EVER LASTING MOMENT VOL.14

2025年1月23日発行

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■EVER LASTING MOMENT VOL.14
○昭和の薫り漂うWEBマガジン
○推奨年齢50歳以上
○無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)
○小説/散文/妄想/企画 或れ此れ其れ何れなんでも有り
○誤字脱字間違い辻褄合わず各自適宜補完にてよろしく哀愁

いずれ一夜の夢ならば
呑んで謡って ホイのホイのホイ
今宵とことん ホンダラッタホイホイ

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■映画/ドラマ/スポーツなど
●2024年
○虎に翼(朝ドラ)伊藤沙莉
○おむすび(朝ドラ)橋本環奈
○光る君へ(大河ドラマ)吉高由里子
○極悪女王(Netflix)※全5話
○地面師たち(Netflix)※全7話
○機動戦士ガンダム 復讐のレクイエム(Netflix)全6話 ※1年戦争
○ハウス・オブ・ザ・ドラゴン2(U-NEXT)※全8話
○No Activity(Amazon)※全6話
○STAR WARS アコライト(Disney+)※全8話
○STAR WARS スケルトン・クルー(Disney+)※全8話
○10/05土〜02/11火 モネ 睡蓮のとき(国立西洋美術館)
○11/29金 正体(2024=藤井道人)120分
○12/13金 不思議の国のシドニ(2023=エリーズ・ジラール)96分
○12/13金 バグダッド・カフェ(1987=パーシー・アドロン)108分
○12/13金 ペパーミントソーダ(1977=ディアーヌ・キュリス)101分
○12/14土 キノ・ライカ 小さな町の映画館(2023=ベリコ・ビダク)81分
○12/20金 ライオン・キング ムファサ(2024=バリー・ジェンキンス)118分
○12/27金 I Like Movies(2022=チャンドラー・レバック)99分
○12/27金 私にふさわしいホテル(2024=堤幸彦)98分
●2025年
○べらぼう(大河ドラマ)横浜流星
○阿修羅のごとく(Netflix)全7話 ※是枝裕和監督
○ザ・ピット ピッツバーグ緊急医療室(U-NEXT)全15話 ※ノア・ワイリー
○01/03金 ビーキーパー(2024=デビッド・エアー)105分 ※ジェイソン・ステイサム
○01/03金 ぼくらのふしだら(2024=小林大介)74分
○01/10金 エマニュエル(2024=オドレイ・ディワン)105分
○01/10金 劇場版 孤独のグルメ(2025=松重豊)110分
○01/12日 テニス全豪オープン
○01/12日 大相撲1月場所
○01/17金 敵(2023=吉田大八)103分
○01/17金 サンセット・サンライズ(2024=岸善幸)139分 ※脚本宮藤官九郎
○01/17金 アーサーズ・ウイスキー(2024=スティーブン・クックソン)95分
○01/24金 57秒 復讐のタイムループ(2023=ラスティ・カンデッフ)99分
○01/24金 TOUCH タッチ(2024=バルタザール・コルマウクル)122分
○01/24金 アンダーニンジャ(2025=福田雄一)123分
○01/24金 嗤う蟲(2024=城定秀夫)99分
○01/31金 ザ・ルーム・ネクスト・ドア(2024=ペドロ・アルモドバル)107分
○01/31金 リアル・ペイン 心の旅(2024=ジェシー・アイゼンバーグ)90分
○01/31金 パピヨン(1973=フランクリン・J・シャフナー)151分
○02/07金 ナマズのいた夏(2024=中川究矢)88分
○02/09日 第59回スーパーボウル
○02/14金 キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド
○02/14金 セプテンバー5(2024=ティム・フェールバウム)95分
○02/14金 愛を耕すひと(2023=ニコライ・アーセル)127分
○02/14金 Jリーグ開幕(現行春秋制最終シーズン)
○02/15土~03/07金 脚本家で観るロマンポルノ(ヴェーラ)
○03/18火 MLB開幕戦ドジャースvsカブスat東京ドーム
○コブラ会 最終シーズンPART3(Netflix)※24年7月PART1/24年11月PART2
○4月 あんぱん(朝ドラ)今田美桜
○04/05金 HERE 時を越えて(2024=ロバート・ゼメキス)104分
○04/13日 大阪・関西万博開幕
◯06/14土〜07/13日 サッカークラブW杯アメリカ大会(新方式、32チーム)
○夏 遠い山なみの光(2025=石川慶)※原作カズオ・イシグロ
○09/13土〜09/21日 世界陸上(東京)
○10月 ばけばけ(朝ドラ)髙石あかり
○11/06木 ストレンジャー・シングス 未知の世界最終シーズン(Netflix)
○冬 果てしなきスカーレット(2025=細田守)
●2026年
○1月 豊臣兄弟!(大河ドラマ)仲野太賀
◯02/06金 ミラノ・コルティナ五輪
○3月 第6回WBC
○05/22金 STAR WARS新作公開?
◯06/11木 サッカーW杯アメリカ/カナダ/メキシコ大会
○8月 Jリーグ開幕(秋春制第1シーズン)
○12/18金 STAR WARS新作公開?
●2027年
○世界陸上(北京)
○バスケW杯
○ラグビーW杯オーストラリア ※20→24に増加?
○12/17金 STAR WARS新作
●2028年
○EURO2028イギリス/アイルランド
○07/14金〜07/30日 ロサンゼルス五輪
●2029年
○世界陸上(バーミンガム?)
●2030年
○02/01金〜2/17日 フランスアルプス五輪
○サッカーW杯モロッコ/ポルトガル/スペイン大会(100周年記念大会)
●2031年
○世界陸上
●2032年
○EURO2032イタリア/トルコ
○07/23金〜08/08日 ブリスベン五輪
●2034年
○ソルトレイクシティー・ユタ五輪
○サッカーW杯サウジアラビア大会

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■日々是雑感2025

ものこごろついたのが5歳頃とすれば、まもなく60になるいまは、一番古い記憶は当然約50年以上前の記憶という事になる。50年。半世紀。世間や社会に関心を持ち始めた10歳の頃、自分で実感・体感できるの一番古い記憶はせいぜい5年前。
10年前は記憶がない大昔の話、20年前は想像するのも難しく、30年前の終戦は歴史上の出来事のような認識で、50年前や50年先はSFの世界のような未知の感覚だった。当時は30年も経てば人の本質や生活は相当に違っていると想像していた気がする。

実際にこの年齢になると、テクノロジーやガジェットは進化したが、人の本質や生活は、そんなに大きく変わっていないような気がする。少なくとも、僕の本質は、はっきり自我が確立したと思える15歳の頃とほとんど変わっていない。10歳から15歳までの5年間で〈自分〉がはっきり形成されたような感覚があり、その感覚は50代後半のいまも続いている。

1965年に生まれた僕は15歳の頃まで(ものごころついた頃から数えれば約10年間)、家にビデオがない生活を送ってきたが、暇で暇で仕方がない、という事はなかった。もし1975年の僕が20歳の超貧乏大学生のひとり暮らしで、下宿にテレビもラジオもラジカセもレコードプレイヤーも電話もなく、新聞・雑誌・本・マンガを買う金もなく、図書館で借りて来た本は読んでしまっていて、家族友人知人にいますぐ手紙を書く気も起きず、大雨だから出かけたくない、誰かが遊びに来る予定もない、という状況なら「暇だな〜」と思う可能性は充分にあるが、実際の1975年の僕は、高校教師の父親と専業主婦の母親の長男(妹ふたり)として、札幌の郊外の持ち家に住んでいて、当時としては標準的な生活を送っていた。

4年生になった頃には、はっきり、自分が本を読むのが好きだと自覚していた。両親が本好きだったので、本は月々のこづかいの範囲外で買って貰えたし、父親の書斎には大量の本があったし、学校の図書館や近所の移動図書館で本を借りる事もできた。本を読むだけで充分に暇はつぶせた。

1階で母親と妹たちと一緒に寝ていたのが、2階の4畳半でひとりで寝るようになったのも小4になる頃で、眠たくなるまでベッドで本やマンガを読むようになり、就寝時間はだんだん遅くなっていった。寝る前に毎日聴いていたHBCラジオ「エミ子の長いつきあい」は、いまwikiで調べると、21:40〜21:50放送。ベッドに入って小型のラジオでこの放送を聴きながらウトウトして22:00には就寝が基本パターン。このパターン中1になって自分専用のテレビを買ってからはどんどん崩れていく。

小学生の頃は、放課後はほぼ毎日暗くなるまでは友達と遊んでいた。いまはニュース番組しかやっていない17:00〜19:00の時間帯はテレビまんが(「アニメ」という言葉はまだ一般的ではなかった)の再放送がてんこもりで、19:00〜20:00も各曜日子供向け番組が満載だったし、1年遅れで長嶋茂雄の現役を完全スルーして野球も見始めた。少年ジャンプを毎週買って気に入った作品はコミックスを買って繰り返し読む。ラジカセを買って貰ってレコードをカセットにダビングして繰り返し聞く。話題の番組はリアルタイムで見ないと二度と見られない。宿題や勉強も少しはやって食事もして風呂にも入る。ネットやビデオがなくても全然暇ではなかった。見たいテレビはその時間に見るしかなかったので、配信でいつでも視聴できるいまよりも、当時の方が、常に優先順位を考えて有効に時間を使っていたような気もする。

ネットにコンテンツが無限にあるいま、それを選ぶ行為に膨大な時間を使って、選ぶ行為に疲れて何もしない、という事がよくある。パソコンやスマホの不具合解消やアプデによる環境再構築に数時間かかる事もしばしばある。常に時間を有効に使うという意味では、ビデオさえなかった5歳〜15歳の頃の方が、日々の生活は充実していた気もする。特に、繰り返しになるが、テレビに関しては「これを見るのはいましかない」と思って見ていたので真剣度が全然違っていた。

