無理して風邪っぽい症状が悪化して数日間寝込むより、自宅でゆっくりして悪化させない方を選びたい。
○バナナ3本、クラッカー2袋、チョコ半分、たまごスープ。スープを飲んでいる最中は体が温まって寒気を感じないがしばらくすると再び寒気。
○夕食は焼鳥缶詰、キムチ、ごはん2個、インスタント味噌汁。
○夜食は温奴、ゆでたまご、ポンスケ、焼酎3杯。
○キャッツアイころがった(1986=黒川博行)創元推理文庫 285頁
「二度のお別れ」「雨に殺せば」に比べてより明確に黒川節(日時・移動・飲食・服装・建材を具体的に描写、目が覚めた瞬間から描く、など)が顕れてきて、テンポもよくなってきた。ラストの犯行時系列はミステリーを書こうとしている人には参考になりそう(最初にこれをきっちり作ってから展開を考える)だが、読んでいてさほど面白くはない。ここまで面倒な事をしなくても、半日だけどこかに死体を隠して夜中に自殺偽装で海に投げ込むだけでも良かったような気がしないでもない。
●2024.12.11(水)はれ/うすぐもり
○今日は体調は大丈夫そうなので午後いつものルートでガーデンプレイス。中央ベンチでしばらく休憩。ホテル裏の公園抜けてドラクエウォークのアイテム1個。約45分マクドナルド。
○夕食はハンバーグ、ブロッコリー、にんじん、納豆、キムチ、野菜のスープ、ごはん2杯、ホットワイン。
○Match Factory! またクリアできない地獄にはまる。
○夜食は温奴、ゆでたまご、青さのりわれせん、焼酎お湯割り2杯。
○「あちこちオードリー」YouTubeやTikTokは〈ビジネスモデル〉なのか? よく判らんがなんとなく違和感。キングコング梶原は平場が面白くないだけではなくめんどくさい人間だという事はよく判ったので、今後はテレビには出ないでYouTubeだけやっていて欲しい。
●2024.12.12(木)はれ
○片足立ち左右ともだいぶできるようになってきた。片足で軽い膝屈伸も10回以上できるようになってきたが目をつぶるとせいぜい5秒しか立っていられない。
○午後ガーデンプレイスの奥の道を下って有栖川公園、紅葉しているのはごくごく一部。
○iphone8バッテリードラクエやらず画面OFFでradikoだけでも1時間で80%程度まで減る。交換前よりはマシだがやはりマシン自体の寿命が来てるっぽい。
○富士そばで「昔ながらのラーメン」530円。
○夕食はカップそば+コロッケ3個、キムチ、ごはん1個。
○ふとんを冬用に換える。
○夜食はゆでたまご、キッシュ、青さのりわれせん、日本酒熱燗、焼酎お湯割り。
○「桜井・有吉THE夜会」田原俊彦ゲスト出演。前回何かの番組で見た時はデビュー当時とほぼ同じ歌い方だったのだが、今日は微妙に伸ばすディナーショー的な歌い方になっていて残念。63歳でおなかが全然出ていないのは凄い(小林旭とは大違い)。
○劇団四季と浅利慶太(2002=松崎哲久)文春新書 230頁
副読本のような味がない文章。資料的価値は高そうだが読み物としては面白くない。
●2024.12.13(金)くもり
○夕食は寄せ鍋、アジの南蛮漬け、納豆、キムチ、ごはん、焼酎お湯割り。
○夜食はゆでたまご、ポンスケ、日本酒、焼酎。
●2024.12.14(土)はれ
○昨日からiPadのtorne不調でLIVEも録画番組も見れない。FireTVstickのDIXIMは問題ないのでnasneの問題ではなさそう。
○iText Expressで16:00が「じろ」に強制変換される問題→「スペルを自動的に修正」をオフにする。
○夕食はカレーライス、豆チキン、南蛮漬け、金麦。