16歳の頃に自分専用のビデオデッキを買って生活が変わり、30歳の頃にネットが登場して世の中のシステムが変わったが、子供の頃に比べて、格段に生活が便利になったか、と問われれば、便利になった部分とそうでもない部分の相克で、現状は期待していた程ではない。PA(パーソナルアシスタント)が普及して、PW管理などの面倒な手続きを全てPAが代行してくれて、頭で考えただけで一瞬でスマートグラスにコンテンツが映る、というレベルまでデジタルデバイスが進化すれば「遂にここまで来たか」と思うだろうが、現状は、FireTVstickで見たいコンテンツを移す為には自分の手でいくつもの操作が必要で、むかしのテレビやビデオはボタンひとつ押すだけですぐに映ったのになあと嘆息する事の方が多い。

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■U-NEXT見放題(R18)
※自然に感じられる画を重視してチェック(顔面テカリ否定派)
※女優を生かすも殺すも髪型/メイク/衣装/撮る角度/照明次第
※現在は配信停止になっている可能性があります

●うちの妻を寝取ってください120 N香(29)(2024年6月)149分
○アイドル風フェイス、角度によってはかわいい、ふしめがちで憂いを帯びた表情、乳輪薄め
○男優顔モザ
○ソファでクンニ、自然光だけに見える画(55分頃)
○ためらいがちなフェラ、クロウスアップは照明もメイクも微妙(62分頃)
○鏡越しの仁王立ちフェラ(妙にエロい、118分頃)

●ウブかわパイパン ゆず(会社員)(2023年12月)86分
○普通の社会人風、角度によっては魅力的、透明感、美微乳(色素薄め)
○鏡越しの乳首いじり、照明いい感じ(23分頃)
○バック横から全景、いい感じの逆光の陰影(71分頃)
○男性のみ立ちバックPOV(79分頃)

●訳アリZ世代20めい(2023年12月)98分
○角度によってはアイドル風フェイス、スタイル良い、大きなバスト
○目白駅でナンパ設定
○着衣フェラ(33分頃)
○男性4人が囲む(フェラ、手コキ、あまり、75分頃)

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■島耕作

島耕作プロフィール
生年月日 1947(昭和22)09.09(乙女座/B型)
出身地 山口県岩国市
出身校 私立鷹水学園高校
出身校 早稲田大学法学部(1970年卒業)
資格 普通自動車免許
資格 実用英語技能検定1級
身長 177㎝
父親はサラリーマン
母親は呉服商
ひとりっ子
大学時代ESS
好きな食べ物 サラミ 
好きな食べ物 トリュフ
好きな食べ物 オリーブオイル
嫌いな食べ物 酸っぱいもの
ワインに詳しい
バリ島が好き
77年結婚、89年離婚(怜子)
12年再婚(島耕作65歳、大町久美子45歳)
長女 奈美(79年誕生)
孫 耕太郎(03年誕生)
*出典「島耕作クロニクル 連載30周年記念エディション」

島耕作職歴
1970年4月 初芝電器産業株式会社入社
1970年11月 本社営業本部 販売助成部屋外広告課
1971年11月 本社営業本部 販売助成部制作課
1976年1月 本社営業本部 販売助成部制作課主任
1980年3月 本社営業本部 販売助成部制作課係長
1983年5月 本社営業本部 販売助成部宣伝課課長 *課長島耕作①
1985年1月 ハツシバアメリカ NY支社宣伝部 *課長島耕作①②
1986年1月 本社営業本部 販売助成部宣伝課課長 *課長島耕作③④
1987年5月 電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)*課長島耕作④⑤  
1988年5月 本社営業本部 販売助成部ショールーム課課長 *課長島耕作⑥
1990年5月 フィリピンハツシバ マーケティングアドバイザー
1990年11月 本社営業本部販売助成部総合宣伝課課長
1992年2月 本社総合宣伝部部長
1999年1月 初芝電産貿易株式会社代表取締役専務(出向)
1999年9月 サンライトレコード株式会社代表取締役専務(出向)
2001年4月 本社市場調査室
2001年5月 福岡初芝販売センター代表取締役専務(出向)
2001年10月 福岡初芝販売センター代表取締役社長(出向)
2002年2月 本社取締役九州地区担当役員
2002年6月 本社取締役上海地区担当役員上海初芝電産董事長
2005年2月 本社常務取締役中国担当役員
2006年11月 本社専務取締役
2008年5月 初芝五洋ホールディングス株式会社代表取締役社長
2013年7月 TECOT代表取締役会長
2019年8月 TECOT相談役
2022年1月 TECOT相談役退任
2022年3月 株式会社島耕作事務所設立 UEMATSU塗装工業社外取締役
※2010年1月社名変更(初芝五洋ホールディングス→TECOT)
*出典Wikipedia

●課長043 SPEAK LOWⅡ
◯女将フクの葬式後に蔵重事業部長が木に登る
・フクの葬儀の葬儀委員長を妻の反対で断念(蔵重事業部長)
・蔵重は親子二代でフクに世話になった(フクが舞妓の頃からの仲)
・蔵重がオフィス街で銀杏の木に登る(テレビの全国ニュース)
 蔵重は1週間に会社を辞める
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング88年11号掲載
*課長 島耕作 第5巻(1988)

●課長044 ALONE TOGETHER(孤独と一緒に)
◯死ぬ寸前の昔の彼女を見舞いに言って下半身に触れる
・京都に単身赴任してそろそろ1年、週に1回妻のところに電話(出るのはいつも娘の奈美)、
 奈美9歳の誕生日に妻は外泊(奈美は「ママはもう寝ている」とウソをつく)
・同期の斉藤が訪ねてくる、10年以上ぶりの再会、斎藤の妻は白血病で余命わずか
・高橋江里子(斎藤の妻)と10年以上前に約半年交際、
 当時の江里子は「飛んでる女」を演じていた、江里子から結婚を迫られて別れる
・小太りだった江里子がガリガリにやせている、せがまれて下半身に触れる
・斎藤に「俺達はプラトニックな関係だった」とウソをつく
※「飛んでる女」より「翔んでる女」という表記の方がしっくりくる
※「世の中にはついてもいいウソがある事を初めて知った」
 40男が初めてな筈がないのでこの台詞自体がウソという皮肉?
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング88年14号掲載
*課長 島耕作 第5巻(1988)

●課長045 縁は異なもの(Marriages are made in heaven)
◯かつ子の交渉で手描き友禅の大御所が翻意(性接待?)
・手描き友禅の大御所・松本瑞鶴に緞帳の絵を依頼、
 繊細な手作業で描く手描き友禅は緞帳のような大きなものには描けない、と断られる
・かつ子が島を助ける為に松本に依頼に行く(島は松本の自宅前で数時間待つ)
・かつ子は松本に抱かれる?(島の妄想とも取れる描写)
・松本から受諾の連絡
※京都フェスティバルホールの緞帳(初芝が寄贈)
※大泉副社長直々の命令(島の能力を試す)
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング88年19号掲載
*課長 島耕作 第5巻(1988)

●課長046 APRIL LOVE
◯大泉に本社に戻す事を告げられる
・大泉と一緒に松本瑞鶴の絵を3枚見る(大泉が1枚を選ぶ)
・松本、大泉の依頼を一喝(ボツの2枚を破り捨てる)
・大泉に本社に戻す事を告げられる(過去の私怨は水に流そう)
・かつ子と一緒に清水寺で夜桜を観る
*電熱器事業部 営業部宣伝助成課課長(京都)
*モーニング88年20号掲載
*課長 島耕作 第5巻(1988)

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■雨鶏(2006=芦原すなお)ヴィレッジブックス 297頁 ※1997角川書店

セックスというやっかいな問題が存在しない世界。

女性に興味があるという描写は最初の話にはあるが、その後は殆んどなく、石上の美人の妹・あーちんから明らかな好意を示されても全く進展しない。最後の話で石上の彼女のような存在の斎藤さんに「山越君は彼女いないの?」と訊かれて「そんな不経済なものはいません」と答える。

友人と女性言葉で話す、友人と同じふとんで寝る、友人のいびきを子守唄のように聞く、という描写から、うがった読み方をすれば、実は主人公は潜在的なゲイ(自分では気づいていない)と読めなくもないが、それよりも、20歳の男子大学生にとって一番切実な問題な筈のセックス(性欲の処理)をあえて描かないのは、この小説は、1969年夏~1970年夏という具体的な時代を設定しているにも拘らず、一種のファンタジーとして読まれる事を狙って書かれている、と解釈したい。

失恋の話を語って海外に行く安根(もうひとりの主人公)も、唯一彼女らしき存在がいる石上もセックスの問題にふみこまない(石上は約1年デートはしても男女の仲にはなってない)。実際の1969年~1970年はこうではなく、「ラス前」のコンパで絡んできた上級生のような人たちが幅を利かせていたのかもしれないが、作者はセックスというやっかいな問題が存在しない世界におけるファンタジー的な青春を描く。

あーちんのような女神のような女性、偏屈王のように純粋に文学に向き合う教授、ひたすら自堕落でぐうたらな生活を送っている主人公に常に寄り添っってくれる巽や石上のような友人。いずれも、現実にはいそうにない。

P220 安根とあーちんと3人で3本立ての映画を觀ている最中に驚くような幸福感に襲われる。これもリアルな青春小説なら隣に座っているあーちんが気になって映画に集中できないのかもしれないが、セックスというやっかいな問題が存在しないファンタジーな世界なら、ひたすら、単純に、幸福な瞬間になるのだろう。

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■熔界
※無駄に過激な性的描写閲覧注意(R18)

 僕はひとりで野球場のマウンドに立っている。
 キャッチャーははるか遠くにいて、キャッチャーの出すサインは全然読み取れない。
 サインの確認をする為にマウンドを降りてキャッチャーに近付こうとするが、いくら走っても距離が縮まらない。
 走っているつもりで僕はマウンドの上で足踏みをしている。
 …………
 僕は右足をあげてゆっくりとマウンドの上に降ろす。
 マウンドの土の部分に足をおろした筈の僕の右足は、そのまま踝まで土の中に沈み込んでいく。慌てて足を引き抜こうとするが、軸足も沈みつつあり、どこにも足場がない。
 あっというまに僕の体はおへそのあたりまで生温かいぬかるみに埋まる。
 恐怖感はない。
 …………
 僕の下半身はなにか粘り気のある暖かいものにすっぽりと覆われている。
 ユニフォームはいつのまにか脱がされていて、下半身には何も身に着けていない。
 とろりと生温かいゼリーのような何かにくるまれた下半身全体が、鋭敏と鈍感の狭間をたゆたっている。
 その液体と僕の下半身が同化しそうな感覚が生じてくる。
 だんだんを身動きが取れなくなってくる。
 それはじわじわと上半身に及んで来て、いつのまにか僕は全裸で生温かいゼリーのような何かにすっぽりとくるまれている。
 生温かいゼリーのような何かが、耳、鼻、口から僕の中に入ってくる。
 僕は抵抗をせずにただそれに身を委ねている。
 そうする事が当然の事だという事をなぜか知っている。
 ぬるりとしたそれが、ゆっくりと僕の肉体の空洞を埋める度に、僕の深い部分から幸福感が泡のように少しづつ湧き出てくる。
 僕の内部に侵入したそれは、少しづつ僕から僕固有の言葉や名前を奪っていき、同時に森羅万象の全てが僕の内部を満たしていく。
 僕が僕でなくなっていくのを感じながら、僕の幸福感は逆にどんどん昂まっていく。
 あらかじめ存在した原初の幸福感が少しづつ顕になっていく。

 残酷に響くアラームの音に現実の世界に引き戻された僕は、しばらくの間、いま見ていた夢の残滓に浸り、身体のとこどどころに残る多幸感のひと粒ひと粒を反芻した。
 十六歳の僕の欲棒は痛々しい程に屹立していた。
 洗面所で顔を洗って嗽をして、机に向かって英単語とイディオムのノートを開いても依然として勃起は続いていた。英単語とイディオムを暗記する事に意識を集中させようとしても、少し姿勢を変えれば欲棒の先端が擦れて刺激が走る。その刺激を英語で打ち消す。
 英語。勃起。英語。勃起。英語。勃起。英語。勃起。英語。勃起。
 勃起している欲棒はそれ自身が意識の主体たらんと主張を続け、欲棒が発信し続けている電磁パルスは秒速で脊髄を通って脳内でスパークして、英語に侵入して淫らな妄想をフラッシュさせる。なんでもない英単語が妄想をブーストする。
 単語「inappropriate」
 意味「不適当な」
 例えば、不適切な関係。inappropriate relationship。
 不適切な関係……例えば大統領と研修生、教師と生徒、僕と理恵。
 僕と理恵? 僕と理恵は違う。
 もし今夜、そうなったとしても、それは適切な関係だ。
 今日は一学期の期末テストの最終日。
 今夜、僕は半年ぶりに理恵に会う。
 理恵に会うまでは、この勃起はエネルギーの無駄使い。そう思って自分の意思で欲棒の勃起をコントロールしようとしたが、妄想するフラッシュに理恵の印象が加わって逆効果になったようだ。

 超満員の車両に背中からなんとか体を押し込んだ次の瞬間、タイトスカートの若い女性が強引に乗り込んできてドアが閉まった。
 僕の下半身に女性のヒップが密着する。
 車内の扇風機の風が顎のすぐ下にある女性のロングヘアーをなびかせて、女性の毛先が鼻先をかすめた。
 いい匂い、と思った瞬間、僕の欲棒がぴくんと脈動した。
 僕はサリンジャーの「ナイン・ストーリーズ」を英語で朗読するiphoneのボリュームを上げて気を散らそうと試みるが、いったん堕落の急坂を転がり始めた石の勢いは止められず、電車の振動ともに女性のヒップからとろりとした暖かみが伝わってくる度に、自宅から駅へ歩く途中で怒張が解けていた僕の欲棒は、再び硬度を増していく。完全に上向いた欲棒は女性のヒップの上半分の窪みにフィットする。ジーパンではなくやや薄手のチノパンなのでこの異物感は間違いなく女性にも伝わっているだろう。なんとか隙間を作ろうとするが、全く身動きが取れない状態なのでどうしようもない。
 隙間なく密着している女性のヒップと僕の欲棒は、電車の小さな振動でほんのわずかに密着の度合いを緩め、大きな振動で再び強烈に密着する。その軽い密着と強烈な密着の繰り返し、基本規則正しく、時に不規則な、その連続した動きが、僕に未だ知らないセックスの運動を想起させようとする無意識を必死に無意識の領域に押し留めるべく、イヤホンから聞こえてくる音に神経を集中しようとしても音は頭を素通りする。
 振動。勃起。英語。英語。振動。勃起。英語。振動。勃起。振動。勃起。勃起。勃起。
 密着度マックスの状態でやや強めのブレーキがかかり、その振動による女性のヒップが擦り上げるような動きが強烈に欲棒を刺激して、快感が瞬間的に危険なレベルにまで昂まりそうになり、僕は口元に手を当てて咳払いをした。
 もしこの状況で思わず射精してしまったら、理恵との約束を破った事になるのだろうか? 
 あの時、理恵が言った「こういう事」にはどこまでの行為が含まれるのだろう?
 テスト最終日の1科目は数学。数学はどうでも良い。
 理恵との約束に数学は入っていない。英語の点数だけだ。
 それにしても数学の問題はあまりにも判らない。問題の意味もよく判らず、何がどう判らないかもよく判らない。まだ半分以上試験時間が残っていたが、僕は机に左肘をついて左手に額を乗せて考え込むフリをして目を閉じた。勝負の英語に向けて少し脳を休ませておこうと考えて。

「今日は腰中心でよろしくねえ」
 ローライズのショーツだけになってベッドにうつぶせになった理恵が言った。
 シャワーを浴びてシルクのボクサートランクスだけを身に付けた僕は、ショーツだけを身に着けてベッドでうつぶせのなっている理恵のおしりのあたりにまたがってマッサージをはじめた。
 理恵の細い腰の窪みにゆっくりと触れる。
 わずかなしこりのような凝りを発見すると、親指で何度か押し、凝りの中心部分に手の平を押し付けて振動を与える。
 強弱をつけてそれを繰り返す。
 僕のマッサージは全くの自己流で、自分がされたら気持ちが良いだろうなあ、と想像する事をひたすらしてあげるだけだ。
「あ、そこ、そこ」と言われると、同じ動きを繰り返す。
 手のひらの下の部分を強く押し当てて振動を与える動きをだんだん強くだんだん速くすると、理恵の口から「あっ あっ」という甘い声が漏れて、僕が触れているのは腰のあたりなのに、もっと際どい処を刺激しているような気がしてくる。
 実際にされた事はないが、自主トレで射精に至る最後の動きから想像すれば、もし理恵に口や手でして貰って達するとしたら、その瞬間の最後は単純な動きになるうような気がする。
 僕が理恵に口や手でしてあげる時はどうなんだろう。男の子が達する為のサンプルなら自分がひとつあるけど、女の子がどうすれば達するかはサンプルがゼロなので未知数の領域だ。アダルトビデオで女優が達しているように見えるシーンなら、何度か見た事はあるが、あれは演技かもしれないし、モザイクがあるので男優の舌や指の細かい動きはよく判らない。こんな風な単純な動きの繰り返しが最後に達する瞬間には女の子にも有効だったりするのだろうか。
 ローライズのショーツに収まりきらない理恵のおしりの割れ目の上辺が嫌でも目に入る。
 いつのまにか、僕の欲棒は完全に硬くなっているが、僕は極力それを無視して、理恵の裸の背中、肩、首を両手の掌でゆっくりと丹念に摩る。
 体を少し上にずらす度に、僕の欲棒と睾丸が理恵のおしりのあたりこすっているのが、トランクス越しにはっきりと感じられる。
 いますぐ理恵のショーツを一気に膝のあたりまで下ろして、理恵の身体の一番柔らかそうな窪みに欲棒の先端を擦り付けて、その部分が十分に濡れていて受け入れ体勢が整っているようなら、ゆっくり奥まで挿れてみたい。そんな衝動が、胸の奥でかすかな痛みを伴って切実に生じた瞬間、理恵が言った。
「……いまヘンな事考えてたでしょ?」
「ヘンな事なんか、か、考えてないよ」
 反射的に早口で返す僕の声はつい裏返ってしまう。
「……マッサージに集中して。もうちょっと腰の下の方やって」
 僕はさらに掌に意識を集中して理恵の裸の腰を再び揉みしだいた。
 やがて理恵の呼吸が深い規則正しい寝息に変わっていった。
 理恵が眠ってしまうと僕の衝動はすーっと引いていった。
 マッサージを終えて仰向けになってウトウトしていると、理恵が僕の肩に触れて言った。
「裕二はもっとしっかり英語勉強しておいてよ。そうすれば私がハリウッド行く時にマネージャーで使ってあげるから。……あ、いま、『じゃあ、いつかそのうちマジメに英語を勉強しよう』って思ったでしょ。駄目駄目。『いつか』なんて思ってるといつまでもやらないんだから。まあ裕二に私くらいにやれとは言わないけど、そうね、今度の1学期の期末で90点以上は取って。約束」
「約束って……理恵が一方的に言ってるだけじゃない」
「僕は理恵が好き、理恵の言う事はなんでも聞く」
「だから、それはもう5年も前の話でしょ?」
「ごほうびもあげてるし」
「ごほうびもそろそろ進化してもいいんと思うんだけど……あの頃とは僕もずいぶんイロイロ変わってるし……」
 唇をいきなり理恵の唇で塞がれた。
 ゆっくりと理恵の舌が入ってきて、舌先と舌先が一瞬触れる。
 もっと強い刺激を求めて理恵の中の口の中に舌を入れようとすると、理恵は唇を離した。いつものキス。唇が触れ合うだけの子供のようなキスではないが、アダルトビデオで何度も見た事がある、激しい長い大人のディープなキスでもない。12歳の時に初めてキスをして貰った時は子供のキスだったのが、お互いに高校に進学した頃から少し進歩して舌と舌を触れ合うようにはなったものの、最近の僕はだんだんこのキスでは物足りなく感じる度合いを深めつつある。
 だが、この正直な欲望を理恵にぶつけて拒絶されて会えなくなる可能性を考えると、とてもそれを口に出す勇気はなかった。
 モデルの仕事をしている理恵のような素敵な女の子とこんな風に会って、こんな風に触れ合って、キスができるだけでも、普通の高校2年生に比べれば十分に恵まれている、だから下手にこちらが暴走して関係を壊すような事はしない方がいい。それは理性では理解できているつもりだが、だんだんと肉体はそれに納得できなくなりつつある。僕の理性はいつまで僕の肉体の暴走を防いでくれるのだろう。
「じゃあ、今回の約束守ったら、次はごほうび、ランクアップしようかな……」
「ホントに?」
「それから裕二、最近、ハンドクリームさぼってない? この前に比べてちょっと荒れてたわよ。商売道具なんだからちゃんと手入れして」
「商売道具って……別にお金貰ってないし」
「返事は?」
「……はい」