○ドコモhome5G数日前から頻繁にバッファするので速度を測ると10M程度しか出ていない。再起動、4G固定でも駄目。デジタルデバイスは次から次に問題が生じる。
○夜食はカレーライスの残り、ウイスキー水割り。
○小説家の映画(2022=ホン・サンス)92分 U-NEXT
固定の長回しで延々続く会話。ホン・サンスが言いたい事を主人公の小説家に代弁させているように感じられる。主人公が滔々と語る話は正直それほど面白くはない。韓国語ネイティブなら会話の面白さを味わえるのかも。
●2024.12.15(日)はれ
○午後、蛇崩川緑道から世田谷公園。噴水前のベンチで休憩。日陰のベンチだけ空いていた。西側の門を出て26号線渡って小さな公園ふたつ抜ける。奥の公園に少し紅葉の木。特徴がない住宅街で迷いそうなのでGoogle Mapsを見ながら歩いて龍雲寺通りを渡って蛇崩川緑道に復帰。一番厚手のダウンを着て行ったら帰路途中から汗びっしょり。長く歩くなら極論長袖ヒートテックとジップアップフリースだけでOKかもしれない。
○夕食は寿司、照り焼きチキン、フライドポテト、ブロッコリー、とろろお吸い物、発泡酒、日本酒。
○祇園囃子(1953=溝口健二)84分 U-NEXT
様式美。ほとんど全てのショットがキマっている。人物の移動にあわせて動いたカメラがピタリと止まって、止まったショットもかっちりキマっている。
○マルクス一番乗り(1937=サム・ウッド)107分 U-NEX
その後に与えた影響を想像して勉強のつもりでギャグを見る。約90年後のいまの感覚で見て純粋に爆笑できるギャグは殆どない。クライマックス前のミュージカルパートはいまの感覚で見ても充分楽しめた(82分頃〜)。喜劇と活劇はルックや見せ方が古びるが、良い音楽は古びない。
●2024.12.16(月)はれ
○ドコモ home5G いろいろ設定を変えてみるが今日も10〜15程度しか出ない。
○午後、小学校の返却ポストで1冊返却。ガードをくぐって明治通りを渡ってプライムスクエア。階段のぼって臨川図書館に下る道に出て左側の寺の境内に入ってみる。臨川図書館でパソコン作業少々。
○夕方、ランチパック(メンチカツ)、チーズクラッカー、ライトミール。
○夕食は「大衆ビストロ ジル」。フライドポテト、ガーリックライス、鶏唐揚げ、ワイン、ハイボール。ボリュームあっておいしい。ひとりで1Fを仕切っている店員の接客がなかなかハイレベル。矢沢永吉の曲が延々と流れる。
○キャッツアイころがった(2005=黒川博行)創元推理文庫 285頁 ※1986文藝春秋
★刊行順通りなら多分デビュー4作目。細部の面白さは徐々に出てきているが全体的にはまだまだ。もしなんの予備知識もなくこの作品を最初に読んでいいたら、この作者の他の作品も読んでみようとは思わなかった。
★おとりの展覧会に最初の死体の恋人の女が現れてクルマに乗って真相を話してくれる。そもそもこの女は展覧会の開催情報をどうやって知ったのか? 初めて会う人に囲まれてクルマに乗るように言われて素直に乗るだろうか?
●2024.12.17(火)はれ
○明け方汗をかいて目が覚める。アゴの辺りが痺れてぶくぶくうがいがうまくできない夢を見る。
○夕食は焼鳥缶詰、キムチ、高菜、インスタント味噌汁、ごはん2個。
○夜食は温奴、ゆでたまご、コーンポタージュスナック、生ハムロース、焼酎お湯割り2杯、金麦。
○「ナイツ ザ・ラジオショー」テレビは粗大ゴミでは捨てられないっていったい何年前の話題だよ!ってつっこまれる事を狙ったボケなのか? 散々時事ネタ漫才を作っているのに家電リサイクルに関して知識がないなんてあり得るだろうか?