 前回理恵に会った時の事を反芻するうちに、やや収まっていた僕の下半身は再び硬くなりはじめた。
 ごほうび。理恵がくれるごほうび。
 いまのキス以上のキス?
 キスのその先?
 ショーツの中?
 その想像が妄想フラッシュを呼び、僕の欲棒は一瞬でマックスに硬度を上げた。今朝目覚めた時から完全にしぼむ瞬間がない。こんなに勃起を続けていると貧血になるのではないか。
 ……肘をついた姿勢でそんな事を考えているうちに数学のテストが終わった。
 そこそこの進学校であるうちの高校の2年生の夏休み前というのは微妙な時期だ。
 僕のクラスにもひとりいる「本物の天才」は休み時間に勉強などしない。彼は教科書を数回読めば書いてある事は殆ど暗記できると言う。彼にとってはテストも大学入試も遊びの一環ようなものなのだろう。
 東大や京大を目指す数名の秀才組の中にはテストの休み時間も他を寄せ付けない集中ぶりで勉強している者もいる。
 僕を含む「その他大勢」は一応教科書や単語帳を開いてはいるが秀才組とは見るからに集中力が違うように見える。前後の席で話しをしている者もちらほらかいる。
 僕は単語帳を開いてはいたが、反芻した理恵の印象が頭にちらついて、集中できない。英語は得意科目ではあるが、いつもの点数は80点程度。勃起した欲棒が発する電気信号と理恵がくれるごほうびの印象が脳内で止揚して、英単語と妄想フラッシュがぐるぐると渦巻いている。
 そのうちに視界が白く霞んできた。
 どくん。どくん。どくん。
 心臓が脈打つ音が脳内に響く。
 こんな状態でテストを受けられるのだろうか。
 教師が入ってきてテスト用紙が配られて、ざわざわしていた教室が一瞬静かになる。
 手元にまわってきたテスト用紙に視線を落とすと、カーテン越しに初夏の陽光が、雲のいたずらか、一筋、ちょうど僕のテスト用紙の上にだけ差し込んてきて、刹那、僕の脳内で何かと何かが結託して、妄想フラッシュと英単語は渾然一体の膨大な知識の奔流となって、僕の裡で激しく渦まいた。
 自分が裡側から溶けていくような未知の感覚に囚われたまま、その渦に飛び込んで渦の流れに身を任せると、テスト用紙の空欄を埋めるべき解がふわふわと目の前に漂っている。僕はそれを拾い上げては空欄を埋めるルーティーンを繰り返した。書いている間にその殆どは正解だとその時点で確信しているような感覚を味わいながら。

「立ちバック、こないだやってみてさ」
 野球部の部室でユニフォームに着替えながらエースの山木が大きな声で言った。
 山木は自他ともに認めるヤリチンだ。
 こんな時に山木の話を受けるのはキャッチャーの茂木。茂木はグラウンドの中でも外でも球も受ければ話も受ける。
「うっそ。俺まだそれやったことないよ。どうだった?」 
 茂木は多分ヤマキに次ぐヤリチン。部室でのこのふたりの会話の90%はエロ話。
「梨花も初めてだったみたいだけど、結構よかったよ……」
 山木が茂木を麻由に見立ててその体勢と動きを再現すると、僕を含めたチームメイトを嬌声をあげて、なぜか数人はハイタッチをする。 
 粗野な連中の粗野な会話を聞いていると、自分の中にある粗野な部分が自然に表に出てきて、僕の口は相手が喜びそうな事を適当に喋り出す。
「中央公園のトイレの陰で? マジかよ。あーっ、俺も誰でもいいからやりてー」
 我が野球部のマネージャーの宇津木梨花は誰もが認めるウチの高校のアイドル。バスケの斉藤やサッカーの原田とも噂になっていて「運動部のエース殺し」と影で呼ばれている。立ちバックは初めては本当だろうか。
 そんな話をしている間も先日の英語のテストの時から続いている一種の非現実感は続いていた。もともと空気を読んで流れに乗りがちな僕の意識を非現実感が後押ししていた。

 野球部の仲間と一緒にいる時の外野手兼控え投手の僕は、チームメイトや知らない人の目には「幾分粗野な野球部の男の子」と映っていると思う。
 ひとりでいる時の僕と、彼らと一緒にいる時の僕。
 どちらが本当の僕なのか自分でもよく判らない。
 彼らの前で徹底的に自分を殺して演技をしているというわけでもない。ふさわしい話題をふさわしい口調で話す事が自然にできる。意識して場の空気を読もうとしている感覚でもない。その場のその瞬間の流れに身を委ねるような感覚だ。
 だが実はみんなそうなのでないか。
 僕がひとりの時に何を考えているか彼らは知らない。
 僕も彼らがひとりの時に何を考えているか知らない。
 ここにいる全員が、この場所の空気にふさわしい話題を、ふさわしい口調で、半ば無意識に口にしているだけなのではないだろうか。
 練習の後、部の連中と一緒にいつものマクドナルド。今日の野球部の練習はコンディション調整中心の軽めだったが、テストが終わった開放感もあってやたらと腹が空く。
「2年で経験済みなのはいまの所、4人だな」
 4個目のバーガーを頬張りながら本間が言った。ライトを守る僕からの送球をいつも中継しているセカンドの本間は、部の中で一番気があう男で、小学校時代からの親友だ。
「山木と茂木は判るけど、あとは誰よ?」
「ひとりはお前じゃないか。なに言ってるんだよ」
「だから俺は違うって言ってるだろ」
 本間に理恵の事をどこまで言っていただろうか、と僕は自分の記憶を反芻した。
 春季大会の打ち上げ後に本間とふたりで飲んだ時に、何かを言ってしまった記憶がある。
「いやいやいや、裕二は違うだろ。真の童貞ってのは、俺みたいに、一切合切清廉潔白、つきあった事も手も握った事もない清潔な男子の事を言うんだから」
「威張って言うな」
「煩い。この不潔な童貞くずれが」
「4人って言ったよな、あともうひとりは誰なんだよ」
「アイツだよ」
 本間が奥の席に座っている加持を指差した。小柄でにきび顔のレフト。
「加持!? マジかよ、あいついつのまに。誰だよ相手は」
「中学の同級生で、いまは商業のマネージャーだってよ」
「あいつが? あの顔で?」
「絶対ウソだと思ってさ。いろいろ問いつめたら、なんか抽象的なコト言ってた」
「抽象的なコト? あいつが? あの顔で?」
山木や茂木は別として加持に先を越されるのはなんだか腹が立つ。
「”本間はさ、いきなりホームランを狙おうとしてんだろ? いきなりホームランはなかなか難しいぞ。まずはバントヒットでもいいから塁にでなきゃ” って」
「バントヒット?」
「要はやらせてくれるブスって事」
「ブスなのか? 加持の相手?」
 商業の野球部のマネージャーという言葉からは美少女しか連想できない。
「ブスらしいよ、トオルが言うには」
「トオルって、あのトオル?」
「そうそう、小6の時の転校生の、ちゃらちゃらしてた……」
「まだトオルとつながってたんだ」
「時々出くわすんだよ、タコ公園とかで、家近いから……で、加持が言うには、これもすべて将来設計の一貫なんだってさ
本間が更に続けた。」
「将来設計?」
「加持はね、大学で野球やりながら、教職取って、高校野球の監督やるつもりなんだ。で、かわいいマネージャーを口説いて結婚するのが夢なんだって。その練習をいまからやってて、商業のはその最初の一歩なんだって」 
 急に加持がひとまわり大きく見えた。
 あんな顔をして将来の事をいまから考えてるなんて。

 萱野理恵は、隣に住んでいた所謂幼馴染みで、子供の頃は毎日一緒に遊んでいた。お互いにひとりっ子だったので最初はきょうだいのような感覚だったと思う。
 ほんの数年前までは、手をつないで遊んだり、プロレスごっこをして遊んで、ふざけてバストやヒップを撫で回したりもした。あれは、逆に、性に対する知識が完全でないからできたのだろう。その頃の僕は、自分の身体に芽生え始めた女性やセックスへの欲望を、まだ完全にそれと認める事もできず、ただ漠然と自分の肉体に対して違和感を抱えていた。
 理恵が僕に呪いをかけて引っ越して行ったのは中学に入る前の春休み。
 陽が暮れかけて昏くなりはじめた室内で僕は夢現な気分になり、すぐ隣にいる理恵がなぜかとてつもなく遠い場所にいるように感じていた。
「なんかお腹痛い」理恵が言った。
「おなか痛い?」
「おなかさすって」
 僕はベッドに横たわった理恵のお腹にそっと手を触れた。
「もっとちゃんと。服めくってさすって」
 理恵に命令されるように言われてトレーナーとシャツをめくりあげると、膨らみはじめたバストの下の方がかすかに見えた。仰向けに寝た理恵のおなかを女の子のような横座りの姿勢で摩りながら、僕は、生まれて初めて全身に細かい鳥肌が立つような新鮮な感覚に浸っていた。
 その時の僕と理恵は薄い膜で包まれていて、その内部にはどんな音もかすかにしか届かなかった。
 マッサージを続けると理恵は規則正しい寝息を立て始めた。
 僕はマッサージをやめて服を戻して、急に疲労感を感じて理恵の横でまどろんだ。
 ……目を開けて、理恵の顔がすぐ目の前にあるのは何故? と思った瞬間、理恵にキスされた。
 初めてのキスにしては長いキスだった。
 その時、僕は「一生理恵だけが好き、理恵の言う事はなんでも聞く」と言ったらしい。
 初めてのキスに興奮して無我夢中になっていた僕には明確な記憶がない。
 だがその後で理恵に言われた言葉は残っている。
「私だけ。祐二がこんな事するのは私だけ。約束」
「こんな事?」
「もしずっと守ってくれたら、いつかこれ以上のごほうびをあげる」
 ふたたび理恵からの長いキスを受けて、その甘美な感触を感じながら、この瞬間が永遠に続く事を願っていた。いまにして思えば、ならんで一緒に成長していたと思っていた理恵は、その時点で僕の一歩も二歩も先を進んでいたのだ。
 中学に入学した理恵は読者モデルの仕事をはじめた。
 僕は3ヵ月に1回の頻度で呼び出されて理恵の家に行き、理恵にマッサージをしてあげてキスをして貰った。中学時代の僕はそれだけで満足していた。
 高校入学後、国際的なモデルを目指して海外に拠点を移し、帰国するのは半年に1回程度になった。
 前回は今年の正月。そして明日が今年2回目の帰国予定。
 正月に会った時はディープキスまで行ったのだから、今回、約束通り英語で90点以上取れていれば、その先に進むのを許してくれるかもしれない。ひょっとしたら行く着く所まで行けるかもしれない。
 90点以上取れていて、理恵が許してくれて、自然な流れでそうなるのなら良いのだが、問題はこの半年で更に亢進しているように思える我が性欲。理恵の背中に触れただけで理性のスイッチが壊れてしまうかもしれない。理恵の気持ちも確かめずに我を忘れて理恵の服を強引に脱がせて強引にいろいろな所にキスをして
強引に最後の一線を越えようとしたら。
 万が一そんな行動に出てしまったら今後二度と理恵は僕に会ってくれなくなるかもしれない。
 理恵に触れた瞬間に頭と血が登って欲棒に血が滾って我を忘れそうになったら、深呼吸して、5年前の春を思い出して、理恵の横でまどろんで、軽く触れ合うキスで充分に幸福を感じていたあの頃を思い出そう。
 絶対に絶対に暴走はしないようにしよう。
 僕はその事を強く念じながら駅までの道を急いだ。
 本当にそんな風に自分で自分を制御できるかどうか、正直、全く自信がない。
 最後は走ってぎりぎりで終電に間に合った。
 空いている車両の椅子に座って軽く目を閉じた。
 電車が揺れて、バチンという音がして、車内が真っ暗になった。
 停電だ。
 電車は走り続けている。
 てさぐりでポケットから携帯を取り出してスリープ解除ボタンを押すが画面が点灯しない。
 バッテリーは充分残っていた筈なのだが。
 車内にも窓の外にも一切の明かりがない。
 完全な真っ暗闇。
 こういう時は非常灯が点くのではないか。
 ……サイバーテロだろうか?
 同じ車両に他の乗客が数人乗っていた筈だが、なぜか気配が感じられない。
 ……ここは、いったい、どこなんだ?
 暗闇の中で電車の移動する感覚とともに、時間と場所の感覚が次第に失われていく。
 僕は、自分が誰なのかさえよく判らなくなってきて、子供のように泣きたくなるのを必死でこらえて誰かの名前を呼んだ。

 【了】

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■first day

○登場人物
小林弥生(18)……高校生
田口弘記(20)……プロボクサー
中原玲香(18)……弥生の友人
尾形朋美(18)……弥生の友人
田所(45)  ……モデル事務所社長
その他(若い男、若い女性、風俗嬢、母親の声、対戦相手、医者など)

1 海岸の公園(夕方)

海を前にしたベンチに弥生(18)と若い男が並んで座っている。
若い男「……弥生はホントにオレの事好きなのかな、って気になって……」
弥生「(うつむいている)……」
清流のイメージフラッシュ。
若い男「昨日とか寝れなかったよ……」
弥生「好きか嫌いかって言われたら、好きなんだけど……」
若い男「オレも好きだよ、弥生(と、弥生にキスしようとする)」
清流がいきなり激しい濁流に変わるイメージフラッシュ。
弥生、いきなり若い男を突き飛ばして走り去る。


2 ボクシングの試合会場・内

小規模の試合会場に半分程度の観客。
リング上で試合をしている弘記(20)と対戦相手。
弘記は黄色のリングシューズと黄色のトランクスを身に付けている。
お互いに手数を出すがクリーンヒットしない。
×     ×     ×
リングアナ「判定は、ドロー」
かすかな微笑を浮かべている弘記。まばらな拍手。
半分程度が何かに隠された満月のイメージフラッシュ。
リングを降りた弘記に若い女性が花束を渡す。
弘記が受け取った花束をトレーナーに手渡すと、
若い女性が弘記に抱きつく。
弘記、一瞬抱き返そうとしてやめる。
弘記「(何かに耐えているような表情)……」
満月が何かの影に覆われるイメージフラッシュ。
弘記、女性の肩を掴んで強引に突き飛ばす。
弘記「(上を見上げて)……さっきまで見えてたのに……」


タイトル「first day」


3 部品組立工場・内

ベルトコンベアー上を流れてくる部品を設置する作業を黙黙と繰り返す弘記。


4 同・休憩室

談笑するパートの女性たち。昼休みの光景。


5 同・外(昼)

ベンチに弘記がひとりで座っている。
弘記の横に食べ終えたコンビニ弁当の殻。
空を見上げる弘記。


6 ナカムラボクシングジム・内

白を基調とした清潔な雰囲気の中で何人もの練習生が各々のメニューで練習している。
ひとり黙黙とサンドバッグを叩き続ける弘記。


7 カラオケボックス・内

少人数向けの個室。
テーブルの上に小さなケーキ、いくつかの料理が並んでいる。
弥生「中1の時からで、私が一番遅いから……18回目だよ、三人でこうするの」
朋美「弥生、コレほんとに貰っちゃうよ(と、チキンに手を伸ばす)」
弥生「私はお腹空かせておかないと。お母さん、いつも作り過ぎるから」
玲香「十八回目かあ。そうだよね。六年間だもんね。長いよね〜なんだかんだいって」
朋美「でもどうなのよ弥生、18歳の誕生日を祝うのが、ウチらと家族だけって……」
弥生「もし彼氏いたって、やりくりして三つかけもちしたよ。……(少し寂しそうに笑う)」
×     ×     ×
弥生「……だって、なんか、こう、ガーッって、いろいろ入って来るじゃない」
朋美「……今回もクチビルが触れたか触れないかだったんでしょ? まだ何も入ってこないじゃん(と、食べかけのチキンをぐいぐいと口に押し込む)」
弥生「だからそういうんじゃなくって……」
玲香「あれこれ考えないでふにゃ〜っとしてればいいのよ」
朋美「私も最初はちょっとアレだったけどさ、慣れたらあんな気持ちいいモンないけどね」
玲香「もったいないよね〜」
朋美「もったいないよ」
弥生「……」


8 公園(夕方)

黄色の帽子、黄色のパーカーでジョギングをしている弘記。


9 繁華街の道(夕方)

弥生、俯きながらひとりで歩いている。
弥生の声「どうしてみんな平気なんだろう……」


10 弘記のアパート・弘記の部屋(深夜)

月明かりが照らす部屋。
本棚に既に亡くなった作家の文庫本が並んでいる。
床に散乱しているビールの空き缶。
ステレオから大音量のデスメタルが流れている。
床に直置きされたマットレスに全裸の弘記が仰向け、
その傍らに派手な髪型の若い女性。
女性は弘記の男性の部分を口を使って愛撫しているのがシルエットで判る。
弘記「(目を見開いたまま)……」
女性「(愛撫を続ける)……」
弘記「やっぱりダメだ……ムリだ……こんなの」
女性、行為の速度を上げる……
弘記、いきなり起きあがって女性をはねのける。
×     ×     ×
女性「(玄関で靴を履きながら)ねえ、店に言わないでよ、変なクレームとか」
弘記「(全裸のままで)……」
女性「最近景気めちゃワルなんだから……普通に『普通でした』とか言っておいて……(弘記、女性の背を強引に押してドアを閉める)」
×     ×     ×
バスルームで、唇、乳首、男性の部分を何度も何度も繰り返し洗い続ける弘記。
×     ×     ×
弘記、本棚から無造作に一冊の文庫本を取り出し、片手で持って自然に開いた部分から読み始める。
月に雲がかかる。