○劇団四季と浅利慶太(2002=松崎哲久)文春新書 230頁
副読本のような硬い文章。著者はエンタメ界隈の人ではなくアカデミック界隈の人。浅利慶太本人や関係者に取材した裏話的なエピソードを期待したがそういう話はなく、公式の刊行物に掲載されている情報を丹念にまとめた内容らしい。資料的価値は高いが読み物としては面白くない。
○宮崎駿の仕事(2004=久美薫)鳥影社 445頁
★まえがきに”アニメ作品は実写と違って古びる事が少ないので子供の頃に見た感覚が色褪せず、作品を見直した時に新たな視点で見つめ直す事が難しくなる、見つめ直したくてもそれができない”といった事が書かれている。よく意味が判らない。アニメでも実写でも、見返した時に最初に見た時の感覚が蘇るという事はあっても、何かしらの新しい発見は必ずある筈。見返した時の気分によって刺さる部分が異なるという事も充分考えられる。仮に10歳の時に見た作品を11歳の時に見返しても、全く同じ感覚が繰り返される筈はなく〈見つめ直し〉は自然に発生してしまう筈。まえがきのこの部分が意味不明でよく判らないので読むのをやめようかと思ったが一応読み進めてみる。
★第1章カリ城の分析。全景のイラストが粗雑なのでその後の説明が判りにくい。真上から見た構図で「城」「北の塔」「東西南北」が判るイラストだったら判りやすかったが、そもそも東西南北を指摘する目的がよく判らない。見ている間は方角がどっちかなんて一切気にならないので光が射す方向が不自然だと感じた事は一度もない。こんな細かい事を指摘できる私って凄いでしょ、と言いたいのか。嫌な予感がするがとりあえず読み進めてみる。
★50頁まで読んでみたが、まえがきで予感した、独断・こじつけ・些末な分析が多いので、読むのはここまでにしておく。僕は城と時計塔の位置関係なんて全く気にならない。寅さんを例に語るキャラクター主義の話は何を言いたいのか全然判らない。宮崎駿に関する刊行物は全てチェックしたいという人以外にはおすすめできない本。
●2024.12.18(水)はれ
○午後、ガーデンシネマで映画。ネットで予約の手間が面倒で観るのをやめようかと思ったが、やはり映画館で映画を観る事には他には代えがたい楽しさがある。
○バグダッド・カフェ(1987=パーシー・アドロン)108分
★劇場で観たと思い込んでいたが、女性の高音が長く長く伸びる印象的な主題歌が記憶に残っているのは予告編を何度も觀たからで実際には觀ていなかったのかもしれない。
★旅先で夫婦喧嘩をしてひとりになった女性がカフェとモーテルとガソリンスタンドを経営する人たちと仲良くなる話。女性の手品が話題になって閑古鳥が鳴いていたカフェにたくさんの客が訪れる。
★ブレンダが外の椅子で眠っている所に電話がかかってくる。その電話以降はブレンダが見ている夢かもしれない。あまりにハッピーエンド過ぎる。
○日仏会館図書室に入ってみる。入退館時の書類記入が面倒。荷物はロッカー。和書は本棚が低いので探しにくい。
○恵比寿駅前マクドナルド。階段上がって正面の後ろ壁席を初利用。臨席との間隔はまずまずある。テーブル固定。PC打つにはやや低い。
○夕食は焼鮭、菜の花おひたし、鶏レバー、納豆、キムチ、とん汁、ごはん2杯、金麦。
○ベッドの横のテレビに接続したFireTVstickがいきなりWi-Fiを拾わなくなる。iphone、iPad、ほかのテレビは問題ないのでルーターではない。再起動、コンセント挿し直しでも同じ症状。デジタルデバイスの不調によるストレスは、それがもたらす便利さとさしひきゼロか、ちょっとした不調に加えればむしろストレスによるマイナスの方が大きいのではないか。
○「ぽかぽか」コンサートで花吹雪と一緒に雑巾が落ちてきた、と言えばポイントは3秒で伝わる話を延々と語る。特に面白くもない話を情報や感情を足して時系列で延々と長く語るのはなぜか女性に多い気がする。
●2024.12.19(木)はれ
○昨夜23:00頃から少し仮眠のつもりで3:30頃まで寝てしまったのでそのまま早朝から仕事。
○夜食はおにぎり、鶏レバー、ハムマヨ、ホットミルク。
○午前中約3時間睡眠。
○午後、ドラクエウォーク4章3ヵ所。atreの本屋(有隣堂)でどこに何があるかじっくりチェック。本屋はどれだけいても飽きない。
○ピーコックの地下、2回行った24時間営業の店シャッター閉じている。つぶれたか、営業時間が変わったか。
○ピーコックのダイソーでひざ掛け探すがなさそう。塩胡椒一体型試しに買ってみる。
○つなぎにハムマヨ2個、ホットミルク。
○夕食はカップそば、ごはん1個、コロッケ1個、キムチ。
○夜食はコロッケ2個、ハム数枚、焼酎2杯。
○「大竹まこと ゴールデンラジオ」重鎮を「じゅうじん」と発語した話、耳で聞いて「じゅうじん」と思い込んでいたという事だとしたら「本を読め!」としか言えない。
○U-NEXT「あのクズを殴ってやりたいんだ」
★第3話 〈ボクシングは物理〉というアプローチはこれまで見た事があるのボクシング作品にはなかった斬新な切り口。
★第5話 冒頭の岡崎紗絵の口ぶり、12分頃渡部篤郎がロッカーから大地と書かれたグローブを取り出すくだり、死んだボクサーもこのジムの所属だったかのような見せ方。正式な試合ではなくエキジビションのようなものだったって事なのか? もしくは同じジム所属の選手同士の試合があり得る別の世界の話?