11 繁華街の道(夕方)

弥生のポケットから携帯のバイブ音。弥生携帯を取り出して、
母親の声「弥生ちゃん、いまどこ?」
弥生「××坂の途中だけど」
母親の声「ちょっと、いま、手、離せなくて、牛乳だけ買って来てくれない、樅の木ストアの特濃。ちょっと遠回りだけど」
弥生「うん、いいよ」
回れ右をして横道に入っていく弥生。


12 公園(夕方)

公園に入って来る弥生。
弥生の進む先からジョギングしてくる弘記。
弥生と弘記がすれ違う瞬間、雲が一瞬晴れて、夕陽の明るい光が互いの顔を照らす。
ゆっくりすれ違いざまに互いに見つめ合う弥生と弘記。
実際にはほんの刹那の出来事……
弥生が立ち止まって振り返ると、弘記は既に数メートル先を走っている。
弘記のパーカーの背中に「ナカムラボクシングジム」とプリントされている。
しばらく呆然と立ち尽くす弥生。


13 ナカムラボクシングジム・外

ドアに『ナカムラボクシングジム』のマーク(弘記が着ていたパーカーと同じロゴ)。
そのドアを開けて弘記が出てくる。
弥生「(弘記に近付いて)あの……」
弘記、弥生を一瞬見て、そのままジョギングをはじめる。
弥生、少し間隔を開けて、弘記を追いかける。


14 公園(※弘記を追う弥生のモンタージュ、時刻・天候数パターン)
—————————   

公園をジョギングする弘記とそれを追う弥生の点描。
弥生の服装の違いが別日である事を示す。


15 ファーストフード店・内

玲香「……弥生ったら、また別のオトコ、見つけたらしいよ」
朋美「(ハンバーガーを頬張って)意外と懲りないねー。ね、みてみて、わたしの新しいの」
と、朋美が差し出した写メに朋美と朋美以上に大きな体の男のツーショット。


16 公園(夕方)

弘記がジョギングしている。
突然の豪雨。
スピードを上げて屋根がある東屋に駆け込む弘記。
弥生、雨の中で弘記を見失った様子でウロウロ。
それを見ている弘記。
雨が降り続く……。
弘記を見つけたらしい弥生が東屋に入って来る。
と、同時に雨が上がる。
弘記と弥生、互いを見つめ合う。
太陽と虹。


17 同・野外演劇場のステージ(夕方)

客席にTシャツが二枚並べて拡げられている。
ステージ中央に上半身裸で立っている弘記。
袖から上半身スポーツブラ姿の弥生が現れる。
弥生「(くるくるまわりながらステージ中央に進んでいって)……踊ったりするのは好きだったの。三年前なのにまだ覚えてるよ、振り付け」
弘記「オレがボクシングを始めた頃だよ、三年前」
弥生「歌うのも、台詞を言うのも好きだったんだけど……」
弘記「……」
弥生「これが駄目だったの(と、弘記の胸に飛び込む)……ラブシーン……どうしても気持ち悪くてガマンできなくて」
弘記「(嬉しいが平然を装って)いまは平気みたいだけど?」
弥生「(体を離して)ボクシングしてる時ってなに考えてるの?(と、シャドーボクシングのような動きをする)」
弘記「晴れないかなあって。晴れたら月が綺麗に見えるのにって」
弥生「(ステップを踏んで弘記のまわりを回りながら)月?お月さまの月?」
弘記「ボクシングしてる時はいつもこのあたり(と、頭の少し上の空間を指す)に浮かんでる感じなんだ」
弥生「へえ〜」
弘記「たいていすぐ見えなくなっちゃうけどね」
弥生「変な人!(と、笑って弘記にパンチを出す)」
弘記「(パンチを受け止めて)ラブシーンもできない女優サンに言われたくないね(そのまま弥生の拳を握りしめる)」
弥生「女優になんか、なれなくても……(と、拳を引こうとする)」
弘記「(弥生の拳を握った手を引き寄せる)……」
見つめ合う弥生と弘記。
清流と満月のイメージフラッシュ。
弥生と弘記を夕陽が照らす。
弥生「(弘記を見て笑顔)」
弘記「(今まで見せた事のない晴れやかな笑顔)」


18 ボクシング試合会場・内

客席に玲香と朋美が並んで座っている。
朋美「(パンフレットの弘記の写真を見て)なんか、フツーっぽいね〜」
玲香「しかも、まだ、やってないって」
朋美「凄そうなのにね〜ボクシングやってるなら」
玲香「凄いかな?」
朋美「凄いんじゃない、スタミナとか」
玲香「そっか」
朋美「やってないのに、大好きになるとか、ありえなくない?」
玲香「でも、まあ、弥生だからねえ」
弥生が来てふたりの間に座る。
玲香「それ、例のやつ?(と、弥生のイヤリングを指さす)」
弥生「黄色はオレのラッキーカラーだからって……」
朋美「(ホットドックを頬張って)仲がよろしくて結構ですこと」
玲香「まだやる事やってもいないのに」
弥生「今日この試合が終わったらやっちゃうもん。ちゃんと替えのおパンツも持ってきたしぃ」
朋美「(コーラをがぶ飲みして)試合の後って、体力的にムリなんじゃないの?」
弥生「疲れナントカってやつで意外と大丈夫らしいよ」
玲香「相変わらず耳年増だね〜 やる事やってもいないのに」
弥生「あと数時間には私も晴れて脱バージンよ!」
朋美「(大きな声で)ちょっとあなた達、さっきから大きな声で疲れマラとかバージンとか、やめてよ。わたしまで下品な人の仲間だと思われるじゃない(と、ゲップをする)」
リング上に、黄色のリングシューズ、黄色のトランクスを身に付けた弘記。
リングアナ「青コーナー、挑戦者、118パウンド、ナカムラボクシングジム所属、田口〜弘記〜」
弥生、黄色のイヤリングに触れる。
×     ×     ×
リング上で戦う弘記。
一進一退の攻防。
パンチが当たる鈍い音。
パンチが当たった瞬間に霧吹きの様に飛ぶ汗。
生気溢れる弘記の顔、輝く瞳。
朋美「なんかさあ、相手も結構強いよね」
玲香「そりゃそうーよ。チャンピオンだもん」
弥生「(真剣な表情で)……」
×     ×     ×
弘記、相手のおおぶりな左フックをダッキングでかわし、
間髪を入れずに打った左ボディが相手の脇腹に深くヒットする。
苦悶の表情でロープ際に後退する相手。
弘記のラッシュ、連打。
両手を高く挙げたガード姿勢で耐える相手。
朋美「なんかこれ、すごいチャンスなんじゃないの!? 」
弥生「いまだ〜」
玲香「当たれ〜」
朋美「(つられて)倒せ〜(と、両手をふりまわす)」
朋美のペットボトルの中身が飛び出して弥生のアゴにかかる。
反射的に払った弥生の手が耳をかすめて弥生のイヤリングが落ちる。
弥生「(床に落ちたイヤリングを拾おうとしゃがんで)地震!?」
大きな揺れ。
レフェリーが割って入ろうとした瞬間、対戦相手の左アッパーが弘記のアゴにクリーンヒットする。
よろけた所に相手の左フックが強烈に弘記の顔面を捉える。
半回転してロープには後頭部をぶつけてダウンする弘記。
玲香「えっ!? 」
朋美「あれれれれ!? 」
弥生「(慌てて体を起こして顔を上げて)え? 弘記が倒れてるの? 倒れてるのが弘記なの?」
レフェリー、全く動く気配がない弘記の顔をのぞきこみ、即座に試合を止める。
ドクター、関係者数名がなだれ込むようにリングに入ってくる。
騒然とする場内。
玲香「なんかヘンな倒れ方したよね……」
弥生「大丈夫だよね(と、朋美を見る)、試合は負けちゃうかもだけど、
弘記は大丈夫だよね(と、玲香を見る)」
朋美「(答えられない)」
玲香「(答えられない)」
弥生「(イヤリングを握りしめている)」


19 病院・外(昼)

雪が降り積もっている。


20 同・病室

ベッドに横たわっている弘記。
人工呼吸器、心泊数モニター、脳波モニターなどが繋がれている。


21 弥生の自宅・部屋(夜)

机の上にヒビが入った黄色のイヤリング。
目を閉じて祈りの姿勢の弥生。
弥生の携帯のバイブ音が鳴る。
「玲香」と表示された携帯のディスプレイ。
弥生、携帯の電源を切って祈りの姿勢に戻る。


22 病院・外(1年間の四季の移り変わりのフラッシュ)

風が吹いて桜の木から花びらが舞う。
桜の木の横を通って病院に歩を進める弥生。
×  ×  ×  ×  ×
桜の木に青葉が生い茂る。
桜の木の横を通って病院に歩を進める弥生。
×  ×  ×  ×  ×
紅葉する桜の木。
桜の木の横を通って病院に歩を進める弥生。
×  ×  ×  ×  ×
桜の木に雪が降り積もっている。
桜の木の横を通って病院に歩を進める弥生。


23 大学・学食

天井が高い広々としたカフェテリア風。
壁際の人が少ない席に玲香と朋美が座っている。
玲香「おととい、久々に原論で一緒だったのよ」
朋美「(大きなハンバーグをナイフで豪快な大きさに切りながら)弥生も落としてたんだ、原論」
玲香「なんか大きな仕事が入るかもって」
朋美「(ハンバーグを頬張って)最近凄い働いてるよね〜弥生」
と、朋美が玲香の方に向けたノートパソコンの画面に、弥生のブログが表示されている。
『今月の弥生』の表題の下に仕事の予定が数十行に渡って続いている。
ファッション雑誌、テレビ番組、イベントの告知など。
いかにもモデル風の笑顔の弥生の写真。
玲香「……隆一情報だけど、結構な額を弥生が出してるらしいよ」
朋美「(最後のひとくちのハンバーグを頬張って)やだ、まだ続いてたの、隆一と?」
玲香「続いてないよ。たまに電話で話すだけだよ」
朋美「どうだかね〜……結構な額って、あの、ボクシングの弘記くんの……?」
玲香「そ。入院治療費。ああいう状態だといろいろかかるらしいよ、保険効かなくて」
朋美「でもさあ、結局、弥生と弘記くんって、やってもいないんだよね、あの試合でああなっちゃったんだから。それなのに弥生が働いて治療費とか出してんの?」
玲香「アンタとは違うのよ弥生は」
朋美「じゃ玲香は出すの?」
玲香「まさか。ねえ、今夜、何して遊ぶ?」


24 モデル事務所・外

「モデルエージェンシー TADOKORO」の看板。


25 同・内

昼間なのに遮光カーテンを閉めきった室内、人工的な蛍光灯の光が黒いテーブルに反射している。
弥生の向かいに髪型をきちんと整えたスーツ姿の田所(45)が座っている。
田所「もちろん、最後は弥生さんの判断なんです、もちろん。ただ、逆に、ひとつ言えるのは、現時点で弥生さんがもしまとまった金額をがっつり、がっつりゲットしようと思ったら、逆に、これはまたとないビッグチャンスかもしれないって事なんです、またとない。そこに書いてますよね、全世界公開の可能性を積極的に云々って。つまり全世界公開、全世界ですよ、全世界となればケタが違ってくるって事なんです、ケタが。どうします、ここでチャンスを掴みますか、それとも見送りますか」
弥生「わかりました。やります」
弥生、契約書らしき書類にサインをする。
田所の眼鏡の奥の目が微かな輝く。


26 大学・キャンパス

空に奇妙な形の雲が浮かんでいる。
強風が紅葉した木の葉を吹き飛ばす。


27 同・学食

壁際の人が少ないカウンター席。
弥生を中心に玲香と朋美が座っている。
玲香「とにかくいったん落ち着いて弥生、事務所に行ったら誰もいないのは判ったから。何が今日までなの?」
弥生「病院の費用、弘記の……今日までに支払わないと……」
玲香「今日までに支払わないと?」
弥生「明日、装置を切るって。弘記の両親も承知してるって……でも、私が払える筈だったんだよ。映画のギャラ、先週貰える筈だったのに……」
朋美「それが延期になった?」
弥生「延期じゃない。ダマされたのよ私。だって事務所はもぬけのからだし、田所さんの携帯は通じないし、ヘンなヤクザみたいな人が家まで来てお金返せって……」


28 弥生の部屋(深夜)

ベッドにうつぶせに寝ている弥生。
弥生の視線の先に、サイドテーブルの上のガラスケースに黄色のイヤリングが見える。
弥生「(体を起こしてそのイヤリングを手に取って)……」


29 道(深夜)

走る弥生。
弘記と出会った公園を抜けて更に走る。


30 病院・弘記の病室(深夜)

開けはなれた窓から満月が見える。
弘記が眠るベッドの足元に弥生が立っている。
弥生「……」
弥生、弘記に近付いて弘記の頬にキスをする。
脳波モニターが一瞬急激に反応する。
弥生、月光を背に、ゆっくりと服を脱いで全裸になり、弘記に体を重ねていく。
唯一身に付けている黄色のイヤリングが揺れる。
清流と満月のイメージフラッシュが輝きを増す。
脳波モニターがさまざまな波形を示し出し、
心拍数モニターから何かの警告音が鳴り出す。

【了】

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■1985年日記(19歳〜20歳、大学1〜2年)
※当時の手書きの日記から
※原則として文言そのまま

●1985.01.07(月)
○東武ブックセンターでキネ旬。
○5·6体育マラソン。
○7·8映画表現論休講。M子sanS子chanにシナリオ渡す。
S子chan「おもしろい」と言ってくれる。お世辞でも嬉しい。
○テスト勉強、全然やってない!
○石川秀美と早見優の新曲なかなか良い。
石川「もっと接近しましょ」早見「Tonghit」

●1985.01.08(火)
○即席うどん食べて8:30頃出る。
○1·2仏1。テスト32点。キリ倫、自人コピー。
○にっかつ早番。
○久々に部会に出る。A谷sanのシナリオを貰う。
○家庭教師。

●1985.01.09(水)
○全欠席。映研班休む。

●1985.01.10(木)
○にっかつ早番。
○土日でコンテを書いてしまおう。1/31(木)撮入予定。

●1985.01.11(金)
○3·4基礎演テスト。一応やった所が出たのだが単語を覚えてない。
○13:30頃M浦と早進研。
○シナリオ班。A畑san「刺青の男」。
○「フィルム・メーキング」購入。2000円。高い!
○家庭教師。

●1985.01.12(土)
○「ホシフルヨル」打ち合わせ。総勢8名。15:00過ぎまで。
○文芸坐しねぶてぃっくで864号。
○「じゃんぼ」でソース焼。
○コタツでうたたね。

●1985.01.13(日)
○小林信彦「テレビの黄金時代」購入。
○S浦、M浦に電話。

●1985.01.14(月)
○15:00過ぎまでベッド。全欠席。
○渡辺2冊栗本1冊買う。

●1985.01.15(火)
○大寝坊。
○U野、S浦から電話。

●1985.01.16(水)
○英2、仏2テスト。眠くて集中力働かず。
○図書館でS浦と英1。
○東武のレストラン街、生姜焼きは肉が不味い。

●1985.01.17(木)
○英1テスト。
○家庭教師。
○堀ちえみ「りぼん」”ごめんね”が印象的。

●1985.01.18(金)
○16:30頃まで寝る。
○S浦来る。
○そろそろアセってきた。まだコンテ書いてないしロケ地も決まってない。
○岡田有希子「二人だけのセレモニー」あえて声を出していないように聴こえる。

●1985.01.19(土)
○にっかつ早番。S子chan来る、これからKchanの御見舞に行く由。

●1985.01.20(日)
○上板橋から出ず。勉強ほとんどせず。
○S子chanに電話。Kchanの病状、映画の日程など。

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■2025年日記

●2025.01.06(月)くもり/雨
○今度こそドラクエウォークもMatch Factory!もやめる。惰性と現実逃避でやっているだけ。
○VRエロ動画いろいろ見てみるが結局以前に見た明里つむぎの貧乏部屋モノが良い。目が覚めた所でほぼ着衣のままとりあえず1回ならもっと良かった。
○夕食は中華弁当、黒ビール、焼酎お湯割り2杯。スイートポテト。アド街二子玉川見る。
○夜食は中華饅頭(夕食の残り)、ポンスケ、われせん、焼酎お湯割り2杯。
○「パンサー向井の#ふらっと」向井の中部アクセントは大分改善されてきた印象だったのだが、今年の通常週初日の今日は「げつようび」がフラット、「まわり」が頭アクになっていた。

●2025.01.07(火)はれ
○VRエロ動画透明人間温泉モノ、多分ドローンにVRカメラ搭載の移動空撮ショット、斬新で面白いがいかんせん画質が悪い。男優無言の主観は見飽きたので客観作品が増えて欲しい。
○夕食はシーチキン缶詰、たまごかけご飯、ごはん+ふりかけ、キムチ、インスタント味噌汁、ライトミール。
○夜食は温奴、ゆでたまご、われせん、ポンスケ、日本酒お湯割り1杯、焼酎お湯割り2杯。
○FireTVstickいきなりルーターを認識しなくなった問題、工場出荷状態に戻してもダメ。普通に使えている別のテレビのFireTVstickを抜いてさしかえても試してみてもダメ。近隣のルーターはいくつも表示されてるっぽいのにこの部屋にあるルーターは表示されない謎のエラー。

●2025.01.08(水)はれ
○月額VR、DMM側の不具合なのか延々くるくるで殆ど見られず。
○午後、くすのき通りから日仏の道をまっすぐ突き当りまで行って左折して明治通り(セブンイレブンの交差点)へ出て
臨川図書館。所要時間約35分。予約しておいた小林信彦「決定版 世界の喜劇人」をチェック、むかしの文庫にない部分は全て過去に発表した文章の再構成。廊下のベンチでキネマ旬報最新号。この図書館のデスクはやはり少し低い。長時間のPC作業には向かない。
○香川うどん「一福」かけうどん480円、めんが普通に美味い。
○ダイソーでシンプルなノートパソコンケース110円。
○夕食は寄せ鍋、春巻き、納豆、ごはん2杯、金麦。かえれま10魚べい見る。
○FireTVstickルーターを認識しない問題、テレビやパソコンのコードなどを入れている袋に予備があったので試してみるが、やはり工場出荷状態にしても別のFireTVstickでは表示・接続できる自宅ルーターが表示されない。2台とも同じ症状なのでFireTVstickではなくドコモhome5G側に問題がある可能性大なので、とりあえず昨夜のFireTVstickの注文をキャンセル。有線LANで接続すると使える事を確認してアップデートを実行するがやはりWi-Fiは繋がらない(ルーターが表示されない)。有線LANなら使えるみたいなのでとりあえずこれで使う。
○夜食は鍋の残り、ごはん1杯、ミニおにぎり、われせん、焼酎お湯割り2杯。
○iphone8のバッテリー問題、他のアプリを閉じて無限時計のみ表示で30分で100%が95%になった。バッテリーの残量表示機能自体が不調なのかもしれない。
○「ナイツ ザ・ラジオショー」”ユンソナ”と”コンソメ”の話は「カタカナで書くと似てる」という話だと思うのだが、ナイツのふたりも安藤なつも全くそこに触れなかったのは、リスナーに自ら考えさせる為にあえてそうしていたのだろうか?