★玉森裕太が「ほっこ」ではなく時々「ほっこぉ」と発語するのは演出なのか?
○U-NEXT「渡る世間は鬼ばかり」5シーズン第40話。久々登場の山辺有紀、ちょっと見ない間に急に老けてきた。
初登場ショットで「誰だこの人?」って思ってしまった。
●2024.12.20(金)はれ
○夕食はさば味噌煮缶、冷奴、キムチ、ごはん2個、インスタント味噌汁、金麦。
○夜食は温奴、ゆでたまご、われせん、ポンスケ、日本酒。
○U-NEXT「あのクズを殴ってやりたいんだ」玉森裕太にヘンな過去もなく最初から最後まで天性のクズなら面白かったのだがあっさりまともになってしまって結局既視感。物理の知識をボクシングに活かす展開はサンドバッグを止めた最初の1回以降出てこない。残り3話は恋愛話メインになりそう。
●2024.12.21(土)はれ
○昼食は温たまごかけご飯、クラッカー1袋。
○陪審員2番(2024=クイント・イーストウッド)114分 U-NEXT
イーストウッド最後の監督作品と噂されているが劇場公開はなく配信のみ。いろいろもやもやが残る映画。真相は明確に語られない。主人公は本当に善に目覚めたのか? クルマにはねられて転落したかどうかは検死で明確に判る気がするがそこは明確には描かれない。直前まで6対6だった陪審員の投票が最終的に全員一致になる過程は全く描かれない。
○夕食はラーメン鍋、唐揚げ、ハム、アボカドマグロ、金麦。
○「伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛」吉田照美は「救急車を呼ぶべきかどうか相談するダイヤル」(#7119)の存在を知らなかったような口ぶり。生放送のラジオパーソナリティーとして感度を疑う。番号の覚え方は「救急車呼ぶかどうか(な)やんだら119」「#救急車どうしようか(な)119」。
●2024.12.22(日)はれ(寒い)
○昼食はたまごうどん。
○自然教育園行くつもりで出るが一歩出て風の寒さにひるむ。ひなたで無風だと暖かいが、ひかげで風が吹く苦行のような寒さ。結局ガーデンプレイスでお茶を濁してYEBISU BREWERY TOKYO。TSUTAYAで新刊チェック。ピーコックで買物。
○夕食は寿司、おかず3品、とろろお吸い物、金麦、日本酒。
○M-1グランプリ。令和ロマンが初の連覇。個人的なツボはトム・ブラウン、今夜も完全に狂ったネタ。
○夜食は温奴、ゆでたまご、われせん、焼酎お湯割り2杯。
○海の稜線(2004=黒川博行)創元推理文庫 365頁 ※1987講談社
★今作以前に発行された「二度のお別れ」「雨に殺せば」「暗闇のセレナーデ」「キャッツアイころがった」は部分的には面白い部分はあるものの全体的にはまだまだ模索中な感あり、もし予備知識なしにこの4冊のどれかを読んだら「この作家の他の作品も読んでみよう」とは思わない水準だったが、今作は明確に黒川博行作品の魅力が表出してきた。
★疫病神シリーズの二宮・桑原の萌芽と思えるコンビ(性格・価値観・生活様式などが明確に違うコンビ)が登場(文田と萩原)。何かにつけて対立する会話の妙。移動手段・飲食の詳細描写の度合いも強まってきた。
★富永が自白に至る経緯は弱いと想う。掃除機にあった粉は状況証拠でしかないし、そもそも違法捜査では?
★P320以降の事件の真相は説明的であまり面白くない。
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