●2025.01.09(木)はれ
○眠気があるので映画館はやめて近所散歩。代官山通りから恵比寿西を抜けてatre。無印良品でバスタオル。駅前の古い
ゲーセンで麻雀ゲーム2回(1回目無料)。
○モスバーガーでフライドポテト240円コーラ200円。前回来た時は意識していなかったがここの2階は天井が相当に高いので開放感がある。
○夕食はカップそば+コロッケ、ゆでたまご、ごはん1個、チーズクラッカー、金麦。
○夜食はごはん1個+ふりかけ、コロッケ2個、インスタント味噌汁。
○「徹子の部屋」体操の岡ちゃん、パリ五輪の時より顔がちょっと大人になった。

●2025.01.10(金)はれ
○夕食は肉野菜炒め、レバー、納豆、キムチ、サバ野菜味噌汁、ごはん1.5杯、金麦。

●2025.01.11(土)はれ
○DMMやっと見られたと思ったら1作品見た後はまた同じエラー。
○TOHOシネマズで映画チケット予約、渋谷と六本木の数回の混雑状況を調べて、U-NEXTのポイントを変換して、購入手続き、クレジットカードの認証手続き。以前は前売券買ったらぴあで一瞬で時間調べて行くだけだったのが膨大な手間。この手間が映画館に行こうとする意欲を減退させる。
○「富士そば」で煮干しラーメン580円。
○上映開始時間まで時間があるのでヒルズ内を歩き、けやき坂を登って降りてイルミネーションを眺め、TSUTAYAで平積みの本を見てコーヒーを買う。
○「劇場版 孤独のグルメ」中盤以降はテレビ版から逸脱する部分多くて総合的にはいまいち。普通のおじさんがひとりで食事をするシーンに青春ドラマの特訓シーンのモンタージュシークエンスにかかりそうな音楽が流れる(僕が一番好きな所)は今回の映画にはなかった。
○夕食は「海栄」でチャーハン、餃子、手羽先、ハツ、瓶ビール3本。ふたりで約4800円。
○夜食はゆでたまご、われせん。

●2025.01.12(日)くもり
○全豪オープン本戦初日。錦織1回戦、2セットダウンから逆転勝ち。
○大相撲1月場所初日。やっと大銀杏の大の里は引き落としにあっさり落ちる。木村晃之助(行司)は遂にナンバー3の位置まで来た。
○夕食はごはん2個(ふりかけ)、ゆでたまご、キムチ、インスタント味噌汁、ライトミール。

●2025.01.13(月)はれ
○びっしょり汗をかいて目が覚めて以後は上半身裸でバスタオル巻いて寝た。
○世間は振替休日。NFLワイルドカード、全豪テニス、大学ラグビー決勝、高校サッカー決勝など見ながら作業。
○夕食はレンチンうどん2玉、キムチ、ポンスケ、チーズクラッカー。レンチンうどんは塩だけでも結構美味しい。
○夜食は冷奴、ゆでたまご、レトルトカレー、金麦。
○「ぽかぽか」清野菜名ってこんな顔だっけ!? またもや目が変わった印象。
○高校サッカー決勝はチケット完売5.8万人、PK戦の途中で放送終了。
○大相撲1月場所2日目。王鵬どんどん攻めて若隆景に勝利、遂に化ける予感を感じさせる一番。

●2025.01.14(火)はれ
○夜遅い時間にピーコックへ。ジップアップフリースに薄手ダウンコートにニット帽子で防寒するが風がないのでそうでもなかった。
○夕食は照り焼きチキン、寿司5個、インスタント味噌汁、金麦350。
○夜食は信州味噌ラーメン、ポンスケ、焼酎水割り4杯。
○スマホにSMS認証コードが届かずamazonログインできない問題、以下のサイトの方法で一応解決。海外なんちゃらの「解除」に対する返信は来てきないがamazonからのSMSは届くようになった。
https://note.com/tenju/n/n1650a67c15fe
○スマホの容量が残り少なくなってきたのでYouTubeとドラクエウォークを完全削除(YouTubeは再インストール)。視力の為にスマホを見る時間を極力減らす。基本ラジオと音楽のみにして画面はなるべく見ない。ドラクエウォークはやめたつもりが週末から少しやってしまったので覚悟を決める為に完全削除。
○昨夜入浴後から左耳に違和感(ヒリヒリする)。
○「大竹まこと ゴールデンラジオ」”アラスカはロシアから買ったという事を聞いてびっくりした”という話を聞いて、70年以上生きてきて知らなかったって事!?とこっちがびっくり。
○「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」キャラデザは全く移入できそうにないが音楽はちょっと良さそ。
○全豪オープン3日目。メドベージェフがラケットでネットの中央部分を5回強く叩いてラケット破損。壊れたネットを3セット後に補修。多分罰金。
○ドラマ「マイ・ワンナイト・ルール」足立梨花も微妙に顔(目)が変わった気がする。

●2025.01.15(水)はれ
○リビングのレコーダー、HDMIケーブル差し替えたら映るようになった。
○夕食はサバ照焼缶、キムチ、高菜、ごはん2個、金麦。
○視力回復挑戦今週は停滞気味。一昨日からの左耳の不調も関係しているのかもしれない。
○全豪オープン4日目。1回戦勝利の日本人選手4人登場、大坂のみ勝利。
○大相撲1月場所4日目。宇良の反り技がとてもきれいに決まる(高安戦)。琴櫻3連敗、横綱昇進多分無理。

●2025.01.16(木)くもり(時々陽射し)
○ずっとまともに見れないFANZAの月額VR解約。今回は半額キャンペーンで契約したが、もともと月2800円は高いので解約する予定ではあった。
○つなぎに温たまごかけご飯、チーズクラッカー、ポンスケ少々。 
○左耳の不調はウィルスかもしれないし、インフルもコロナも流行っているので、混んでそうな電車に乗ってまで映画館に行くのはやめておく。
○夕食はうどん(たまご、肉団子、ねぎ)、ソーセージ、キムチ、金麦。
○夜食はお茶漬け+ゆでたまご、ソーセージ、焼酎2杯。
○「大竹まこと ゴールデンラジオ」加齢で鼻がまるくなった話から”まるいと言えば、キャベツが高い”と繋げればスムーズだった。つなぎが思いつかない時は ”それにしても”で良いと思うのだが、何もなかったので確かに少々唐突と言えば唐突だった。
○大相撲1月場所5日目。湊川親方(貴景勝)の解説が技術的で面白い、切り口も独特、現役時代の取組後インタビューでは殆ど話さなかった印象なのだが。琴櫻4連敗。
○全豪オープン4日目。Medvedev2回戦敗退、試合が終わったのは深夜3:00近く。
○三菱UFJ銀行の貸金庫事件、鍵のアナログ過ぎる管理方法や貸金庫の部屋の中に防犯カメラがなかったのも驚きだが、そもそも行員が単独で貸金庫の部屋に入る事が可能な規定なのだろうか?

●2025.01.17(金)はれ(寒い)
○午後遅くほんの少し散歩。風があまりにも冷たいので買物だけしてとっとと帰る。外を歩いた時間は約15分。外出の間に大坂なおみの2回戦終わってた(1セット終了後大坂棄権、腹部の故障?)。
○つなぎにカレーパン、コーヒー。
○夕食は一口いなり8個、鶏むね竜田揚げ、キムチ、インスタント味噌汁。
○夜食はウィンナーポテト、手羽元あぶり焼き、キムチ、焼酎お湯割り2杯。
○大相撲1月場所6日目。琴櫻vs熱海富士戦、足が出ていないのに勝負審判が手を上げて取り直し。取り直しの一番も琴櫻は何もできず5連敗。こんな取り直しは前代未聞かと思いきや過去に例があるらしい。取り直すにしても手を上げる直前の形から再開があるべき形ではないか。

●2025.01.18(土)
○再開したドラクエウォーク、3万ジェム使ってエスタークの魔刃ひく。もう3万使う覚悟でもう1本狙いに行くかどうか使ってみて考える。
○夕食は寄せ鍋、チキンサラダ(アスパラ)、鯛の刺し身、ごはん2杯、金麦。
○夜食は寄せ鍋の残り、ごはん1杯、ゆでたまご、温奴、焼酎2杯。

●2025.01.19(日)くもり
○夕食はサクサクチキン、フライドポテト、寿司、納豆味噌汁、金麦500✕2、日本酒。
○NFLディヴィジョナル
⑥コマンダース45-31ライオンズ①
①チーフス23-14テキサンズ④
○愛の狩人(1971=マイク・ニコルズ)97分 U-NEXT
大学生の男女3人(男2女1)の三角関係の話(男ふたりは親友)と思ったら途中から迷走気味。
前半のニコルソンの裏切りの話はどこにも着地しない(親友にバレているかどうかも謎のまま)。
Art GarfunkelとCandice Bergenの冒頭の会話(本当の自分とは?)と、
Jack NicholsonとJack Nicholsonが最初に会った時の会話(男と女の会話は全て暗号)は興味深く、
全篇でこのふたつのテーマを検証していくような展開を期待したが、後半は何を言いたいのかよく判らなかった。
結婚はしたくないと言いつつ同棲は続けて怒鳴り散らすJack Nicholson。
Candice Bergenは後半は登場しない。
なんとなく「恋人たちの予感」に影響を与えているような気がする。

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